“40代が人生の山だった…”76歳のYouTuber川原恵美子さんの「幸せに生きるための秘訣」

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2022.07.02

そうめんの斬新な調理法を紹介したYouTube動画「そうめんゆでるな!」を知っていますか? 世間に大きな反響を与えたのは、なんと現在76歳の川原恵美子さんです。2022年の4月に書籍『ひとつひとつ、たいせつに。』も発売され注目を集めている川原さんは、これまでどんなことを大切に生きてこられたのでしょうか? 今回は川原さんに、幸せに生きるための秘訣をオンライン取材で伺いました。

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お話を伺ったのは……川原恵美子さん

川原恵美子さん

1946年生まれ。香川県まんのう町でそば店を営み15年。75歳で始めたYouTubeチャンネル「【田舎そば川原】料理・漬物」は、「そうめん ゆでるな!」の動画で注目を浴び、またたくまに登録者数が42万人越え(2022年6月現在)。旬の食材を生かしたおいしい漬物やおかずが家庭で作れると大人気に。地元の生産者との絆や、頑張り続けている生き方、人柄に憧れる人も多い。

ひとつひとつ、たいせつに。

ひとつひとつ、たいせつに。』(SBクリエイティブ)
著者:川原恵美子
価格:1,595円

40代を振り返って

川原さん

――saita読者の多くは40代の女性ですが、川原さんは40代をどのように過ごしてきましたか?

川原さん:じつは40代が私の人生の山でした。35歳で川原の義父が亡くなり、そこからも借金の返済などに追われ苦労の連続でした。当時は、農業に真剣に取り組み、中でもきのこの研究に精を出していました。生食できるブラウンマッシュルーム作りに没頭した結果、全国で優良賞をいただき、そこから新聞やテレビからの取材を受けるようになったんです。
さらには「インドへ来てマッシュルームの開発をしてほしい」と頼まれました。突然の話に驚きましたが、私がインドへ行ってしまったらここにいる家族はどうなるでしょう。高校生と中学生の息子2人の母親は私しかいないと考え、そこですべてを辞めて家庭に入ることにしました。
仕事や家庭が落ち着いたタイミングで、知り合いの結婚式場の社長から声がかかり、今度はそこで働くことになりました。そこでも「どうしたら効率よく働くことができるのか」ということを常に考えていました。40代もとにかく全力投球で、よく働きましたね。

――川原さんの人生は、常に誰かに求められている人生のように感じます。

川原さん:そうかもしれません。自分から何かを求めているわけではなく、いつも誰かに導かれてきましたね。

――だからこそ、今もこうしてYouTuberとして全国のファンの方に応えているのですね。

川原さん:ここ「田舎そば川原」も私1人で運営しているわけではなく、地域の人の助けがあって成り立っています。みんなが私を支えてくれてるんですよ。

40代の女性たちに伝えたいことは

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――先ほど、「40代が人生の山だった」とおっしゃっていましたが、今40代の女性に川原さんが声をかけるとしたらどんなことでしょうか?

川原さん:とにかく頑張って! でも、無理をしてはダメ。お子さんがいる方はきちんと子育てをしてください。そして、子どもに無理強いをしてはいけません。その子に合ったことをきちんと見極めて、寄り添ってあげて欲しいです。

――そうですね、知らぬうちに親が子どもに無理をさせてしまうこともあります。

川原さん:それは辛いですよね。無理をさせてしまうと自分に返ってきます。私は、子どもは親に恩返しをする必要はないと思っています。親を想うのであれば、今度は自分の子どもに恩返しをしなさいと息子たちには話しています。

――親への恩返しのつもりで、自分が子育てを一生懸命したらいいのですね。

川原さん:親は子に、またその子が親になった時にまた子に……と、バトンを繋いでいくことが家族みんなの幸せに結びつくと私は考えています。

きれい事は言わない。本音で生きるということ

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――川原さんは生きていく上で心がけていることはありますか?

川原さん:それは「本音で生きる」ということ。「きれい事は言わない」ということですね。きれい事を言うとまた次も言わなければいけませんので、どんどん嘘をついて生きていかなければならなくなるでしょう。でも私は今の40代くらいの若い女性は本音で生きているように感じますよ。

――それはどんなことからそう思うのですか?

川原さん:私が40代くらいのときは出かけるといえば、ヒールを履いてハンドバッグを持ってお化粧をしてと、着飾って見栄を張っていました。子育てに関しても皆と同じようにしていたところがありましたね。でも、今の40代の女性たちは常にどこへ行くのにも自分のスタイルを貫いているように思います。だから今の40代の女性たちは、私からは見ると素敵に生きているなと感じます。

人生の最期は子どもに迷惑をかけます

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――75歳でYouTubeをはじめられたわけですが、さらにこれからはじめたいことはありますか?

川原さん:はい、あります。YouTubeを辞めたら次にやることも決めていますよ。年齢が年齢なので周りの皆さんは心配してくれますが、私は仕事をしながら倒れるのが夢です。その時だけは子どもに迷惑をかけたいって思っています。でもその時が来るまでは守ってあげたいですね。

――「最期くらいは迷惑をかけたくない」ではなく、「最期だけは迷惑をかけたい」ということですね。

川原さん:そうです。最期は子どもに迷惑をかけたくないという気持ちはなくて(笑)、最期は子どもに「迷惑をかけます、甘えます」と言い切っています。だからこそ元気なうちは迷惑をかけずに、なるべく子どもの支えになってあげたいと考えているんです。向こうは私の面倒を見ていると思っているかもしれませんけどね(笑)。

【取材後記】
取材中、常に優しく丁寧に取材に応えてくださった川原さん。何に対しても一生懸命な人柄がにじみ出ていました。「誰に対しても感謝をする」という気持ちと、「子育ては一生懸命する」ということを改めて教えていただいた気がします。
 

第一回:「そうめんゆでるな!」が話題。76歳YouTuber川原さんのチャンネル登録者数が「42万人」の理由
第二回:親の離婚に借金。76歳人気YouTuber川原恵美子さんが苦労の中でも「前向きに」生きてこられたワケ
第三回:(当記事)“40代が人生の山だった…”76歳のYouTuber川原恵美子さんの「幸せに生きるための秘訣」

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安田ナナ

都内で2人の娘を育てながら、書籍を中心としたライターをしています。 人と話すこと 人と一緒に食べること 人と一緒に楽しむこと が大好きです。

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