家の中と外、それぞれ発生しやすいダニの種類は?
――家の中にもっとも多く出るダニはなんというダニですか?
家の中で多く見られるのは、「屋内塵性ダニ類」と言われるヒョウヒダニ(チリダニ)類・コナダニ類・ツメダニ類です。なかでもヒョウヒダニ類のコナヒョウヒダニとヤケヒョウヒダニが多く、約7割~9割がこれらのダニです。
中でもヒョウヒダニ(チリダニ)は、じゅうたんや家具などにも発生します。このヒョウヒダニが大発生した場合、ダニの死骸やフンなどがアレルギーの原因となることがあります。このダニの死骸などが粉々になり、それを人が空気とともに吸ってしまうと、体内に入って咳を誘引するなどのアレルギー反応が起こりやすくなります。
――よくニュースなどで聞くマダニとはどんなダニですか?
ヒョウヒダニなどは肉眼で見ることができない小さなサイズですが、マダニは目で見てわかるサイズの大型のダニです。成虫になるとサイズは3~10ミリにもなるといわれていて、庭や公園、草地、河川敷などに生息しています。
このマダニは動物や人間の血を吸うため、注意が必要です。もし刺された場合は、自分で取らず皮膚科等の医療機関を受診して処置してください。病院を受診する際には、刺された場所や日時、状況をしっかりと医師に伝えてください。
ほこり、人のフケ、アカなどを餌にして繁殖するヒョウヒダニ。場所別対処法は?
――ヒョウヒダニが好んで生息する環境などはありますか?
このヒョウヒダニは、温度20~30℃、湿度60~80%の高温多湿を好むため、私たちが快適に過ごせる部屋の中というのは、まさにダニの繁殖にも適した環境となるのです。
ヒョウヒダニは、ほこり、人のフケ、アカなどを餌にして繁殖します。人間のフケ・アカ・汗が1gあれば、約300匹のダニが生息できるといわれています。主な生息場所は、カーペット、ベッド、枕、布団、ソファなどです。
――ダニを駆除するにはどんな方法がありますか?
まずは、布団のシーツやまくらカバーなど、洗えるものはこまめに洗うことが大切です。ただ、そうはいっても布製ソファや布団自体など、丸洗いするのが難しいものもありますよね。その場合は、「ダニアーススプレー」をかけてダニを駆除・予防してください。また、そのあと掃除機などをかけてしっかりとダニの死骸を吸い込むことが大切です。
畳やカーペットなどは、奥に潜んでいることこがあります。この場合は直接噴射できる「ダニアース」を使うことで駆除ができます。畳の場合は、奥深くに繁殖することがあるため、特殊ノズルを畳に刺しこみ、そこから薬剤を注入することで駆除することが可能です。