教えてくれたのは……抗菌博士 梶浦義浩さん
1985年、株式会社シナネンゼオミックに入社。以来、抗菌剤「ゼオミック」の研究・開発に従事。現在は同社プロジェクト担当として、市場開拓も担当。抗菌試験管理士、臭気判定士の資格も有する。コロナ禍で抗菌博士として講師を務める。
寝具は菌にとっても居心地のいい場所だった!
寝具にはトイレの便座の数倍の菌がいるかも!?
毎晩私たちに快適な睡眠を与えてくれる寝具。実は菌にとっても快適な条件が揃っている場所でもあります。
菌が喜ぶ3つの条件とは、
- 皮脂などの栄養源
- 汗などの水分
- 人が寝ることによって保たれる菌の最適温度(35度~37度)
これら3つの条件が揃うことによって、寝具に付着した菌がたとえ僅かでも、時間の経過とともにあっという間に増殖していきます。
その結果、放っておくとトイレの便座の数倍の菌が寝具に潜んでしまうことになるのです。
寝具に菌が付着する主な原因2つ
1. 寝具を使用する人間
寝具に菌を付着させている原因の一つは「寝具を使う私たち」です。
私たちの皮膚やパジャマには、もともと菌が存在しています。それらの菌が私たちが寝具を使う度に付着してしまうのです。
私たちに付着していた菌はごく僅かでも、寝具の環境に置かれることで速いスピードで増殖していきます。
2. 落下菌
室内の落下菌も、寝具に付着する原因の一つになります。
寝具を清潔に保つためにシーツや枕カバーの最適な交換目安とは?
シーツや布団カバーは週に1回以上、枕カバーは週に2回の洗濯または交換をするようにしましょう。
枕カバーは皮脂が付きやすく、汚れやすいのでこまめなお手入れが大切です。
また寝具を生乾きのまま使ってしまうと、洗濯で残ってしまったわずな菌があっという間に増えてしまいます。
洗濯後は必ずしっかりと乾燥をするように心掛けましょう。
洗濯が難しい布団や毛布のお手入れ方法とは?
こまめな洗濯が必要であることはわかりましたが、洗濯が難しい布団やマットレスなどはどうしたらいいのでしょうか。
方法1: コインランドリーを使う
家庭で羽毛布団や毛布などを洗濯するのは難しい場合があります。
コインランドリーでは大型の機械もあるので、洗濯から乾燥まできっちり行うことができます。ぜひ、活用してみましょう。
方法2: 除菌スプレーを使う
マットレスなど洗濯ができないものは除菌スプレーなどを使うことによって、ある程度の菌の増殖を抑えることができます。
方法3: 乾燥した状態を保つ
寝具で菌を増やさないコツは、乾燥した状態に保つことです。
布団乾燥機を使ったり、マットレスなどは風通しのいい場所に立てたりするなど、湿気を除去することを心がけましょう。