「汗のニオイ」が気になりにくい洋服の素材と夏を快適に過ごす洗濯術

家のこと

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2024.07.01

高温多湿が続く季節の到来で、汗のニオイに不安を感じている方も多いのではないでしょうか。外出先では着替えることが難しく、多くの場合は汗をかいても同じ服を一日中着続けることになりますよね。そこで今回は、衣料洗剤の製造販売やクリーニングを手がける浅川ふみさんに、”汗をかいてもニオイが気になりにくい洋服の素材”について教えていただきました。

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教えてくれたのは……浅川ふみさん

ハッシュ浅川さん画像

衣料洗剤の製造販売やクリーニングを手がける、株式会社ハッシュの代表取締役。創業62年のクリーニング専門店の3代目でもある。今までにない新商品を開発し、「洗濯を通じて新しいライフスタイルを提案」している。(第35回大田区中小企業新商品コンクール受賞)(国家資格クリーニング師)

汗をかいても”ニオイが気になりづらい”素材とは?

洗濯ニオイ画像出典:www.photo-ac.com

汗をかいてもニオイが気になりづらい洋服(夏服)素材は、綿、麻、シルク、レーヨンなどの天然素材になります。
これら天然素材は吸水性・吸湿性にすぐれているので、素材自体が汗やニオイを吸収してくれるためニオイが外に伝わりにくいという特長をもっています。

このなかでも特に麻は通気性が良く、湿気を逃がしやすく、さらに抗菌性ももっています。
ニオイの原因となる細菌の繁殖を抑えることができるため、麻が最も汗のニオイが気になりづらい素材となります。

夏によく着る”ポリエステル素材”の注意点とは?

ポリエステル画像出典:www.photo-ac.com

スポーツウェアや、紫外線対策で着用する薄手のパーカーなどのほとんどが、ポリエステル繊維でできています。
そこで、夏によく着るポリエステル素材のメリットとデメリット、注意点についてうかがいました。

ポリエステル素材のメリット

ポリエステルは軽量なので、着用感も軽く、ストレスなく着用できます。
また、抗菌防臭加工が施されているものはニオイが発生しにくかったり、UVカット機能加工が施されたものは日差しから肌を守ることができます。

ポリエステル素材のデメリット

ポリエステル素材には、内部が空洞の中空繊維が多く使用されています。
このため、汗が乾いたあとに細菌や汗に含まれる成分が繊維の内部に残りやすく、ニオイが発生しやすい構造です。また、繊維自体に吸水性がなく水分を含まないため油分を付着しやすい性質があり、生地の表面には皮脂を吸着しやすくなるのです。
さらに、吸水性がないため汗をかいた皮膚が蒸れやすくなり、細菌にとっては繁殖しやすい環境となります。

夏にポリエステル素材を着用する際の注意点

ポリエステル画像出典:www.photo-ac.com

夏に向いているポリエステル繊維は、マイクロファイバーポリエステル、メッシュポリエステルなどです。非常に細かい繊維でできていて、軽量でやわらかく、通気性・速乾性が高いのが特長です。

逆に、厚手のポリエステル素材や、透湿性が低いもの(レインコートのような素材)は、汗を十分に逃がせずムレやすいため、夏に向かない素材といえるでしょう。

スポーツウェアやトレーニングウェアは汗をかくシーンで着用するうえ、直接肌に触れることで菌が繁殖しやすい状態になりがちです。
暑い季節は特に、つぎの洗濯方法でしっかりニオイ対策を行いましょう。

汗を吸った衣類の正しい洗濯方法【3つのポイント】

サンプルイメージ出典:www.photo-ac.com

【1】洗っても落としきれなかった汗、よごれ、皮脂は、ニオイの原因になります。
洗濯槽が汚れていないかを確認し、定期的に洗濯槽用の洗剤を使って汚れやカビを除去しましょう。

【2】汗のついた服はできるだけ早く洗濯しましょう。洗濯せずに放置してしまうと、繊維の奥まで細菌が繁殖して洗濯で落とすことが難しくなってしまいます。夏場などの、汗を多くかく季節には要注意です。

【3】ニオイを消すために柔軟剤をたくさん入れるのは逆効果。洗剤や柔軟剤は、洗濯物の量に合わせた分量を使用しましょう。適量を超えて入れすぎると、洗剤が洗い落されずについたままになってしまうことがあります。すると、洗いきれなかった洗剤を元に細菌が繁殖してニオイが発生してしまいます。

素材別の洗い方

手洗い画像出典:www.photo-ac.com

【麻素材】
冷水で、中性洗剤を使って短時間でやさしく手洗いをします。形を整えて日陰干しをします。

【 シルク素材】
汗がついたところに冷水スプレーをして、軽くたたいておきます。中性洗剤で手洗いしましょう。

【レーヨン素材】
汗がついた部分に中性洗剤を薄めた液を塗り5分ぐらい置いておきます。冷水を使って手洗いか、デリケートコースで洗いましょう。

【綿素材】
酸素系漂白剤を塗ってから、通常の洗濯機で洗います。

***
汗のニオイは自分が不快なだけでなく、「周りに臭っているのでは?」と不安に思うことで精神的なストレスにもつながりますよね。
素材選びと洗い方に注意することで、今年はぜひ汗のニオイを気にしない快適な夏をお過ごしください。

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著者

鈴木杏

鈴木杏

研究機関の秘書を経て、現在は子育てしながらライターをしています。夫の影響でアウトドア好きになり、今ではキャンプ歴も20年に!キャンプに関する情報や生活に役立つ情報をお届けしていきます。

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