正しい返答をしてるはずなのに、うまくいかないのはなぜ?
思春期の小6息子、「来週末は友達と遊んでくるから」「塾のコースは先生と相談して決めた」など、最近の会話は報告ばかり。ある日、ぽつりと「修学旅行の班、なんか嫌なんだよね」と呟いたので、「嫌なんだ、どんなところが? 誰が嫌なの? 言いたいこと言えないの?」などと尋ねると「いや、なんでもない」と部屋にこもってしまった。‟共感・受容・否定しない”。育児書に書いてあることは守っている。もっと会話をしていきたいけどどうしたらよい?
思春期(小学校中学年~高学年くらい)になると、子どもは急に話さなくなるように見えることがあります。
でも実際には、話さないのではなく、どこまで話すか調整しているケースが多いんです。
まずは、令和世代の風潮、今時の子ならではの考え方を理解して、相談しやすい親子になるためのヒントを考えてみましょう。
相談しない子が増えているのは、思春期だけが理由ではない
思春期だから親との会話が減るのは、どの世代においても共通といえるでしょう。
しかし思春期の子の相談を受けていて感じるのは、“反応を予測しながら会話している”感覚の強さです。
そのため、
- 親が不安な表情を見せる
- アドバイスをしようとしてくる
- 言いたくないことまで聞かれるかもしれない
など親の反応を感じ取り、会話の先を予測するセンサーが働くんですね。
一方で、「思春期だからこそコミュニケーションを大切にしないといけない」「相談されたときが会話のチャンス」と感じて、力みすぎてしまう親御さんが多いように感じます。
そして「何があったの?」「あなた何か言った?」「ちゃんと話した方がいいよ」と‟正しそうな返答”を重ねてしまうんですね。
すると子どもは「話すと長くなる」「解決に持っていかれるのはしんどい」と感じてしまうことも。
その結果、“最低限の報告だけする”スタイルになってしまうパターンが多いんです。
相談しやすい親子でいるために、意識したい3つのこと
では、子どもが相談しやすい親子でいるために、親は何を意識するとよいのでしょうか。
今回ポイントになるのは「親に話しても疲れない感覚」を作ることです。
脱・原因分析。脱・処理モード。
職場でオーソドックスなPDCAサイクルが影響してか、親子の会話まで“処理モード”になっているときがあるかもしれません。
「で、どうするの?」
「それはこうした方がいいよ」
「ちゃんと説明した?」
職場の後輩に教育するようなコミュニケーションに近くなっていたら要注意。
なぜなら思春期世代の子どもは、“自分でも何を感じているかわからない状態”でいることが多いからです。
たとえば、「今日、班の空気なんか嫌だったな」と言われたら、「へえ、珍しいね。嫌だなって思ったんだ」と一度止まってみると子どもが言葉を紡ぎやすくなります。
‟急いで処理されない、原因を追及されない安心感”が相談のしやすさに繋がるんですね。
「全部話さなくても大丈夫」と感じさせる
子育てに熱心な方ほど、「なんでも話してほしい」「全部知っておきたい」と感じやすいもの。
しかし実は、全部説明しなくていい関係のほうが、長く相談は続きやすいんです。
「誰と?」「なんで?」「それでどうなったの?」と細かく聞かれると、子どもは“話し始めると全部開示しなきゃいけない”感覚になってしまいます。
そのため、
- 「まだ言葉にしにくそうだね。」
- 「また話したくなったら聞かせて。」
- 「言いたいことだけ教えて。」
と、‟一部でも大丈夫だよ”という余裕を見せるのが大切です。
完璧な共感より、‟ママ(パパ)らしい温度感”
「否定しない・受容する・共感する」
どの育児書にも書いてある‟正しいコミュニケーション”だと、親子の会話が噛み合わなくなることもあります。
子どもは、正しい答えをくれる相手ではなく、“話したあとに疲れない相手”に、もう一度話したくなるもの。
‟なんでも話せる親子”ではなく、‟中途半端でもいい、まとまってなくてもいい、どんな気持ちでも大丈夫”と感じられる関係を目指していけるとよいでしょう。



