教えてくれたのは……科学する料理研究家・キッチンまわり評論家さわけんさん
料理を科学的に考え、レシピを考えるレシピの達人。辻調理師専門学校では西洋料理を11年間教え、フランスのレストランに勤務経験がある元フランス料理のシェフさわけんさん。ユーチューブチャンネルの「さわけんシェフTV sawaken’s cooking ch」では、料理の役立つテクニックを発信。
「ビーフとマッシュルームの欧風カレー」のつくりかた
市販のカレールーに玉ねぎ・赤ワイン・ローリエを足して、欧風カレーがつくれます。おすすめの市販のカレールーは、zeppin(中辛)とジャワカレー(辛口)です。
マッシュルームは切らずに丸ごと使い、食感とうまみをだします。筋が多い肉はよく煮込むとおいしくなり、ぱさつかないのでおすすめです。
材料
- 牛肩ロース肉(筋が多い煮込み用の肉)……500g
- 玉ねぎ薄切り……1個(230g)
- マッシュルーム……100g
- しょうがのみじん切り……10g
- ローリエ……1枚
- 赤ワイン……100ml
- 水……800ml
- チキンブイヨンパウダー……小さじ1
- zeppin中辛(お好みで辛口でもOK)……2分の1箱
- ジャワカレー辛口……4分の1箱
- 塩……適量
- オリーブオイル……適量
- バターライス:150g〜適量(ご飯にバター、塩を混ぜる)
- トマト缶(お好みで)……適宜
〈肉の下味〉
- 塩(肉の1%)……5g
- 黒こしょう……適量
- クミン……適量
しょうがは、使わなくてもOKです。お好みでお使いください。
準備
- 玉ねぎを薄切りにします。
- しょうがの皮をむき、みじん切りにします。
- 牛肉を包丁でひと口サイズに切り、塩・黒コショウ・クミンを振ります。
玉ねぎは煮込むと形が崩れるので、切り方は重要ではありません。ただ玉ねぎの色と香ばしさをだすために、ちょっと細かく切ればOKです。
つくり方
手順1.玉ねぎをじっくりと茶色くなるまで炒める
鍋にオリーブオイルと玉ねぎを入れ、じっくりと茶色くなるまで炒めます。
急いで玉ねぎを炒めると、玉ねぎの一部にしか色がつかなくなります。玉ねぎが色づいたあとに水(分量外)をいれるとまんべんなく色が広がります。
玉ねぎに色をつける方法
- 玉ねぎは鍋の底に広げて、色をつけます。
- 色がついたら玉ねぎを混ぜて、玉ねぎからでた水分で底についた焼き色をふきとってください。
- 玉ねぎを広げる・火にかける・色がついたらヘラでとることを繰り返して、色をつけます。
底から焼き色が取れない場合は、火から鍋を離してください。
手順2.肉に焼き色をつける
玉ねぎを炒めたフライパンとは別のフライパンにオリーブオイルを入れ、肉に焼き色をつけます。
〈香ばしさをだすポイント〉
今回はアルミのフライパンを使っています。どんなフライパンでも構いませんが、肉がひっつくようなフライパンで炒めるとフライパンにも肉にもしっかり焼き色がついて、香ばしさやおいしさが増すのでおすすめです。
うまみを増やして煮込むと、おいしさがアップします。フライパンについた焼き色をこがさないように肉を炒めてください。
手順3.焼き色をはがす
肉に焼き色がついたら、しょうが(お好み)とローリエ、マッシュルームをフライパンに加えます。
フライパンの底についた焼き色は、マッシュルームからでる水分の蒸気ではがしていくイメージです。焦がさないうちに、底についた色をはがしてください。
さらに赤ワインを加えてアルコールを飛ばしつつ、フライパンについた色をこすって底についたうまみをすべて取ります。
〈ポイント〉
お好みでトマト缶(適宜)を加えたい方は、ここでフライパンに入れてください。カレールーにもよりますが、トマト缶を加えると酸味がでて味がしまります。
手順4.煮込む
玉ねぎを炒めた鍋に3を入れます。お肉とフライパンに焼き色をしっかり付けているので赤ワインが茶色になっています。これが深い色に仕上げるコツです。
鍋に水とチキンブイヨンパウダーを加え、ふたをして2時間(圧力鍋の場合は20分)煮込みます。2時間煮込んだあとにつま楊枝をさして、肉の硬さを見ます。
手順5.味を調節して、ルーを入れる
最後に味と濃度を確認して、カレールーを入れます。
味を調節する方法
- 肉からでた油をざっと取り、火を止めてパッケージ通りにルーを溶かします。
- 肉の油はうまみでもあるのですべて取らず、少し残してください。残す油の量がわからない場合はルーを溶かしたあとに味見をして、油を戻して味を整えるのもおすすめです。
- 中辛を使ったとき辛さが足りない場合は、辛口のルー(分量外)を加えてください。
マイルドな辛さで、少し柔らかめでシャバシャバな欧風カレーにしあげています。お好みでブランデーをたらしても、おいしく召し上がれます。
コクとマッシュルームの食感、うまみがあるカレーです。ぜひ、つくってみてください。
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※こちらの記事は元動画の提供者さまより許可を得て作成しております。