教えてくれたのは……抗菌博士 梶浦義浩さん
1985年、株式会社シナネンゼオミックに入社。以来、抗菌剤「ゼオミック」の研究・開発に従事。現在は同社プロジェクト担当シニアスペシャリストとして、市場開拓も担当。抗菌試験管理士、臭気判定士の資格も有する。コロナ禍で抗菌博士として講師を務める。
帰宅後の手洗いはこんなに大切!微生物汚染から身体を守ろう
私たちの身体にもとから存在する微生物
私たちの身体にはもともと微生物が存在しています。常在菌と呼ばれるこれらの微生物には、身体に悪さをする病原性はありません。この常在菌以外の病原性がある微生物が手に付着し、体内に入ることで病原菌に感染してしまいます。
私たちの身の回りに存在する病原性のある微生物
外出の際に私たちは電車の吊り革、エスカレーターなど様々なところを手で触っています。
これらの場所は不特定多数の人が触れている場所。
つまり、常在菌以外の病原性がある微生物が存在している可能性が高い場所です。
これらの場所に直接手で触れ、その手で口や鼻などを触る事で病原菌に感染してしまいます。
このような微生物汚染を防ぐために、手洗いはとても大切です。
手洗い前後の手についた微生物を比べてみると……!
実際に、手洗い前と手洗い後の手に付着した微生物を比べてみると……
手を洗うだけで、こんなにも手に付着した微生物に違いがあるとは驚きです!
今すぐやめて!この洗い方は絶対NG!
NG手洗い1: 手のひらだけを擦って洗った気になること
手の平以外の他の部分が洗えていません。
NG手洗い2: 手洗い後に水を拭き取らず濡れたまま放置すること
新たな微生物の再付着や、既に付着した微生物の増殖につながってしまいます。
NG手洗い3: 濡れた状態で消毒剤(アルコール、塩化ベンザルコニウム等)をつけて消毒すること
本来、消毒に最適な濃度に調整している消毒剤の濃度が水によって薄まり、消毒の効果が低下します。つまり、消毒の意味がなくなってしまうのです。
どのくらいの時間手を洗えばいいの?
ハンドソープで手を洗う時の時間の目安は、60秒程度で十分です。
手洗いの目的は手首から先の露出した部分を出来る範囲で洗い、手についている微生物を除去することです。
手洗いに長い時間をかけ過ぎても微生物の除去には限界があります。
60秒程度を目安に、これより短くも長くもならないようにしましょう。
保存版!正しい手洗い方法はこれ!
1.流水でざっと手の表面に付着した微生物を洗い流す<10秒程度>
2.ハンドソープで手をもみ洗いする<60秒程度>
※指の股、指先、親指、手首は洗い忘れることが多いので注意です!
3.流水でハンドソープを洗い流す
4.清潔な乾いたタオル、または使い捨てのペーパータオルで水気をよく拭き取る
手洗い完了です!
手を洗って菌を落としているつもりでも、意味がなかったり、むしろ逆効果になっていたりするとは驚きですよね。
今回の手洗い方法をぜひ家族や友人にもシェアしてみてくださいね。