教えてくれたのは……マインドトレーナー 田中よしこさん
株式会社コレット代表取締役。心理学・脳科学、コーチングの知見を取り入れ、「自分を本当に知る」ことをメソッド化。個人セッションやセミナーなどを中心に、潜在意識を整え、本心と「未来の理想の思考」を引き出す方法を伝えている。著書に『自分の気持ちがわからない沼から抜け出したい』(KADOKAWA)がある。
時間をムダに使ってしまう人の「5つの特徴」
忙しい毎日を送っていても、振り返ってみると「今日も何をしていたんだろう」と思うことはありませんか? そして、一日の終わりに自己嫌悪に陥ってしまうことも……。特に、年齢を重ねるにつれ、「もっと早く始めておけば良かった」「時間をムダにしてしまった」と感じることが増えるものです。
時間をムダに使ってしまいがちな人の5つの特徴をチェックして、有意義な日々を過ごす方法を考えるきっかけにしてみてくださいね。
1.スマホを「だらだら」見続けてしまう
スマホをなんとなく見てしまう時間は、無意識のうちに積み重なってしまっています。特に、SNSやインターネットサーフィンに費やす時間は、脳を疲れさせ、集中力を低下させることが明らかになっています。
一度手に取ると、何時間もスクロールしてしまい、気がつけば大切なことに使うべき時間を失ってしまうことも。スマホを見続ることが直ちに深刻な問題を引き起こすわけではありませんが、そのせいで確実に時間が失われ、「できなかったこと・やらなかったこと」が増えてしまうのです。
大切な家族との時間や、自分との対話時間などが失われていないか、改めて確認してみましょう。
2.「先延ばしグセ」がついている
「明日やればいいや」と思い、物事を先延ばしにするクセはありませんか? これが習慣化してしまうことで、やるべきことが山積みになり、ストレスが増えることに。先延ばしは、不安や自己効力感の低下につながることが心理学の研究でも明らかになっています。その結果として、後悔を招くことになるのです。
「まずは立ち上がって〇〇をひとつだけしておこう」など、自分に指示を出すだけでも、脳がフォーカスするものが変わります。毎日ひとつでも良いので、先延ばしにしているものを片付ける習慣を身につけましょう。
3.「完璧主義」にとらわれている
完璧主義は時として、大きな妨げになることがあります。すべてを完璧にしようとするがあまり、行動を起こす前に面倒になってしまい、時間を無駄にしてしまうことがあるのです。心理学の研究では、完璧主義が強い人ほどストレスを感じやすく、物事を完成させるのに時間がかかる傾向にあることが示されています。
「まずは60%達成できたらOK」という新しい定義で取り組んでみましょう。60%達成した時点で、完璧を目指すかどうかを決めても遅くはありません。面倒だとか、頑張れないと感じたときは、完璧を求めすぎていないか自分の思考を見直してみてくださいね。
4.負担に感じている「人間関係」を続けている
無理に続けている人間関係が、時間とエネルギーを消耗させる原因になっていることがあります。お互いに負担になるような関係を続けることは、精神面にも健康面にも悪影響を及ぼすことが研究結果でも分かっているのです。
ストレスもムダな時間も増えてしまうことは、非常にもったいないですよね。断るスキルを身につけて自分の時間を確保できると、やりたいと思っていた趣味を楽しむなど、自分を満足させる時間を持てるメリットがあります。
5. 脳や心を「休めること」ができていない
「忙しくしていないとダメだ」と感じ、休むことに罪悪感を持っていませんか? 脳科学によると、定期的な休息は創造性や集中力を高め、幸福感を向上させることが明らかになっています。
「生産性がある時間ほど価値がある」という考え方にとらわれすぎていると、身体を休めている間も焦りや不安に駆られ、結局は脳や心を休ませることができずに時間だけが過ぎてしまうことに。休むことは決してムダではなく、むしろ時間を効果的に使うための重要なステップであることを覚えておきましょう。
あなたにとって「本当に大切なもの」は何ですか?
ムダな時間の使い方を見直し、日常生活に少しずつ取り入れることで、より満足感のある毎日を過ごすことができます。時間を有効に使うためには、まず自分自身を大切にする意識から始めることが必要です。
アメリカの詩人、ヘンリー・デイヴィッド・ソローは「忙しさの代償は、真に大切なことを見失うことにある」と教えてくれています。日々の中で「何が本当に大切なのか」を見つめ直し、大切なものにフォーカスしながら豊かな毎日を送っていきましょう。