こんなの見たことない!

数年前から、ゆるりと続けている「手帳カフェ」というイベントで、ある一冊の手帳に全員が釘付けになった。
ページを開いた瞬間、「あれ?」と目が留まる。上下に分かれた、見慣れないレイアウト。マンスリーとバーチカルが、ひとつの視界に収まっている。

「すごくいいよ。他の手帳にはもう乗り換えられないわ〜」と、愛用者は言う。けれど、私にとっては初めて出会う構造だった。使い道を想像すると、じわじわと便利さが伝わってくる。
使いやすそうなのに、その場にいた誰もこの手帳を知らなかった。
これは、もっと知られていい手帳では?
さまざまな手帳を見てきたけれど、群を抜いて独創的。どうして、こんな発想にたどり着いたのだろう。
早速、ツイン手帳を生んだ学研ステイフルに伺い、商品企画秘話をお聞きした。
きっかけは木製立体パズル!?
今回の取材にあたり、現在は別部署に異動された当時の開発者が、この画期的な手帳の誕生秘話を文書で寄せてくださった。
このユニークな構造の裏側には、意外なきっかけがあるという。現在の商品企画担当の影山さんが代読してくださるところからスタートした。

その内容は、意外なエピソードから始まる。
「新しい手帳のアイデアを考えていた頃、隣の席の同僚から木製の立体パズルをバラバラにしてしまったから元通りにしてくれないかと頼まれ、組み立てたことでひらめいた手帳です」
立体パズルの構造を組み直す体験が、そのまま手帳の発想へとつながったという。
告白はさらに続く。
「自分自身も手帳の使い方が下手で、それまではマンスリーで予定を立ててもウィークリーに書き忘れることがありました。ツイン手帳は両方を縦に並べて見比べられるので、仕事でのうっかりミスがなくなりました。それ以外にも週の予定を見ながらメモをしたり、カレンダーを見ながら週間ログを記入したりできるので、手帳の自由度が高くなりました」
手帳を“平面”ではなく“立体的な組み合わせ”として捉える。この発想の転換こそが、ツイン手帳の原点だった。
授業参観とヘアサロン
手帳を使っていると、「あるある」な失敗がある。
月初めに子どもたちが学校から持ち帰る、学年だより。
月の予定に授業参観の日程を書き写したはずなのに、自分の予定を確認する時には週間しか見ておらず、うっかり同じ日時にヘアカットを予約してしまう……なんていう失敗は日常茶飯事だ。
子どもたちの成長とともに予定は増えていく。部活の大会、塾や習い事の送迎。どこかには確かに書いたはずなのに「あれ、いつだっけ?」とページを行ったり来たり。
月の予定と週の予定が同じ視界にあれば、「うっかりミス」と「ページを見直す手間」は、ぐっと減る。
オンラインと対面アポ
ビジネスの場でも、同じような「あるある」が発生する。
会議や打ち合わせの日程を決める時、会議室を押さえ、資料作成のスケジュールも確認する。けれど、その日は出張だった……。
月の予定には2泊3日の予定が大きく書いてあったのに、週のページに転記するのを忘れたり、書いていても見落としてしまう。全体では見えていたはずの予定が、今日の動きとつながっていなかった。
そんな小さなズレが、思いのほか慌ただしさとストレスを生む。
行ったり来たりを減らすために
立場は違っても、私たちはいくつもの予定を同時に抱えている。
月の流れと、今日の動きが、同じ場所で見渡せるだけで、慌ただしさは少し和らぐ。
ツイン手帳は、その行ったり来たりを減らすために生まれた一冊だ。
上下に分かれた少し大胆なレイアウトは、奇抜さのためではなく、忙しい日常をほんの少し整えるための工夫。
目新しさに惹かれてページを開き、使い続けるうちにいつの間にか日常に溶け込んでいく、そんな1冊だ。
◆2027年度の発売は2026年8月20日予定。
詳しい情報は、学研ステイフル公式HPもしくは、公式SNSをチェック!
学研ステイフル(文具) https://www.gakkensf.co.jp/product_tag/stationery/
お話を伺ったのは…開発担当 影山友紀さん

商品企画のアイデア出しが好きで、長年愛用の手帳は仕事用と趣味用の2冊を使い分けている。
仕事ではメモをこまめに取りながらタスクを整理し、ボールペンの多色使いや手帳のフォーマットにもこだわりを持つ本格派。
サッカー観戦や推し活など日々をアクティブに楽しみ、手帳はその慌ただしくも充実した毎日を支える大切な存在。
◆画像提供
mimi05210929:https://www.instagram.com/mimi05210929/
tokonotes:https://www.instagram.com/tokonotes/





