夏休み中の「早寝早起き」諦めていませんか?生活リズムを整える“2つの小さなコツ”

家族・人間関係

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2025.08.06

夏休みが始まると「もう生活リズムはめちゃくちゃ……」と諦めていませんか? 「21時に寝なさい!」と言っても効果がないなら、発想を変えてみましょう。家事シェア研究家で1児の父である僕が実践している、子どもが自然と眠くなる環境づくりをお伝えします。

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「明日も休みだから」が生活リズムを崩す落とし穴

生活リズム出典:stock.adobe.com

娘が小学3年生のころ。夏休みが始まったら、「明日も休みだから、今日はもう少し遅くてもいいよね」と、いつもよりも遅めに寝るのを許してしまっていたんです。

いつも21時には寝ていたのを、22時ごろの就寝が習慣に。でも、遅く寝ると当然朝起きる時間も遅くなります。すると昼間の活動時間がずれて、また夜眠くなる時間も遅くなる……という悪循環に。気がつくと、娘の一日がなんとなくダラダラした感じになってしまいました。

朝はギリギリまで寝ていて、昼間もぼーっとしている時間が長く、夜はなかなか眠くならない。そんな生活が続くと、娘自身も日中に「ねむい」と言うようになったんです。

子どもは大人以上に習慣の生き物です。「夏休みだから特別」が積み重なると、体内時計がどんどんずれていってしまいます。そして困るのは9月の新学期。急に「明日から7時に起きなさい」と言っても、体がついていかないんですよね。

夏休みだからこそ、普段と同じリズムを保つことの大切さを、身をもって実感しました。

【コツ1】朝の光と夜の環境で自然なリズムを作る

朝の光出典:stock.adobe.com

そこで僕が試したのは、子どもが自然と眠くなる環境を整えることでした。

まず大切なのは朝の光。人間の体内時計は、朝の明るい光を浴びることでリセットされます。僕は娘が起きたら、まずカーテンを全開にして部屋を明るくします。そして朝ごはんもしっかり食べるようにしました。曇りの日でも、外の光は室内の照明よりもずっと明るいんです。だから、朝のうちに少しでもベランダに出たり、庭に出たりする時間を作るようにしています。

一方で、夜は逆に暗くしていきます。夕方18時頃から、家の照明を少しずつ暗めに調整。リビングの電気を間接照明に変えたり、テレビの明度を下げたりします。お風呂も大切なポイント。寝る1時間前にお風呂に入ると、その後体温が下がるタイミングで自然と眠くなります。

こうした環境づくりを始めてから、僕が「寝る時間だよ」と言わなくても、娘の方から「もう寝る〜」と言うようになりました。無理に寝かせるのではなく、体が自然と眠くなる仕組みを作ることが、実は一番効果的だったんです。

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【コツ2】「ゆるく、でも一貫して」が成功の秘訣

友達と遊ぶ出典:stock.adobe.com

娘も小学5年生になった今。わが家では夏休み中も学校があるときと同じリズムで過ごしています。土曜日は少し遅めまで起きていることもありますが、それ以外は9時には寝室へ向かいます。でも、これは決して厳格なルールではありません。友達が遊びに来た日や、花火大会の日など、特別なときは「今日は特別だね」と言って、いつもより遅くなってもOKにしています。

大切なのは、完璧を目指すことではなく、基本のリズムを「ゆるく、でも一貫して」保つこと。週に1回程度の「特別な日」があっても、普段のリズムがしっかりしていれば、すぐに元に戻れます。

この生活を続けていると、とても良いことがありました。学校が始まっても、朝起きなければいけないときでも、娘はいつもどおりの生活ができる。9月になって「学校始まるから早く寝なさい」と慌てる必要がありません。

子どもにとって「いつもと同じリズム」は、実はとても安心できるもの。夏休みだからといってリズムが崩れることなく、でもゆったりとした時間も楽しめる。そんなバランスが取れるようになりました。

夏休みだからこそできる「ゆったりした中での規則正しさ」。これが、子どもにも親にも一番楽な方法だと実感しています。

夏休みの生活リズムは「9月の自分」への贈り物

新学期の投資出典:stock.adobe.com

今回お伝えした2つのコツをおさらいすると、「環境づくりで自然なリズムを作る」「ゆるく、でも一貫して基本を守る」ということです。

夏休みの生活リズムは、実は「新学期への投資」です。今、少し意識するだけで、9月になったときの子どもも親も楽になります。完璧な早寝早起きを目指す必要はありません。でも、「明日も休みだから」という甘えを少しだけ見直してみませんか?

今日から「明日も休みだから」をやめて、いつもと同じ時間に寝室へ向かってみる。それだけで、きっと夏休みの過ごし方が変わってくるはずです。夏休みが、家族みんなにとって心地よいリズムで過ごせますように。

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著者

三木智有

三木智有

NPO法人tadaima!代表 日本唯一の家事シェア研究家/子育て家庭のためのモヨウ替えコンサルタント。著書に『家族全員自分で動く チーム家事』がある。

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