教えてくれたのは……美容師 嶋田純子さん
株式会社PLAS Wam 代表取締役。美容師になってからの重度の手荒れと、幼少期から重度のアトピー性皮膚炎に苦しんできた経験から、自身がよいと実感した馬油を主成分とした敏感肌専用のスキンケア商品「COCOMAYU」を開発、販売。
白髪には2つの種類がある
嶋田さん:白髪と一口に言っても、じつは2つの種類があります。
1つは、一時的にメラニンの生成の活動が休止してできる「休止型」。病気や栄養不足、ストレスが原因だと言われています。原因が解消されると、メラニンの生成が再開され、黒髪に戻る可能性がありますが、この種類の白髪は、ごく稀なケースです。
2つめは、メラニンの生成機能が完全に失われた「欠失型」で、ほとんどの白髪がこの種類です。原因は、加齢や遺伝だと言われています。
白髪を抜くことはデメリットしかない
嶋田さん:白髪を抜くことは、絶対にやってはいけません。デメリットしかありません。
白髪を抜くと、毛根が傷つきます。それにより、毛根の形状が変化し、次に生えてくる髪が、チリチリしたくせ毛になることがあります。
また、白髪が生えている毛根からは、また白髪が生えてきます。同じ毛根から生えた白髪を抜くことを繰り返すと、傷ついた毛根から、新しい髪が生えてこなくなる可能性も。
「欠失型」の白髪は、減る事はありません。
最初は数本しか抜いていないつもりでも、徐々に抜く本数が増えていき、気づいたときには全体的に髪が少なくなっていた、ということにもなりかねません。
加齢と共に、髪は細くなったりコシがなくなったり、毛量が減ってきたりします。そのときになってから、「抜くんじゃなかった」と後悔しても、手遅れになのです。
白髪の量が少なく、白髪染めや白髪隠しをしたくないという人は、抜くのではなく、根本からはさみでカットしましょう。
セルフカラーがおすすめできないワケ
嶋田さん:セルフカラーできる白髪染めもありますが、あまりおすすめできません。
ドラッグストアーのカラー剤のコーナーには、さまざまな種類がありますよね。カラーの知識がない方が、カラー剤を安易に選択するのは大変危険なことです。髪の健康だけでなく、頭皮の健康までも損なう事になりかねません。
白髪の量や髪質、希望の色、生活スタイルなどによって、適したカラー剤は人それぞれ。間違った選択により、髪が受けるダメージは大変大きいのです。その後、美容室に行っても、染め直しがうまくいかない、パーマや縮毛矯正がかかりにくいなど、希望のヘアースタイルができなくなってしまうこともあります。
白髪染めは、行きつけの美容室で、担当スタイリストに相談し、適したアドバイスを受けることが望ましいです。
ポツポツ白髪が気になったときは、間違った対処をせずに、プロの力を借りながら、上手につきあっていきたいですね。