教えてくれたのは……石原 新菜(いしはら にいな)先生

イシハラクリニック副院長、ヒポクラティック・サナトリウム副施設長、健康ソムリエ理事。クリニックでの診察のほか、わかりやすい医学解説と、親しみやすい人柄で、講演、テレビ、ラジオ、執筆活動と幅広く活躍中。
「冷え」につながる原因はさまざま
「冷たい飲み物ばかりを選んでしまう」「エアコンの効いた部屋で長時間過ごす」「お風呂はシャワーだけで済ませる」「運動不足で筋肉量が少ない」。こうした習慣が続くと、体の熱づくりが追いつかず、冷えやすい状態になります。
涼しい室内で過ごすときはなるべく温かい飲み物を選ぶ、腹巻きを使う、湯船に浸かる、軽い運動を取り入れて筋肉を増やす、といった“体を温める生活習慣”を日ごろから意識することが大切です。
生活習慣の見直しに加えて役立つのが、冷えの改善をサポートしてくれる栄養素です。日々の食事に取り入れて、冷えにくい体づくりをしていきましょう。
1.タンパク質
体温の約40%は筋肉が生み出す熱です。そのため、冷え対策には筋肉の材料となるタンパク質をしっかり摂ることが欠かせません。「タンパク質=肉」と思われがちですが、肉以外にも魚、卵、豆腐、納豆、ちくわ、ヨーグルトなど、手軽に摂れるタンパク質源はたくさんあります。
動物性タンパク質と植物性タンパク質を1:1で摂るのが理想的とされており、女性にうれしい大豆イソフラボンを含む豆乳もおすすめです。女性ホルモンの作用をサポートしてくれる豆乳は、髪や肌の調子を整える、更年期のサポート、骨の強化、血液サラサラ効果、食物繊維の摂取に役立つなど、メリットが豊富です。
1日の摂取量の目安
40代女性の場合、タンパク質の摂取量は体重と同じくらいの数値(例:体重50kgなら50g程度) が1日の目安とされています。「納豆1パック+豆乳200ml+肉・魚+卵」といった組み合わせでようやく必要量に近づきます。意識しないとどうしても不足しやすいため、毎食で少しずつ補うように心がけましょう。
2.ビタミンB群、ビタミンE
摂った栄養素(糖質、脂質、タンパク質)をエネルギーに変えるためには、ビタミンB1、B2、B6などの「ビタミンB群」が欠かせません。エネルギーに変える際に熱が生まれるため、冷え対策に重要な栄養素のひとつとされています。ビタミンB群は、豆類や味噌、豚肉、アボカド、ナッツ類などに豊富に含まれています。
また、アボカドやナッツ類に含まれるビタミンEには血流を促し、体の巡りを整える働きもあります。冷えに対してよい影響を与えてくれる栄養素です。ビタミンB群やビタミンEも、こまめに摂るように意識しましょう。
3.体を温める作用のある栄養素や成分
体を内側から温める働きのある栄養素や成分を取り入れることも、冷え対策に役立ちます。いつものメニューに“ちょい足し”しやすいものばかりなので、毎日の食事に取り入れてみてくださいね。
生姜
生姜に含まれるジンゲロールやショウガオールには、毛細血管を広げて血流を促し、体を温める働きがあります。
唐辛子
唐辛子に含まれるカプサイシンは、脂肪を燃焼してエネルギーを生み出す際に熱を発生させるため、温め効果が期待できます。
ネギ、玉ねぎ、ニンニク
ネギ、玉ねぎ、ニンニクに含まれるアリシンには、血管を広げて血流をよくする作用があり、巡りの改善に役立ちます。
「選び方」を意識すれば、冷え対策メニューが組み立てられる
みなさんは、たとえばコンビニで朝食を買うとしたら、どのようなメニューを選ぶことが多いでしょうか。つい手軽に食べられる菓子パンを手に取りがちかもしれませんが、冷え対策を意識するなら“和食系”のメニューを選ぶのがおすすめです。
私ならコレを選ぶ!コンビニ朝食メニュー
- おにぎり
- 味噌汁
- ヨーグルトや豆乳
おにぎりの具は、鮭・梅・昆布など、タンパク質やビタミンB群、ミネラルなどが摂れるものが理想的です。海苔がついているタイプなら、ミネラルをさらにプラスできます。お湯を入れるだけで作れる味噌汁を添えれば、体を温める発酵食品である味噌の力も加わります。味噌にはビタミンB群、タンパク質、ミネラル、大豆イソフラボンが含まれており、冷え対策には最強のメニューです。
余裕があれば、ひじき、納豆、卵焼きなどを追加すると、より和食らしいバランスのよい食事になります。 コンビニでも、選び方ひとつでしっかり栄養が摂れますよ。
できることから始める「温め習慣」
1食で完璧に栄養をそろえようとすると負担になりますが、毎食で少しずつ取り入れていけば、必要な栄養は補いやすくなります。無理なく続けられる方法で、体を内側から温める習慣を育てていってくださいね!





