教えてくれたのは……マインドトレーナー 田中よしこさん
株式会社コレット代表取締役。心理学・脳科学、コーチングの知見を取り入れ、「自分を本当に知る」ことをメソッド化。個人セッションやセミナーなどを中心に、潜在意識を整え、本心と「未来の理想の思考」を引き出す方法を伝えている。『モヤモヤしない考え方』(ワニブックス)/最新刊『私は私を幸せにできる』(KADOKAWA)がある。
今日から実践できる「幸福度を高める思考法と習慣」5選
「私には〇〇が足りない」「もっと〇〇があれば幸せになれるのに」こんなふうに“足りないもの”ばかりに目を向けて、気づけば気分が落ち込みがち……なんてことはありませんか?
実は、幸せを感じる力=「幸福度」は、自分の考え方次第で高めることができます。今回は、今日から実践できる「幸福度を高める思考法と習慣」を5つご紹介します。
1.「持っているもの」に意識を向ける
ある朝、友だちのSNSを見て「あの子は海外旅行か。いいなあ、私なんて……」と落ち込んだAさん。でも、ふと横を見ると、美味しいコーヒー、猫のぬくもり、そしてお気に入りの毛布。Aさんのそばにも、素敵な幸せがたくさんありました。
ないものではなく、すでに「あるもの」を
身近にある当たり前こそ、実は一番の宝物です。災害や紛争のニュースを目にするたび、日常が当たり前に続くことがどれほどありがたいことなのか、実感できるのではないでしょうか。心の中で「ありがとう」とつぶやいてみると、ふわっと気持ちがあたたかくなります。
2.「まだできていない」を「ここまでできた」に言い換える
ダイエット中のBさんは、「まだあと3キロ落とさなきゃ」と鏡を見てため息。でも、よく考えてみると、「500g減らせている!」「朝のウォーミングを続けられている!」「食事も見直してる!」と、小さくても確実に進歩していることが見えてきました。これって、すごいことだと思いませんか?
「足りないもの」ではなく、「できていること」を
できていることは、ちゃんとあります。“ここまでできた自分”に目を向けて、「続けたらどんな変化が待っているのだろう?」と、未来を想像するだけでも、前向きな気持ちになれます。
3.「誰かと比べる癖」を手放す
「起業した」「結婚した」「子どもが優秀」そんな話を聞くと、なぜか自分がダメに思えてしまう。実は、これは私たちの脳の仕組みであり、誰でも抱きがちな反応なのです。
幸せは「自分の今」に
でも、それはその人の人生であって、比べてもそこに答えはありません。あなたの幸せは、あなたの“今”の中にあります。「昨日の自分より、ちょっとでも笑えたならOK!」と自分の心に声をかけてみましょう。比べるのは、過去の自分か未来の自分だけ。そんな視点を持ってみてください。
4.今の感覚を大切にして「余白」をつくる
「あれもしなくちゃ」「もっとこうすればよかったかな……」と、頭の中をぐるぐると考えが巡ることはありませんか? そんな状態が続くと、誰でも疲れてしまいます。
自分が今感じていることは何か
「冷房の風が心地いいな」「ちょっと肩が痛いな」など、自分とつながる感覚を育ててあげることが脳をスッキリさせ、心の余裕をつくるカギになります。そんな余白があると、自分らしい選択肢が自然と増えてくるのが不思議です。ぜひ試してみてはいかがでしょうか。
5.「どんな自分」もまるっと受け入れる
朝寝坊して時間がなく、お弁当作りが適当になってしまって「もうダメだ」と思ったCさん。でも、子どもは「おにぎり美味しかったよ」とニコニコして話してくれました。
失敗するのは当たり前
うまくいかない日も、自分を責めずに受け入れることが大切です。失敗するのは自然なことで、特別なことではありません。完璧じゃない自分に対して「こんな日もある」と言えることが、心を整えるための一番の魔法です。
幸せを見つけるコツは「今とこれから」
私たちは、つい“ないもの”に目を向けがちです。後から「もっとできたかもしれない」「どうして、こうなってしまったのか」などと考えてしまうこともあるかもしれません。でも、それは何とでも言える過去のこと。だからこそ、“今とこれから”にフォーカスする脳の使い方で、新しい幸せを呼び込めるのです。
私たちの周りには、たくさんの幸せがあります。「もうすでにある幸せ」に気づくだけで、今日という日がやさしく、あたたかいものに変わります。がんばり屋のあなたが、ふっと力を抜いて、笑顔になれますように。