教えてくれたのは……石原 新菜(いしはら にいな)先生

イシハラクリニック副院長、ヒポクラティック・サナトリウム副施設長、健康ソムリエ理事。クリニックでの診察のほか、わかりやすい医学解説と、親しみやすい人柄で、講演、テレビ、ラジオ、執筆活動と幅広く活躍中。
疲れやすさは「睡眠の質の低下」から起こりやすい
「寝ても疲れが残っている」「昼に強い眠気がくる」「昔より体力が落ちた」など、なんとなく不調を感じることはありませんか? 疲れやすさの原因はさまざまですが、睡眠の質の低下も大きな要因のひとつです。
- お風呂はシャワーで済ますのではなく、湯船につかって体を温める
- 寝る前のスマホを控え、睡眠時間をしっかり確保する
- 適度な運動を取り入れる
- 食事のバランスを整える
など、生活習慣を意識すると良質な睡眠につながります。また、睡眠の質は、自律神経の働きとも深く関わっているため、年齢による自律神経の乱れや更年期のゆらぎにも振り回されにくくなります。
春は寒暖差や花粉、夏は酷暑、秋は台風、冬は冷えなど、季節だけでも心身が大きく振り回されるうえ、さらにホルモンの変動まで重なると、疲れやすさを感じやすくなります。だからこそ、健康のための基本的な土台をしっかり整えることが大切です。
疲れやすさを改善するために積極的に摂りたい食材「4つのポイント」
生活習慣の見直しに加えて役立つのが、良質な睡眠や自律神経のバランス調整をサポートする食材です。日々の食事に取り入れることで、内側から疲れにくい体づくりにつながりますよ。
1.トリプトファン
トリプトファンは、“幸せホルモン”とも呼ばれるセロトニンの原料となる必須アミノ酸です。セロトニンは夜になると睡眠ホルモンであるメラトニンへと変化するため、質のよい睡眠のためにも欠かせません。
この流れを安定させるためには、一度にまとめて摂ろうとするのではなく、毎日の食事から継続してトリプトファンを摂ることが大切です。バナナ、豆類、肉類、乳製品などに多く含まれています。原料となるトリプトファンが継続的に体に入ってくることで、セロトニンからメラトニンへの変化も安定して働きます。
2.GABA
ストレスの緩和や自律神経の調整に役立つ成分です。トマト、味噌、豆類、ハイカカオチョコレートなどに多く含まれています。 手軽に取り入れるなら、午後のおやつをハイカカオチョコレートにするのもおすすめです。さらに、チョコレートに含まれるカカオポリフェノールは、自律神経の働きを整えるのに効果的だとされています。
3.ビタミンB群
ビタミンB6、B12を中心としたビタミンB群は、神経細胞の働きを助ける栄養素です。カツオやマグロなどの魚に豊富に含まれています。
4.腸内環境を整えるもの
「脳と腸はつながっている」と言われるように、腸内環境は自律神経の働きと深く関わっています。 ヨーグルトなどの発酵食品を取り入れ、腸内環境を整えることも意識しましょう。
逆に疲れを招く可能性も。寝る前の“ご褒美アイス”に注意
1日のご褒美として、寝る前にアイスを食べる方も多いかもしれませんが、じつはこの習慣が翌朝の疲れやだるさの原因につながっていることがあります。
アイスを食べると血糖値が一気に上がり、その後インスリンが大量に分泌されて急激に下がります。この“血糖値のジェットコースター”が寝ている間に起こると、低血糖の状態になり、人によっては朝起きたときに「疲れが取れない」「だるい」と感じやすくなるのです。
血糖値が乱高下すると、空腹感が強くなったり、イライラしやすくなったり、甘いものがやめられなくなったりする状態に陥ることもあります。疲れやすさや眠気が続く原因が、寝る前の甘いものだったというケースは少なくありません。
とはいえ、暑い夏の夜はどうしてもアイスが恋しくなるもの。そんなときは“アイス100%”にしない工夫がおすすめです。
寝る前にアイスを食べたいときの工夫
アイスとヨーグルトを半分ずつにして混ぜてフローズンアイスにしたり、ヨーグルトの上に少量のバニラアイスをのせたりすると、無理なく甘いものを楽しめます。
ヨーグルトなら腸活にもなるうえ、カロリーや糖質も控えめにできるため、アイスを食べたい気持ちを上手に満たしながら、体への負担をやわらげることができます。甘さのないカカオパウダーやシナモンをちょい足ししてもよいですよ。
食べる時間や飲み物も意識を
お風呂上がりに食べたくなる方も多いと思いますが、寝る直前は避けたいところです。最低でも就寝1〜2時間前までには食べ終えるようにすると、血糖値の乱高下を防ぎやすくなります。また、甘い物と一緒に飲む物はノンカフェインのものを選ぶと、睡眠を妨げにくく安心です。
日々の積み重ねが「疲れにくい体」を育てる
“体にいいことを取り入れている自分が心地いい”と思える習慣の積み重ねが、翌日の「最近ちょっと調子いいかも」という実感につながり、続ける力にもなります。無理なく続けられる範囲で、今日からできることを少しずつ取り入れ、“疲れにくい体”を育てていきましょう!








