「すてきなご家族ですね」と言われた時の正解は?日本人の美徳、謙遜は誰得なのか

家族・人間関係

2020.12.20

こんにちは、日本唯一の家事シェア研究家の三木智有です。 パートナーや我が子など家族のことを褒められたとき、「そんなことないですよ」などと言ってしまっていませんか? 日本では謙遜が美徳されていますが、せっかく褒めてもらったのだから、否定しないほうが良いんです。 今回はそんな話をしてみたいと思います。

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「謙虚」なのか「悪口」なのか

誰よりもかわいいわが子。この子のいいところなら、誰よりも一番よくわかっている……
泣いちゃっても諦めずに頑張ろうとするところ。
好きなことにはまっすぐ取り組んで、いつの間にか上手になっていること。
大人顔負けの回転の速さで、物事の本質をズバッととらえちゃうところ。

そういうすごいところは、先生にも、お友達にも、パパママ友にも知ってもらって、褒めてもらえたら本当に嬉しい。

「息子さん、本当にがんばりやさんですよね! 鉄棒も最後まで諦めずにずっと頑張っていたんですよ」

そう言われたら、 

「そうなんですよ! 本当にうちの息子はがんばり屋さんで! この前だって〜」

  なんて、いかにがんばり屋さんかってネタを10個くらい話したい! そんな気持ちがあるにもかかわらず、こんなことを言ってしまう。

「でも、がんばるのはいいんですけどいっつも泣き虫で。泣かずにがんばればいいのになって思うんです。この前だって『そんなに泣くんなら、もうやらなくていいよ』って言ったら『やめない!』って。がんばり屋さんっていうか、頑固っていうか。」

  あれ? がんばり屋さんを褒めてもらって嬉しかったはずなのに。いつの間にか話が「頑固」にすりかわっちゃってますよね。

褒め言葉の否定は「間接的な悪口」になってしまう可能性もある

褒められたら嬉しいのは間違いないのだけど、つい謙遜して否定してしまったり、何かのバランスを取るかのように「ちょっと悪いところ」をカミングアウトしてしまったり。
「そうですよね〜」ってそのままありがたく褒め言葉を受け取りにくいって人が意外と多いのではないでしょうか。

この話、子どもに対してだけじゃありません。

以前、あるパパ友のお家でちょっとした集まりがあったとき。
パーティ後の洗い物をしていたパパさんに向かってあるママさんが「率先して洗い物してくれるなんて素敵なパパさんですね」と褒めたのです。それを聞いたパパさんの妻は「こんなときだけで、普段は全く何もしないんですよ〜」と苦笑い。パパさんも「普段はできないから、こんなときくらいはね〜」と苦笑い。

実はこれって、本当にもったいないコミュニケーションだなって思うのです。

人って、直接褒められるよりも間接的に褒められた方が真実味を感じて嬉しかったりします。

たとえば「洗い物ありがとうね」よりも「今日来た〇〇さんが、『洗い物率先してくれて素敵なパパさんですね』って褒めてたよ」と言われたほうが嬉しかったりします。(もちろん、両方合わせれば最強ですが)

同じように、否定的なことも間接的に言われたほうが傷ついたりします。「あなたのこと嫌い」って言われたら傷つきますが「〇〇さんがあなたのこと嫌いって言ってたよ」と言われたらもっと傷つきます。評価は間接的に伝わることで、その効果をブーストしてしまう側面があるのです。

だから、せっかくの褒め言葉を否定する、とくに本人に聞こえるところで否定するのは思っている以上に言われた本人はがっかりするし、何よりもムカつきます。 

「でも、そんな褒められて『そうなんです〜』っていちいちノロケてなんかいられない」
そんな風に思うかもしれません。では、どうやって返すといいでしょうか。

これにはいくつかパターンがあります。

「褒め」を快く受け入れるためのコミュニケーション黄金返し3パターン

返事例1:「褒められたね! わたしも嬉しいよ!」

これは、褒められた対象がすぐ近くにいるときに使えます。

「息子さん、とってもがんばり屋さんですね」
「先生が、がんばり屋さんって言ってくれたよ! そう言われてわたしも嬉しいよ」
と、褒められた対象に話を振るんです。本人はめっちゃテレますが目の前で謙遜して否定される何倍も嬉しい。いっしょにどんどん喜び合いましょう。

返事例2: 「そんなふうに暖かい気持ちで、よく見てくれてありがとうございます」

褒められた対象が目の前にいなかったとしても、謙遜して否定なんてする必要はありません。
でもどうやって受け入れたらいいかわからない、そんなときは褒めてくれた相手の観察眼への感謝を伝えましょう。

返事例3:「泣き虫って思っていたけど、そう言われたらたしかにものすごくがんばり屋だったんですね」

褒められたけど、内心は「そうでもないんだよな〜」なんて思っちゃうときだってあるかもしれません。そんなときに条件反射的に「でも、実は泣き虫で」と謙遜しがち。だから、そういうときは、自分の思っていた否定の気持ちをすごくポジティブな見方に変えてくれてありがとうございます、と相手に伝えるのです。

 

あなたにとって大切な人のことを褒めてもらえたら、嬉しいですよね。これからはたとえ謙遜だったとしても、家族のことをディスらないように気をつけていきましょう!

そうすることで、褒めた人もハッピー、褒められた人はもっとハッピー、そして何より大切な人を褒められて嬉しいと感じる自分の心を大切にできて、自分もハッピーだと思いますよ!


 

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著者

三木智有

三木智有

NPO法人tadaima!代表 日本唯一の家事シェア研究家/子育て家庭のためのモヨウ替えコンサルタント。著書に『家族全員自分で動く チーム家事』がある。

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