キッチンのコンロが使えなくなって思い出した、あの日
昨夜、夕食の支度をしていたときに突然、コンロが壊れた。つけていた火がすべて消え、まったく点火しなくなってしまったのだ。困ったな。まだごはんがようやく炊きあがるかどうかという状態で、ほとんど何もできていないのに。
毎日、何気なくコンロで調理しているけれど、いざなくなってしまうと途方にくれる。わが家では炊飯器は使わずにごはんは鍋炊き、電子レンジも使用頻度が低く、調理のほとんどをガスに頼っている状態。いきなりガスが出なくなったらお手上げだ。とりあえず今日は仕方ない、インスタントのわかめスープでも作ろうかと思ってもお湯を沸かすこともできない。お湯がなければ、カップラーメンすら作ることができないのだ。電気ケトルを買っておくべきだったな、と後悔した。
異変に気づいた息子が「はい」とカセットコンロをさっさと出してくる。ああそうか、と我にかえり、わたしはIHクッキングヒーターを出した。幸いにも仕事柄、撮影で使うためカセットコンロは2台あるし、出張料理教室で使うために一口タイプのIHクッキングヒーターも2台ある。ガスコンロが止まったところでそれらを使えばよい、とわかっているはずなのに、いざコンロが壊れると慌ててしまった。備えあってこれなのだから、備えがなければどうなっていたことやら。
思い返してみると、これまでの人生で、キッチンのコンロをまったく使うことができなくなったのは、過去には一回だけ。実家が神戸にあった26年前、阪神淡路大震災で被災したときだ。
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