宿題をせず推し活に夢中なわが子にイライラ。
韓国アイドルグループに夢中の娘。Youtubeを楽しそうに見ていたり、グッズを集めたりと、毎日推し活の話ばかり。最初は微笑ましく聞いていたけど、夜遅くまでスマホを見ていたり、成績が下がっていることを考えると見ていてイライラしてしまうときも。「そんなことしてないで勉強しなさい」と強く言ってしまい、「ママにはわからない」と喧嘩になることもしばしば。どんな風に接すればいいの?
大人も子どもも夢中になる「推し活」。
好きな推しの話をする姿を見て微笑ましく感じるときもあれば、寝ても覚めても推しばかりの子どもを見て心配になるときも。やるべきことが後回しになっていると、親として不安や苛立ちを覚えるのは当然。しかし、推し活には大切な心理的意味が隠されているんです。子どもの推し活との付き合い方を考えていきましょう。
推し活=現実逃避?
テストが控えているのに動画を見続ける、友達と推しの話がやめられない。注意しても勉強に意識が向かない。
そんな姿を見ていると、推し活が現実逃避になっているように感じますよね。ですが、推し活は単なる逃避ではないのです。推し活がもたらす心理的意味を考えていきます。
価値観の育ち
アイドルやアニメのキャラクターを推すきっかけとなるのは見た目かもしれませんが、推していく中で中身も好きになる子は多いもの。推しの考え方、がんばる姿勢、気遣いなど人との関わり方、努力する姿などに触れていく中で、さらに好きになったり、憧れの気持ちが高まっていくんですね。
心の中に「大好きな人がどんな風に考え、生きているか」「憧れの人はこんなときどうするかな?」という指針があると、健康的な価値観が育ちやすくなります。
自分が安心できる居場所
思春期の人間関係の中では、自分のキャラクターやクラスの立ち位置、自分の発言が合っていたかどうか、気にもむ時間もあるでしょう。そんな中で、推しが輝いている姿を見てエネルギーをチャージされる時間は、心の支えとなり居場所となります。
もちろんアイドルの場合、アイドルも1人の人間なのでスキャンダルや不祥事など、トラブルが起こり傷つくときもあるでしょう。しかし、そのときにどう感じるかも含めて、心の成長に繋がっていきます。安心できる居場所をもつこと、居場所が揺らいだときの対処を知ること。この二つも、推し活が与えてくれるものなんですね。
推しを通して自分を見つめる
思春期にさしかかると、「自分は一体どういう人なんだろう、どうなっていくんだろう」と考える時間が増えていきます。
そんなとき、憧れの存在が心にいると、「この人になんで惹かれているんだろう」「あんな考え方ができたらいいな」と感じたり、無意識に言動を真似ていることがあります。推し活を通して、自分に自信がでてきたり、“推しに恥じない自分でいよう”という意識がでてきたり、ポジティブな効果もあるんですね。
親が禁止する→逃避する
否定されたり、わかってもらえないと感じると、逃げ場がなくなり、余計推しに固執するようになってしまいます。親が否定することで、推し活しか居場所がなくなってしまうと、余計に親の言葉が入らなくなります。すると親も“うちの子は現実逃避している”と感じてしまうんですね。
推し活も成長の一環ととらえ、子どもの“好き”を認めてあげるのが第一。そして、「どんなところが好きなの?」「他の人(キャラクター)との違いは?」など、聞いてあげると、より子どもの心が健康的に育ちやすくなるでしょう。
“好き”をわかってもらえるのも、“好き”をわかってあげられるのも、親子の信頼に繋がっていきます。推しは逃げ場所ではなく、心の充電場所として考え、大切にしてあげられるといいですよね。