教えてくれたのは……富永喜代先生
愛知県松山市の富永ペインクリニック院長。性交痛外来では5000人のセックスの悩みについてオンライン診断を行う。現在、YouTube「女医 富永喜代の人には言えない痛み相談」が人気に。更年期を迎える女性に起こる、女性器の老化やセックスの痛みについて、自身の経験も踏まえ詳しく解説されている最新著書『女医が教える性のトリセツ』がある。
『女医が教える性のトリセツ』(KADOKAWA)
著者:富永喜代
価格:1,430円(税込)
我慢し続けると、セックスが嫌いになる!?
セックスで悩んでいる40代は、多いのでしょうか?
富永先生「若いころのようにセックスができず、自分の身体になにが起こっているのか、原因も対処法もわからずに戸惑っている人が少なくありません。パートナーに、セックスの痛みや不満を伝えるのは、簡単なようで実は難しいことです。」
セックスへのモヤモヤを抱え、痛みを我慢しつづけると、次第にセックスをすること自体が苦手になってしまうこともあるんだそう。
富永先生「痛みが原因で、セックスを回避し続けた結果、パートナーへの愛情が薄れてしまう、という事態は最も避けたいものですよね。そこで、その痛みの正体と、女性の体の変化について解説します。」
あなたのせいじゃない、それ老化のせい
富永先生「女性は更年期になると、パートナーのことが好きとか嫌いとは関係なく、女性ホルモンのエストロゲンの減少により、性機能が衰えます。」
※更年期……閉経前後の合計10年間のこと。(日本人女性の平均は、45~55歳)
具体的な「性機能の衰え」とは……
- 子宮、膣(入口、奥)が小さく+狭くなる
- 外陰部の皮膚、粘膜が薄く弱くなる
- 摩擦に弱くなる
- 炎症を起こしやすくなる
- 性欲が低下する
- オルガズムを得にくい
- βエンドルフィン(幸せホルモン)の低下
最近、ムラムラしないなぁ。セックスが痛いものになった。イケなくなった。などの悩みは、あなたのせいでなくて、エストロゲンが少なくなったことが原因だったんです!
では、更年期になったら、もう素敵なセックスは卒業しなくてはならないのでしょうか?
大人のセックスは「事前準備」が大事
富永先生「長年セックスをしていなかったのに、急に膣を使おうとしても身体は言うことを聞きません。スポーツと同じで、いきなり走っても良い記録が出ないのと一緒。セックスも日々の鍛錬によって、心地よい結果を得ることができるんです。」
そのために大事なのが、「自分の膣を鍛錬すること」!
■パートナーがいる場合……
機能維持という面から考えると、1ヶ月に2回は定期的にセックスをしたいところ。
■パートナーがいない場合……
セルフプレジャーで、十分機能維持できます。専用のグッズを利用するのも◯。
日々の鍛錬を積み重ね、いざセックスを迎えたけれど、うまくいかなかった……としても、大丈夫!
富永先生「今はドラッグストアでも手軽に購入できる潤滑剤(通常の3倍量使うのが、おすすめ)や、デリケートゾーンのマッサージなど、さまざまな補助的サポートがたくさんあります。積極的にどんどん取り入れて、成熟したセックスを楽しみましょう。」
目指せ、生涯現役!?
富永先生の元へは、女性が70歳、男性が83歳のご夫婦が、セックスの挿入の悩みでいらしているとおっしゃいます。そのご夫婦は、先生の処方により、なんと無事に現役復帰! 性器も正しいお手入れを続けていれば、生涯機能維持できるのだそう。もうセックスは卒業、と諦めずに、女性としての喜びを追求し続けることも、アリかもしれません。