教えてくれたのは……管理栄養士・関口絢子さん
料理研究家・管理栄養士・インナービューティスペシャリスト。「健康な体と豊かな心を育む食卓」をテーマに、季節の体の変化や旬の食べ物にフォーカスした食の知恵をお届けします。YouTubeでも体に優しいレシピや知識を発信。
からだが喜ぶ食材がたくさん!
今回は暑い日でも作りやすい、火を使わずに、切って混ぜるだけで作れる「冷や汁」をご紹介します。
冷や汁といえば宮崎県の郷土料理ですね。今回は冷や汁の知恵を活かしつつ、火を使わずに簡単に作れる栄養バランスも考えたレシピをご紹介します。ご飯と大豆製品を合わせると、とっても栄養のバランスがよくなるんです。
冷や汁に使うからだが喜ぶ食材
今回は、からだが喜ぶ食材を6つ使っています。
・しらす……たんぱく質、ビタミンB12、EPAなど
・豆腐……たんぱく質、サポニンなど
豆腐やしらすの動物性、植物性たんぱく質を一緒に摂ることで、より栄養バランスもよくなります。しらすに含まれる〈ビタミンB12〉は、造血作用や細胞生まれ変わりに必要な核酸(かくさん)の合成を担う栄養素です。〈EPA〉は、体内の免疫反応の調整や動脈硬化、高血圧の予防や改善、また炎症を抑える働きがあります。
豆腐のサポニンは、抗酸化作用や免疫力アップ、血流改善、動脈硬化や老化を予防します。
・きゅうり
きゅうりに含まれる〈シトルリン〉はスーパーアミノ酸で、血管を拡張させて、血流を促します。きゅうりに含まれる量は少量ですが、うれしい成分です。
・しょうが
しょうがに含まれる〈ジンゲロール〉は、血流促進や殺菌効果で知られる成分です。火を使わない料理や生ものに役に立ちます。また食欲増進や健胃(けんい)作用も期待できます。
・にんにく
にんにくに含まれる〈硫化アリル〉は消化液の分泌を促し、食欲増進をはじめ、新陳代謝を促す〈ビタミンB1〉を活性化させることで疲労回復に役立ちます。
・ごま
ごまのリグナンは疲れの原因でもある活性酸素を除去し、肝機能を改善します。若返りの成分でも知られています。
切って混ぜるだけ!「冷や汁」の作り方
材料(1人分)
- きゅうり……4分の1本
- 豆腐……小2分の1パック
- しらす……適量
- ご飯……1杯
- 白すりごま……大さじ1
- 大葉……3枚
- 長ねぎ……5cm
【スープ】
- みそ……大さじ1.5
- 出汁の粉(出汁パックの中身でも代用可)……小さじ1弱
- 水……1カップ
- おろししょうが……小さじ1
- おろしにんにく……小さじ1
きゅうり、長ネギ、大葉、白ごまはご飯の上にのせていきます。冷蔵庫にあるみょうがや青ネギなど、薬味は自由に選んでお使いください。にんにくが苦手な方は、入れなくてもおいしく召し上がれます。
作り方
1.ボウルにみそ、水を入れて混ぜます。水はみそを溶かしやすくするために入れます。分量の1カップから少量入れてください。みそが溶けてから出汁の粉を入れて、さらに混ぜ合わせます。
2.にんにく、しょうがをすりおろして、ボウルに入れます。水を入れながら、かき混ぜます。濃い味がお好みの方は、みその量を少し多めに加えてください。お好みの味にしあがったら、冷蔵庫で冷やします。
3.冷蔵庫でスープを冷やしている間に、薬味を包丁で切ります。薬味の量はお好みで調節して、アレンジしてください。
・きゅうり……輪切り
・ねぎ……みじん切り
・大葉……せん切り
4.器にご飯を盛ります。ご飯の上に薬味(お好みの量)、豆腐、しらす、すりごまをのせます。豆腐は箸で崩してからのせると、ご飯とからみやすくなるのでおすすめです。最後にスープをかけて、できあがりです。
切ってのせるだけで、立派な一品になります。しらすと豆腐が、ご飯との相性抜群です。スープに入れたしょうがとにんにくが隠し味になっていて、食欲増進効果を感じます。
ネギの食感やきゅうりのさわやかな風味があり、絶品の冷や汁にしあがっています。
切って混ぜるだけで作れる「冷や汁」をご紹介しました。お好みで酢を足して、お召し上がりください。暑い日にぴったりの一品です。ぜひ、作ってみてください。
▼詳しい作り方は動画で確認できます。
※こちらの記事は元動画の提供者さまより許可を得て作成しております。