憧れ?!の銀座で待ち合わせ!
とある早春の午後、チョコレートの取材案件で大阪から銀座に行くことになり「せっかくだし!」と、老舗喫茶巡りでもしようとグルメサイトで調べると、意外と!賛否両論が渦巻く店が多く「どうしたものか?」と地味に悩みました。そこで新宿在住の某編集部のSさんにお知恵を拝借。「アメリカンはどうですか?サンドイッチで有名です。」とのこと。しかもご一緒してくださるという幸せ!旅の目的が取材ではなくアメリカンに入れ替わった瞬間でした。
売り切れ御免!のアメリカンへはお早めに!
仕事を14時に終え、徒歩10分ほどで到着!ところが、ドアを開けようとしたら「本日は閉店しました」の文字。テイクアウト用窓口から「おしまいなんですか?」と穏やかに聞いてみると「パンがもう無くなっちゃったんでねっ。」と、いつものこと!的ニュアンスのレスが軽やかに…。近くを見渡すと、歌舞伎役者に人気のYOUの行列が目に入りました。アメリカンのたまごサンドが第1希望、YOUのオムライスが第2希望だったのですが、残念な大阪人の私は、行列には並べません(嘘)。
ジョンとヨーコの樹の花へ!
Sさんに連絡してみると「じゃあ、すぐ近くの樹の花にしましょう。」とのこと。幸い、行列も無く看板を見るとランチタイムが15時までとあり、細い階段を2階へ上がりSさんの到着を待ちました。
樹の花のランチは15時まで
ジョン・レノンが1979年に来店したという話は、度々テレビで見ていたので「イチゲンさんお断り的な敷居の高いお店だったらどうしよう…」と、少し心を小さくしながら店に入り、待ち合わせをしていることを告げると、笑顔の美しいお姉さんが窓際の席を案内してくれました。
京都の老舗喫茶店で待ち合わせだとうっかり告げてしまい、あからさまに接遇レベルが2段階ほど急降下したことがありましたが…銀座素敵!樹の花優しい!そして、Sさん到着後も近況報告が先に立ち、なかなか注文をしない私たちを急かすこともなく「ごゆっくりどうぞ~」と、実にさわやか。
美味!カレーとシナモントースト
カレーというより、スパイスが香る異国情緒あふれる美味しい豆の煮込みとシナモントーストの絶妙なマッチングは、まさにジョンとヨーコ(知らんけど)。これは週3で通えます。ふと近くの席を見ると、原稿用紙を真ん中にして赤ペンと短いセリフが行き交う作家と編集者のような男性ふたりや、紙袋を携えてコーヒーを楽しむお買い物帰りの妙齢の女性が。気さくなお店でありながら、お客さんはしっかりと「樹の花を選んで来ている。」風情がありました。
老舗の手土産を探す!
Sさんと別れ、次は銀座らしい手土産を探すことにしました。写真は樹の花にほど近い松崎煎餅。紫の暖簾が印象的です。
松崎煎餅の桜とパンダは限定品
サイトを見ると、季節ごとの限定品やオーダー品も受け付けているとのこと。お祝いや内祝い、御礼などにも気が利いていてよさそうです。
シャオシャオ&レイレイも登場!
ファンの間では「シャオレイ」と略される、上野の双子パンダ。ママによじ登って?元気いっぱい!シンシンママはのんびりお花見?お昼寝?
銀座らしく?シックなパッケージのギフト
こちらがパンダ煎餅のパッケージ。ブランドもののハンカチが入っていそうなシックな趣き。開けた時の驚きのための、ちょっとしたコントラストになっているかも。700円ほどのお品ですが、高級感が漂います。
銀座鈴屋の銀座六花(ぎんざりっか)
次に訪れたのは銀座鈴屋。サラリーマン風の男性がふたり、3000円台の商品を「じゃあ30個、熨斗付きで」と慣れた様子で注文していました。なるほど!と、老舗のブランド力を実感していると、可愛い6角形の花模様のボックスに目に止まりました。
黄粉に黒文字まで!流石の心配り
黄色はとら豆、ブルーはおたふく豆…とラインナップは全部で6種。至れり尽くせりな心配りに惚れそうです。豆の説明から黄粉に黒文字(菓子楊枝)まで…!この細やかさが一流企業(推定)の社員にも選ばれる所以、と納得。
こんな風に盛り付けることができなくても、例えば新幹線の中でおやつにするなら、銀色の袋の中に黄粉を入れてシャカシャカ振れば、なんとかポテトのように楽しめます。こちらは緑茶よりもブラックコーヒーに合うパンチの効いた甘さが魅力です。ところで新幹線のコーヒーって、どうしてあんなに熱いんでしょうね。
菊廼舎の「冨貴寄Ⓡ」(きくのやのふきよせ)
次に訪れたのは、色とりどりの冨貴寄Ⓡ(ふきよせ)で名高い菊廼舎(きくのや)。写真はお年玉のポチ袋サイズの小袋に(厚みは3センチほど)ぎっしりと冨貴寄Ⓡがつまった「千代づつみ」。300円台の気軽な価格で「本当にいいんですか?」と心配になるほどの丁寧なお仕事ぶりに、老舗の心意気を感じます。例えば手前のピンクの三角は、薄荷の香りのする砂糖菓子。落花生には砂糖衣、濃いピンクの金平糖は紫蘇の味です。黒豆やサツマイモの味のする干菓子に芥子やゴマの風味もあしらわれていて、心躍る無限の楽しさ!
おいしさと可愛らしさがギュッと!
手のひらにの乗るカラフルで小さな袋の中に、たくさんのおいしさが詰め込まれた千代づつみ。これを貰って困る人はいないでしょう。気軽なギフトに、自分のおやつにも最適です。菊廼舎のオンラインショップでは、子どもの日や母の日など、華やかなギフト商品がズラリと並んでいます。私も冨貴寄Ⓡの美しさに惹かれて母の日のプレゼントを購入しました。
銀座の老舗の共通点は「心配り」の細やかさ
銀座と聞くと、少し気の張る印象でしたが、総じてお店の方々はとても気さくであたたかく、気持ちの良いお店ばかり。名店になるための秘訣は、接客や商品に込めた心配りが第1条件であると気づかされました。老舗とは、格式を誇るだけでなく「お客さんに選ばれる」理由がある店…なんですね。