教えてくれたのは 石山実季さん
管理栄養士。2020年タマノイ酢株式会社に入社し、新商品開発やパッケージデザインに携わる。
2022年4月よりセレッソ大阪スポーツクラブへ出向し、オンライン栄養講座や小学校への巡回指導、サッカースクールの生徒や保護者への栄養講習会など幅広く活動する。
トマトを冷凍するメリット
野菜を冷凍保存する際は、なるべく鮮度が高いうちに、買ったら早めに冷凍するのがおすすめです。
トマトを冷凍することで、フードロス防止になるのはもちろん、そのほかにもメリットがあります。
- トマトの中の水分が膨張して細胞壁が壊れ、うま味成分や栄養成分がアップする。
- 調理時にラクになり、時短につながる。
無駄なく使いきれるうえに、おいしさがアップして時短になるなら、正しい冷凍方法をマスターしておきたいところ!
そこで今回ご紹介するのは、「そのまま丸ごと冷凍」と「カットしてから冷凍」の2つの冷凍方法です。
一度冷凍したものを解凍すると、生のときのようなプリッとした食感にはなりませんが、使い方次第でおいしく食べられます。用途に合わせて冷凍方法を使いわけてくださいね。
トマトの冷凍保存方法1:「そのまま丸ごと」
最も手軽なのが、「そのまま丸ごと」冷凍する方法。切る手間がかからないため、時間がないときにも便利な保存方法です。
・冷凍保存期間の目安:3週間~1か月程度
冷凍方法の手順
1.ヘタを取り除き、きれいに洗います。キッチンペーパーなどで水分をしっかり拭き取ります。
2.ぴったり密着するようにラップで包み、ジップつきの保存袋やフタつきの保存容器に入れ、冷凍します。
酸化して質が落ちないように、できる限り空気に触れないように密閉することがポイント。においうつりや冷凍焼けを防ぐこともできます。
おすすめの活用方法
丸ごと冷凍したトマトは、そのまま丸ごと使える「炊き込みご飯」がおすすめ!
炊飯時に冷凍トマトを入れ、コンソメなどのお好みの調味料で味つけをして炊飯するだけで完成です。冷凍トマトのうま味をたっぷり丸ごと楽しめる食べ方です。
次は「カットしてから」の保存方法です。
トマトの冷凍保存方法2:「カットしてから」
料理の汎用性が高いのは、ざく切り、さいのめ切り、くし切りなど「カットしてから」冷凍する方法。1回分ずつ小分けにしておくと、使いやすくて便利です。
切って保存する場合は熟れたものだと水分が出やすいため、かためのトマトが適しています。
・冷凍保存期間の目安:3週間~1か月程度
※切ることで空気に触れる面が多くなるため、なるべく早めに食べきるようにしてください。
冷凍方法の手順
1.ヘタを取り除き、きれいに洗います。キッチンペーパーなどで水分をしっかり拭き取ります。
2.好きな切り方でカットして使いやすい量にわけ、ぴったり密着するようにラップで包みます。ジップつきの保存袋やフタつきの保存容器に入れ、冷凍します。
酸化して質が落ちないように、できる限り空気に触れないように密閉することがポイント。カットしたトマトは特に水分が出やすいので、しっかり密閉しましょう。
おすすめの活用方法
カットした冷凍トマトは、スープや洋風の煮物など、さまざまなレシピに使うことができます。加熱するため、解凍せずにそのまま入れてOKです。
暑い季節には、半解凍にして冷やし中華にトッピングするのもおすすめ。氷なしでひんやり冷たく食べられるうえに、うま味が増した冷凍トマトによって、スープの味のおいしさがアップしますよ。
最後に、シワシワになって腐らせてしまいがちな「プチトマト」と、料理でほんの少し余ってしまった「トマト缶の中身」の正しい冷凍保存方法についてもご紹介します。
プチトマト、トマト缶の正しい冷凍保存方法
プチトマトの場合
プチトマトの冷凍方法は、「丸ごと」がおすすめです。手順は、トマトの「そのまま丸ごと」の方法と同様に行ってください。ラップの有無はどちらでもOK。
ホールトマトの代用としてカレーに入れたり、マリネにしたり、トマトの食感がやわらかな料理に向いています。
トマト缶の場合
トマト缶の中身が余ったときにも、冷凍保存は可能です。ただし、缶のままの冷凍はNG! 缶ごと冷凍してしまうと、缶の成分が溶け出したり、缶が破損する可能性があるため、必ず容器に移してから冷凍するようにしてください。
長期保存が可能になるだけでなく、うま味アップ、調理時間の短縮まで叶う「冷凍トマト」。毎日の料理にぜひ活用してみてくださいね。
監修:タマノイ酢株式会社