ヤバい!ウザい!でまとめない
「人の話を聴かない子」の様子を見ていると、人が話している間も頭の中は「自分が喋りたいこと」でいっぱいになってるのが伝わってきます。 その人が何を言っているのかを、1を聞いて10わかった気になってしまう。でもじっさいには9の聞いていないことがあるため、相手は理解してもらえたとは思うことができないのです。
では、なぜすぐにわかった気になってしまうのでしょうか。
「やば!」「気まず!」「エモ!」「エグ!」「しんど!」 子どもたちがこうした短文コミュニケーションだけで、わかったような、わかってないような会話をしていることがあります。 ノリで楽しく過ごしている分にはいいのですが、さまざまな感情を短文ラベリングしすぎると、その奥に隠れた本当の感情に気づかなくなってしまいます。
自分の感情をこうした短文でラベリングしてしまい過ぎるのはとても危険だと思います。
「嬉しい」「悔しい」「不安」「焦ってる」「心細い」 こうした感情ってぜんぶ「ヤバい」で代用できますよね。
でもそうすると、話を聞いていてもなんとなく「ヤバい話ね」で済ませてしまう。 でも、その「ヤバい」がどんな意味だったのかはわかっていないので、齟齬が起きてしまうのです。
この状態を「感情粒度」が粗い状態と言います。
感情粒度とは心理学者リサ・フェルドマン・バレット博士が提唱している概念で、自分の内面に生じる感情の機微をどれだけ細かく、正確に識別・言語化できるかという能力のことです。
自分の感情を細かく表現できるようになる(感情粒度が細やかになる)と、「それは『悲しかった』のかな?『虚しかった』のかな?」と相手の心の内を想像しながら聴けるようになります。
しかし、感情の粒度が荒く「ヤバい」「ウザい」「エモい」と大雑把な理解になると、それ以上話を聴く必要性を感じなくなってしまうのです。
「感情のラベリング」をしてあげる
ここでヒントになるのが「感情のラベリング」です。
子どもはべつに面倒くさくて感情を短文ラベリングしているわけではありません。 シンプルに自分の感情に「言葉」を当てはめられていないだけだったりします。
なので、親が子どもの感情にピッタリのラベルを一緒に探してあげるといいのです。
「今日学校で、〇〇くんが忘れ物してて、めっちゃ怒られててヤバかったんだよね〜!」
なんて会話があったとき、何となく意味は通じるので「そうなんだ〜」で終わらせてしまうこともあると思います。 ですが、少し立ち止まって「ヤバかったって、何がヤバかったの?」と聞いてみる。
すると「怒られるのを見て、僕も忘れ物してないか心配になったけど、忘れてなくて大丈夫だった!」とか「怒られた〇〇くんがめちゃくちゃ泣いてて、それ見てたら僕まで怖くなった」とか。 「ヤバい」の中身が出てきます。もしもうまく出てこない場合は、「怒られるのを見て、不安になったってこと?」など質問してみましょう。 すると「そうそう、不安になった!」とか「不安っていうか、怖かった」など、そのときの「ヤバい」に感情ラベリングができるようになってきます。
こうして、その子自身の感情粒度が細やかになってくると、早合点して理解した気持ちになるのを軽減することができます。
まずは親が子どもの話を聴くように
この感情のラベリングを子どもにしてあげるには、親自身が、子どもの話をしっかりと聴くようにならなくてはいけません。 こうして話を「聴いてもらえる経験」も、ものすごく大事なのです。 自分の話を聴いてもらえない、遮られる、すぐに要約される、そんな経験が多くなると「とにかく喋らなくちゃ!そうしないと話を聴いてもらえない!」と不安から、言葉をまくしたてるようになってしまうこともあります。
親子で感情のラベリング、ぜひやってみて下さい。



