教えてくれたのは……松本和隆(まつもとかずたか)先生
三重県生まれ。医療法人松徳会・松本クリニック院長。日本糖尿病学会認定 糖尿病専門医。
2016年、三重県松阪市に医療法人松徳会松本クリニックを開院。地域では数少ない「糖尿病専門医」として毎日多くの患者の診療を行っている。著書出版、講演、テレビ出演など多数。
睡眠中の熱中症対策
1.適切な室温が維持できるよう調整する
エアコンや扇風機を使用して室内の温度を適切に保つことが大切です。冷房設備がない場合でも、窓を適度に開けて換気を促すなどして、温度調節に努めましょう。
また、真夜中から早朝の時間帯は体温が下がりやすいため、冷やしすぎにならないように注意しましょう。
2.水分補給を必ず行う
寝る前に適度な水分補給をすることようにしましょう。ただし、トイレの回数が増えると睡眠の質を損なうため、飲みすぎにならないよう注意しましょう。
3.適切なパジャマと寝具を選ぶ
寝ているときでも、汗はかいます。汗が蒸発されるよう、通気性の良いパジャマと汗をよく吸収する寝具を選ぶことで、体温調節を助けます。
4.体調の変化を見逃さない
寝る前の体調をチェックし、体調不良や脱水症状が見られたら、そのまま放っておかずに対処してから睡眠に入るようにしましょう。
自宅にいるときの熱中症対策
1.適切な室温管理
エアコンや扇風機を適切に使用して、室内温度を下げましょう。ただし、エアコンの冷えすぎに注意することも重要です。
適切な室温を保つためには、遮光・断熱対策もあわせて行うとよいでしょう。カーテンやブラインドを閉じて直射日光を遮ることで、室内の温度上昇を防げます。カーテンを遮光・遮熱効果の高いものに変えたり、窓ガラスに断熱シートを貼るとより効果的です。
2.こまめな水分補給をする
頻繁に水分を取ることが大切です。喉が渇かないうちにこまめに飲むようにしましょう。多くの人は気づかないうちに熱中症に陥っているようです。尋常ではないほど汗をかくようであれば、すでに熱中症だと考えた方がいいでしょう。気づいたらできるだけ早く、涼しいところで水分をしっかり取ることが大切です。
もし、水分とると気持ちが悪くなるようであれば、病院へ行った方がいいでしょう。意識がないときはすぐに救急車を呼んでください。特に、たくさん汗をかいた場合は、水だけでなく塩などの電解質を補給することが重要です。
3.休息をきちんととる
気温が高いと、少し動くだけでも体力が大幅に消耗します。高温時間帯(特に午後の直射日光が強い時間)には、できるだけ身体を休めましょう。また、無理に運動することは避け、身体の疲労や脱水状態を放置しないように心掛けてください。
4.通気性のよい服装を選ぶ
体温調整のしやすい服装というのは、ただ薄着であればいいということではありません。通気性の良い、軽い衣類を選ぶことが大切です。適度に汗を蒸発させることで体温調節を助けましょう。
寝ているとき、家にいるときでも、熱中症になることがあります。8つのポイントに気をつけていただき、この先しばらく続く酷暑を乗り越えていきましょう。