実家と妻の間に立つな。夫は常に妻の側にいるべし
最初に。
僕は直系の長男で、実家は田舎の古いしきたりが残る家の生まれです。
広いお屋敷があり、でっかいお墓があり、夏には家族で帰省するのが習慣となっています。
妻からすれば「こりゃ、面倒な家だ」と思っているはず。
念の為、大前提としてお伝えすると、妻と僕の実家の両親はとてもうまく関係を築いています。
両親は妻のことが大好きだし、妻もわりと遠慮なくズバズバと話をします。
でも!
だからと言って、その関係性を夫は「ああ、うちは仲良くやってるな〜」とボーっと見ていてはいけません。
いくら仲良くやっていても、些細なことで仲違いすることもあるし、そもそも季節ごとの行事についてや介護や遺産問題など、一歩踏み込んだ価値観の違いに触れる機会も出てくるのが義実家とのやり取りです。
何もないときは、大人同士ですから気を遣いながら会話ができても、たとえば同居したり介護がはじまったり、病気になったりというきっかけで関係がこじれることはいくらでもあります。
そうなったとき、サイアクの場合「夫が実家側に肩入れし、妻を責める」という構図が考えられます。
そこまで行かなくても「実家と妻の間に立ってバランサーになろうとしてしまう」もよくあるかもしれません。
ただ、色んなご家庭の話を聞いていて感じるのは「バランサー」がより状況を悪化させてしまうということです。
どっちつかずの態度を取り、どちらからも「あてにならない」と邪険にされ、愚痴のはけ口となり、両親・妻・夫の三者の関係がどれも悪くなってしまう。そんなケースが多いようです。
実家と妻の間に立ったとき、夫がするべきことはバランサーになることではありません。
夫がするべきは、妻の味方になり、ときに妻の盾となることです。
「妻の味方」になるとは、つまり「自分で築いた新しい家族を最優先に考える」ということです。
その態度や姿を自分の両親にハッキリと示さなければなりません。
べつに両親に冷たくするとか、蔑ろにするということではありません。
親元を離れ、自分の家庭を築いたのだから、その家族を最優先しよう、というだけの話です。
まずは、この覚悟を持つことが夫としては大事になると思っています。
両親の相手を妻に「丸投げ」しない
とはいえ、年老いた両親が心配ということもあるでしょう。ここで大事になるのが「両親の相手を妻に丸投げしない」ということ。
自分の両親の責任は、自分で負う覚悟が必要です。
介護のことや遺産のことなど。もちろん妻に「手伝ってもらうこと」は色々とあるでしょう。そこは、家族になったのだから妻側の両親のことも含め、お互いに助け合うことは大切です。ですが、助け合うのと「丸投げする」のは全く違うこと。
日常的なことで言えば、「実家に帰る連絡」や「送られてきた荷物のお礼」や「子どもの様子の連絡」など、夫がやれば5秒で終わるようなタスクでも、妻がやると様々な気遣いが入りすごく時間と労力がかかってしまうこともあります。
こうしたこと、無意識に「妻がやるべき」と思っていないでしょうか?
「どっちがやる?」という話し合いを夫婦でしてみてもいいでしょう。夫が思っている以上に、妻は負担に感じていることもあります。
適切な「距離」を保たせる
義実家との関係性を保つうえで、ものすごく大事な要素として「距離感」があります。物理的な距離もそうだし、LINEなどのやり取りの頻度的な距離もあります。
同居しても全然仲良し、という方もいますが、近いほどいざこざに発展するケースも増えてしまいます。
「自分は気にならないから、妻だって気にならないだろう」と安易に考えるのは危険です。
わが家ではLINEなども、極力「妻と義母」だけのマンツーでのやり取りよりも、「夫、妻、義母、義父」などオープンにやり取りできるものをメインにしています。そしてやり取りの中に自分が返事をしたりと、積極的に入っていくこと。たったこれだけでも、ほどよい距離感を保つのに役立ちます。
実家とのコミュニケーションは、なかなか難しいものかもしれません。
でも、夫としての立ち位置をしっかりすることで解消できることだって少なくないはずです。
家族みんな、ほどよく笑顔でいられる関係を築いていきたいですね。