教えてくれたのは……マインドトレーナー 田中よしこさん
株式会社コレット代表取締役。心理学・脳科学、コーチングの知見を取り入れ、「自分を本当に知る」ことをメソッド化。個人セッションやセミナーなどを中心に、潜在意識を整え、本心と「未来の理想の思考」を引き出す方法を伝えている。『モヤモヤしない考え方』(ワニブックス)より新刊発売。
幸福度が低い人が抱えやすい「見えないストレス」3つの正体
人生には、大きな変化が次々と訪れる時期もありますよね。その中で、心や体の疲れがなかなか取れないと感じたり、不安に襲われたりすることはありませんか?
それはもしかすると、「見えないストレス」のせいかもしれません。見えないストレスは、気づかないうちに私たちの心にじんわりと影を落としている厄介なもの。今回は、その正体と、心が軽くなる方法についてお伝えいたします。
1.「〜でなければならない」の呪縛
「母親だからこうあるべき」 「50代なんだから、もっとしっかりしなきゃ」 「妻として、完璧な家事をしなきゃ」など、私たちの周りには、たくさんの「〜でなければならない」があふれています。特に真面目な人ほど、この「〜でなければならない」にがんじがらめになり、自分を追い詰めてしまいがちです。
でも、本当にそうでしょうか? 誰かがあなたに、完璧を求めているわけではないのに、自分で自分に厳しいルールを課してはいませんか?
「〜でなければならない」という呪縛にとらわれていると、どれだけ頑張っても心は満たされず、「まだ足りない」と自分を責め続けてしまいます。これこそが、“見えないストレス”の大きな原因の一つです。「〜でなければならない」と感じたときは、心の中で「〇〇くらいしてもいい」と言い換えてみましょう。自分に優しく、許可を与える練習をしてみてくださいね。
2.「人の目」ばかり気にする癖
「あの人、私のことどう思ってるかな?」 「こんなこと言ったら、嫌われるんじゃないか」など、私たちは無意識のうちに“人の目”を気にしながら生きています。特に日本人女性は、協調性を重んじる文化の中で育ったため、「人からどう見られるか」が自分の行動を決める大きな基準になりがちです。
しかし、人の評価を気にしすぎると、自分の本当の気持ちや願いがどんどん分からなくなってしまいます。まるで、他人の人生を生きているような感覚に陥ってしまうことも。SNSで見るキラキラした日常や、昔の友人の成功話を聞いて、「それに比べて私は…… 」と自分と比較して落ち込んでしまうのは、“人の目”を気にするストレスの表れと言えます。
何かを決める際に、人の顔色を気にしてしまったときには「本当のホントは、私はどうしたい?」と自分に問いかけてみてください。小さなことでも構わないので、「自分が何を感じているか」を一番大切にする練習をしてみましょう。
3.「感情のフタ」を閉めてしまう
嬉しい、楽しい、悲しい、悔しいなど、私たちは毎日たくさんの感情を抱えています。しかし、「大人だから」「もう50代だから」と、自分の感情にフタをし、見て見ぬふりをしていませんか?
特にネガティブな感情、例えば“怒り”や“悲しみ”を、「こんなことでイライラしてはいけない」と抑え込み、「感じてはいけないもの」として心の奥にしまい込んでしまうことがありがちです。感情にフタをすることは、一時的にはラクかもしれませんが、その感情が消えるわけではありません。心の奥底に溜まり続け、やがて突然爆発したり、体の不調として現れたりすることもあります。
自分の感情に気づかないまま過ごすことは、心にとって大きなストレスとなります。湧いてきた感情には、よいも悪いもありません。「今、自分はこう感じているんだな」と確認するだけでいいのです。まずは、その小さな練習から始めてみましょう。
見えないストレスを抱えているのは、頑張ってきた証
ここまで私たちは、本当にたくさんのことを経験し、数々の困難も乗り越えてきました。知らず知らずのうちに、“見えないストレス”を抱えていたとしても、それはあなたが一生懸命頑張ってきた証拠。
今回ご紹介した3つのポイントを取り入れることで、心がもっと軽くなり、あなたらしく輝けるはずです。あなたの心が、本当の幸せで満たされるよう、心から応援しています。