春休みなのに元気がないわが子。「新学期への不安との付き合い方」のおはなし。

家族・人間関係

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2023.04.02

臨床心理士・公認心理師のyukoです。春休みも後半にさしかかり、新学年を楽しんでほしい親の気持ちとは裏腹に浮かない表情をしている子もいるかと思います。新学期は、新しい場所・学習・友人関係と変化が多い時期。環境の変化が苦手な子はナイーブになりやすいんです。コロナとの付き合い方も変化しつつある今年の春の乗り切り方を考えます。

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もくじ

新学期、何がそんなに憂鬱なの?
パターン別に考える、新学期への不安対処法
「新しい場所」に不安がある子
「新しい学習」に不安がある子
「新しい人間関係」に不安がある子

新学期、何がそんなに憂鬱なの?

新しい場所に抵抗なく、自分から空気を作っていけるような子は少数。
思春期になると、新しいクラスはどんな雰囲気か、どうやって振舞うのが正しいのか、不安に感じる子は多いです。

不安な子ども出典:stock.adobe.com

加えて、GW明けからコロナが第五類に移行する予定が出ていたり、マスクの着用が個人の判断に任せられるようになりました。
これから暑くなるにつれ、マスクをはずす方は増えてくるのではないでしょうか。

ですが、この3年間をマスクで過ごした思春期世代は、大人以上に素顔を見せる恥ずかしさが強いよう。
マスクをどのタイミングで外すのか、素顔をどう思われるのか、についての不安も今年は強そうです。

パターン別に考える、新学期への不安対処法

「新しい場所」に不安がある子

小さいときから場所見知りの強い子は、ある程度年齢を重ねても緊張や不安が残るケースが多いです。
場所見知りがある子は、新クラスや新校舎に対しても不安を感じやすいもの。

そんな子には、こんな対応がおすすめです。

  • 先生や親と新しい教室や校舎を見に行く。
  • 事前に自分が座る席を教えてもらう。
  • 写真を見ながら、通っている姿をイメージしてみる。

学校によって対応は異なりますが、事情を説明して相談してみてください。

新学期が始まっても馴染みにくい場合は、先生にアイコンタクトを取りやすい席にしてもらう、先生とヘルプサインを共有しておくなどの配慮を求めてもよいでしょう。

「新しい学習」に不安がある子

新学年になると、各教科の難易度が上がるだけでなく、新しい教科が加わったり、行事の内容が異なったり、先生の教え方にも変化が生じます。

どんな点が不安なのかを確認し、予習しておくと安心ですよね。

学ぶ子ども出典:stock.adobe.com

何をするのかわからない・先がよく見えないことに不安な子は、大まかな学習スケジュールを見せて見通しを持たせるのが有効です。
小学校中学年以降になれば、先を見越して計画を立てていくのも可能になります。
その子の性格やペースに合わせて親が補助していくのがよいでしょう。

「新しい人間関係」に不安がある子

やはり一番多いのは「新しい人間関係」への不安だと思います。
大人であっても部署の異動や転勤は緊張してしまいますよね。
子どものクラス替え、新しい学校への入学はそれ以上に一大事かもしれません。

クラス替え直後の友人関係はくっついたり離れたり、関係性がもろい時期でもあります。
その中で女の子は特に、休日や放課後に遊びに行き仲良くなっていく子が多いもの。

些細なきっかけで仲良くなれたり、逆に出遅れたと感じたりする時期なので、学校中心の生活をさせてあげるのがおすすめです。
部活やクラブ活動、行事への参加、休日の遊びなど、友達と繋がれる機会を尊重してあげてください。

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そしてもうひとつ、「変わらない居場所を確保しておくこと」も支えとなります。

習い事や塾、クラブ活動など、学年を越しても安心できる居場所を確保しておけると、環境の変化があっても安心できます。
ストレスをためないためには、「依存先を複数もっておくこと」が有効といわれています。
安心できる居場所、人間関係、変わらないリラックスタイムを確保しておけると、新しい環境でも頑張る力がチャージできるからです。

緊張と不安を乗り越えて、前向きなスタートをきれるといいですよね。

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著者

yuko

yuko

臨床心理士・公認心理師。現在は小児の総合医療センターと大学の心理教育相談センターにて勤務。児童期から思春期の子どもへのカウンセリングやプレイセラピー、子育てに悩む保護者の方への育児相談を専門にしています。色彩心理学やカラーコーディネートについても学んでおります。

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