受験する前の心構え
”もしダメだったら…”と思ったら実際にそうなってしまうと考え、”上手くいかない想定はしない”とおっしゃる方もいます。
ですが、現実はどんな可能性もあり、いくら信じていても上手くいかないときはあります。
受験をする子ども本人にも、どんな可能性もありうることは十分に伝えておき、予防線をはっておくのも必要。
「今まで頑張ってきたことを発揮できれば十分。どんな結果になっても、その先のことは一緒に考えていくから大丈夫だよ」など、準備期間には安心できる言葉がけも大切です。
万が一うまくいかなかったとき、どんな風に接すればいい?
「一番つらいのは本人」ということを忘れない
これまで二人三脚で受験勉強やそのサポートを頑張ってきた親御さんであれば、自分のこと以上に悲しくなるかもしれません。
今までの苦労や金銭面などを考えるとやりきれなくなる気持ちを抱く方も。
そこで忘れていけないのは「一番悲しいのは本人」である認識。
一見けろっとしているように見えたり、普段と変わらずに過ごしている姿を見ると、「悔しくないの?」「ちゃんと本気出したの?」と感じるときもあるかもしれません。
でも口には出さないだけで、悔しさや挫折感を感じている子は多いです。
本人以上に悲しまず、そして子どもの立場に寄り添った声かけが必要です。
例えば、「お母さんも実は試験でうまくいかなかったときがあって」と経験を話したり、「今まで一生懸命やってきたから一回休憩して、これから進む学校で楽しむ方法を一緒に考えよう」と気持ちの切り替えを促すのがおすすめです。
長い人生の一過程である認識を一緒にもつ
この先何十年続く人生を考えたら、受験の合否は一過程に過ぎません。
また、仮に合格していたとしても、その先の人生がどうなっていたかはわかりませんよね。
ですが、子どもの人生においては、初めての大きな挫折になっており、ずーんと落ち込んでしまう子も。
特に、「自分には能力がなかったんだ」「親をがっかりさせてしまった」と自信をなくしている子は失敗を長く引きずってしまいます。
「今は悲しいと思うけど頑張った経験は無駄にならないよ」「どの学校に行ってもあなたが楽しめるのが一番大切」など、目先の挫折ではなく、長い目で見たときのメッセージを伝えるのも支えとなります。
これまでと変わらない態度をとる
子どもにどう接したらよいのかわからなくなり、腫物に触るように接するのも避けたいところです。
例えば、ゲームの時間を際限なく許したり、伺いをたてるように機嫌をとったり、わがままをすべて飲んだりするのは、NG。
親が今まで異なる態度をとったり、気を遣いすぎると、子どもは余計に「たいそうな失敗をしてしまった」と思いやすくなります。
”自分が勧めなければ、子どもに失敗を感じさせることもなかった”、”わが子の人生を変えてしまった”など、子どもに申し訳なく感じる方もいるかもしれませんが、子どもと一緒に選んだ道と思い、立ち直る力を信じるのも重要です。
受験を頑張ったご褒美として甘くするのはひとつですが、今までと変わらない対応を心がけるのも大切です。
本心から受け入れられない場合は静観を
そうはいっても、「まだ受け止めきれない」「どうしてこうなったのかわからない」と感じるときは、不用意に声をかけず、見守るのが第一です。
思っていない励ましを無理にしたり、何か言おうと空回りしてしまうと、子どもを傷つけてしまうときもあります。
時間が過ぎるのを待ち、親が受け止められてから振り返るのも、ときには必要です。
平常通り関われるパートナーが子どもに多く関わったり、親御さん自身の気持ちを整理するために信頼できる相手に気持ちを話すなど、自分以外の誰かを頼るのもひとつ。
親子ともに、一度ゆっくり休憩し、ピンと張りつめていた糸をゆるめる時間を作ってください。