教えてくれたのは……マインドトレーナー 田中よしこさん

株式会社コレット代表取締役。心理学、脳科学、コーチングの知見を取り入れ、「自分を本当に知る」ことをメソッド化。個人セッションやセミナーなどを中心に、潜在意識を整え、本心と「未来の理想の思考」を引き出す方法を伝えている。『モヤモヤしない考え方』(ワニブックス)/最新刊『私は私を幸せにできる』(KADOKAWA)がある。
梅雨に起こりやすい自己否定ループからの「抜け出し方」4つのヒント
「朝、体が重くて起きられない」「やるべきことが溜まっているのに動けない」。梅雨の時期、ふとした瞬間に襲ってくる「自分はなんてダメなんだろう」という自己否定の波……。そんなとき、誰にでもありますよね。特に40代・50代は、ホルモンバランスの変化や蓄積した疲労もあり、この波に飲み込まれやすい世代です。
今回は、梅雨に陥りやすい自己否定のワナと、そこからしなやかに抜け出すためのマインドセットをお伝えします。
1.「行動量=自分の価値」という結びつきを解く
多くの人が、「今日これだけのことができた」という“成果”で自分の価値を測ってしまいがちです。そのため、梅雨の気圧低下でパフォーマンスが落ちると、途端に自分の価値まで下がったように錯覚してしまいます。
ここで大切なのは、「Doing(何をしたか)」と「Being(自分という存在)」を切り離すこと。思うように動けなかった日があっても、あなたの存在価値は1ミリも損なわれていません。「今日はお休みモードの日を過ごしただけ。私たちは何をしたかどうかで価値が上下する存在ではない」と、事実を確認しましょう。
もし「自分の価値が下がっている気がする」と感じるなら、それはこれまでの思考パターンが“行動量=価値”とみなしてしまっているのかもしれません。その思考のクセを今後どうしていきたいか、改めて考えてみてくださいね。
2.「他人と比較するSNS」から一時的に離れる
雨で家にいる時間が増えると、ついスマホで他人のキラキラした日常を眺めてしまいがちです。活動的に過ごしている誰かと、動けない自分を比較して「置いていかれている」と焦るのは、自己否定の最短ルート。スマホの世界は、ばっちり決めた“よそゆきの自分”と寝起きの“油断した自分”くらいの差があります。
だからこそ、梅雨の時期は「デジタルデトックス」をするのがおすすめです。情報を遮断し、比較の対象を外側から自分の内側へと戻していきます。「昨日の自分より、少し深く呼吸ができた」「温かいお茶をおいしいと感じられた」。そんな小さな“自分の変化”だけに目を向けましょう。
3.「回復」を「停滞」と勘違いしない
私たちが自己否定に陥る大きな原因のひとつに、休むことへの罪悪感があります。しかし、梅雨時期のだるさは、体が外部環境の変化に適応しようとしている“調整中”のサイン。当たり前であり、とても大切な感覚です。
車にメンテナンスが必要なように、人間にも回復のための時間が必要です。「休んでいる時間は、次に飛躍するための助走期間」だと捉え直してみてください。休むことは停滞ではなく、未来の自分のための大事な投資時間なのです。
4.理想のハードルを「地面まで下げる」
真面目な人ほど、「せめてこれくらいは」と自分への期待値を高く設定しがちです。しかし、心身がゆらぎやすいこの時期に高いハードルを課してしまうと、自分にプレッシャーを与える道具にしかなりません。
梅雨の間は、目標設定を思いきって“レベル1”まで下げてみましょう。「今日は〇〇ができたらOK」「〇〇が1つ進められたら上出来!」。そのくらいの低空飛行でいいのです。小さな「できた」を積み重ねることで、脳は成功体験を記憶し、自己否定のループを自然と止めてくれます。
自分を「一番の味方」にする
自己否定ループから抜け出す最大の秘訣は、自分の中に“やさしい親友”を持つことです。 もし、あなたの大切な友達が「雨のせいで体がだるくて、何もできないんだ」と泣いていたら、あなたは何と声をかけますか? きっと「ゆっくり休んでね」「天気のせいだから気にしないで」と励ますはずです。
その言葉を、そのまま自分自身にかけてあげてください。ゆっくり休んで自分を労われば、また自然と足取りは軽くなります。 あなたを一番に守れるのは、ほかの誰でもない、あなた自身です。





