創業125年の老舗ランドセルメーカー「黒川鞄」社長が勧める“良いランドセルの選び方”

家族・人間関係

2021.12.11

子どもが6年間使うランドセルは、本人が気に入り、また体に合ったものを選びたいですね。でも今はどんなランドセルが人気なのか、またどんなポイントを注意すべきなのかなどわからないことだらけかと思います。そこで創業125年の老舗ランドセルメーカー「黒川鞄」社長に、ランドセルの選び方について詳しくお話を伺っていきます。

広告

お話を伺ったのは……代表取締役社長  黒川由朗(くろかわ よしお)さん

黒川さん

予約開始から2ヵ月足らずで完売のランドセルを作る、明治28年(西暦1895年)創業の有限会社黒川鞄5代目代表取締役。革の選定からデザイン、工程、販売まで鞄に関わる全てに対して管理監督し、時には実際に製作も行うという総合的な視野に立った鞄職人。

ランドセル選びのポイント

ランドセル出典:www.kurokawa-kaban.com

――最近ではどのようなランドセルが人気ですか?

現在、ランドセルは年間100万個の需要があるといわれています。そのうちの8割は、人工皮革であるクラリーノ商品です。この人工皮革の商品は、主に量販店や百貨店で購入することが可能です。そして、残りの1~2割は、天然素材の材料で作られたものとなります。素材にこだわるお客様は、工房が作る天然素材のランドセルを購入されることが多いですね。

――ランドセル素材の違いについて教えてください。

素材の違いは難しいですよね。軽さだけを求めるならば、クラリーノがおすすめです。革とコードバンは丈夫さを求める方にぴったりです。
コードバンは6年後でもランドセルは同じ形で持ちます。牛革はある程度しっかりとした形を6年間保持するでしょう。そしてクラリーノは丈夫さというよりは軽さ重視の方向けでしょうか。

――ランドセルのどんなポイントが、選ぶ際の決め手になるのでしょうか?

現在では、ランドセルはカラフルなものが多数用意されています。黒川鞄でも、多彩なカラーをご用意しています。素材では牛革や、革のダイヤモンドといわれている牛革の「コードバン」は、価格は正直少し高いです。しかしその分しっかりとした強度があるという特徴があります。クラリーノは価格もお手頃で重さも軽いですが、強度を重視するなら牛革やコードバンがいいかもしれませんね。

ランドセル出典:www.kurokawa-kaban.com

どの素材、どのランドセルがいいということはなく、各ご家庭で注目するポイントが違うため、それぞれのご家庭で相談された上で皆さん購入されていますね。
ただし、工房系のランドセルは作ることができる量に限界があるため、早めに予約終了となる場合が多いです。2022年度のランドセルに関しても、黒川鞄は2021年5月のGWには予約販売終了となっています。

ランドセルに求められるものも変化している

黒川鞄出典:www.kurokawa-kaban.com

――昔のランドセルと変わってきているところはどのようなところですか?

以前は教科書のサイズがB5程度で今よりも小さめが多かったのですが、最近はA4版に変わってきました。さらに昔と違う点は、タブレットを使った授業が始まり、タブレットも持ち運ぶことが増えたということです。
これらの子ども達の学習の変化に合わせて、黒川鞄ではランドセルの容量を従来より二回り大きく140%広げました。この容量は工房系ランドセルとしては最大サイズを誇っています。容量はこれだけ大きくなりましたが、重量では20%程度軽くすることに成功しました。

――大きくなっているのに、それだけ軽くなっているのはすごいですね!

「ランドセルをもっと軽くすることができないのか?」とお客様から聞かれることがあります。実は、ランドセルはやろうと思えば軽くすることができます。しかし、教科書の重量に負けず、ランドセルの強度を保持するには、ある程度の重量も必要です。子どもの体を守りながら、教科書やタブレットもしっかり入るという点から考えて、最もいいものをご提供しています。

高い技術があるからこそ作れるランドセル

ランドセル出典:www.kurokawa-kaban.com

――黒川鞄だからこそできる工夫を教えてください。

重量をこれ以上減らすことができないとしたら何ができるだろうか、と私たちは考えました。子ども達の負荷を少しでも減らすために研究した結果生まれたものが、体感の軽い黒川鞄工房「はばたく®ランドセル」です。
「はばたく®ランドセル」は、「肌に密着し腰痛に決着をつける」というコンセプトの商品です。
肩ベルトがはばたく翼のように立ち上がり、抱っこ紐の要領で身体にフィットする形で、背負うと子どもの背中にフィットするため、実際よりも軽く感じられるのが特徴です。ランドセルを上げて寄せるので、体感が軽くなり、姿勢が良くなる効果が期待できるのです。この形は工房系では黒川鞄のみだと自負しています。

黒川鞄のランドセル出典:www.kurokawa-kaban.com

――抱っこ紐と同じ技術で作られているということですが、高い技術が必要なのですね。

ランドセルを上げて寄せて背中にぴったり密着させる、翼のように立ち上がった肩ベルトを作るのは技術的にはとても難しいです。黒川鞄は鞄を原点に「子どもの健康を科学する」企業のため、熟練職人による卓越した技術によって作ることができます。

黒川鞄は2023年度用ランドセルは、80種類以上の型を用意する予定です。作り手である職人の手間がとてもかかるので、本当のことを申し上げれば型は少ないほうがよいのですが、お子さんたちの喜ぶ顔が見たくて、多くの型を用意する形になりました。子ども達のために職人一同日々頑張っています。

小学生出典:stock.adobe.com

ランドセルと一言で言ってもいろいろな素材や形などがありますが、その中でも黒川鞄がこだわっているポイントや、熟練された職人さんの技術とこだわりが詰まっていることがわかりました。黒川社長にはさらに、最近のラン活事情などについても伺っていきます。

黒川鞄では、2023年4月入学用のランドセルラインナップ発表会が開催予定。また、カタログ請求も受付中です。小学校入学を控えるお子さんが身近にいらっしゃる方は、ぜひチェックしてみてくださいね。

広告

著者

悠美

悠美

基本ズボラ、面倒くさがり屋の3児の母。いしかわ観光特使&輪島観光サポーターに就任。2010&2012年楽天トラベルマイスター受賞のWEB担当!ロンドンブーツ田村淳の大人の小学校1期生。 発酵食エキスパート1級。妊娠~出産で料理は安く美味しく体に良い食事がしたいので、田舎の珍しい野菜や魚なども使いつつ、手抜きはしつつも美味しい料理を家族に食べてもらいたいと考えて燃える日々。また節約大好きで日々家族の為に調査研究中

気になるタグをチェック!

saitaとは
広告

人気記事ランキング

ランキングをもっと見る