教えてくれたのは……管理栄養士・関口絢子さん
料理研究家・管理栄養士・インナービューティスペシャリスト。「健康な体と豊かな心を育む食卓」をテーマに、季節の体の変化や旬の食べ物にフォーカスした食の知恵をお届けします。YouTubeでも体に優しいレシピや知識を発信。
卵で補うレシピ
今回は体に効く一皿として、ブロッコリーを使った簡単レシピをご紹介します。ブロッコリーでは足りない栄養が補える卵と掛け算をして、栄養バランスが満点のレシピです。
卵はビタミンCを含んでいませんので、ブロッコリーに含まれるビタミンCと合わせると、栄養を補う組み合わせになります。卵は完全栄養食品と言われていて、タンパク質、ビタミンA、ビタミンB群、ビタミンD、ビタミンEなどさまざまな栄養素が含まれます。
卵
コレステロールは多いですが、卵にはレシチンが含まれます。レシチンは悪玉コレステロールは減らして善玉コレステロールを増やす、とても都合のいい栄養素が含まれています。卵のコレステロールはあまり心配しなくてもいいというのが、最新の通説になっています。卵は毎日1個取るのがいいと言われているので、活用してみてください。
卵はアミノ酸スコア100の食品といって、必須アミノ酸が全部含まれている食品です。必須アミノ酸もいろいろな食材からバランスよく取ることで、タンパク質の構成力が高まります。ぜひ、タンパク質食品(チーズなど)も多種類の食品から取るのがおすすめです。
ブロッコリー
ブロッコリーは免疫力を高めて、がん予防になる健康野菜です。ブロッコリーは緑黄色野菜の代表として、βカロテンが非常に豊富です。βカロテンは体内で必要に応じてビタミンAに変換されたり、抗酸化物質として働きます。疲れを取ったり、免疫力アップに役立ちます。
ブロッコリーは、まだまだ役立つ栄養がたくさんあります。
- 肌や粘膜の乾燥を抑えるのにも役立つ
- ブロッコリーをはじめキャベツや小松菜クレソンなどのアブラナ科の野菜特有のイソチオシアネートが肝臓の解毒を高めるに役立つ
イソチオシアネートは抗酸化や殺菌、血管の炎症を抑えたり、ガン予防になります。
より効果的に取れる方法
イソチオシアネートをより効果的に摂る方法があります。ブロッコリーを切った断面から酵素が働きます。酵素と反応することで、有効成分のイソチオシアネートになります。少し細かく包丁で切ると、イソチオシアネートが多く作られます。芯の部分にはビタミンCが多く含まれていますので、ぜひ使ってください。
ブロッコリーはβカロテンなど脂溶性(しようせい)の栄養素が含まれますので、油と一緒に摂ることで吸収がよくなります。
「ブロッコリーと卵のチーズ焼き」の作り方
今回はブロッコリーがメインで、卵はつなぎの役割として使っていきます。チーズをしあげにトッピングしますが、ない場合はブロッコリーと卵の2つだけでOKです。
材料
- ブロッコリー……2分の1株
- 卵……2個
- チーズ……適量
作り方
1.ブロッコリーを小房に分けて、きれいに洗います。
2.ブロッコリー2分の1株をひと口大に包丁で刻みます。芯の部分も少し硬い皮の部分だけを包丁で切り落として、ひと口大に切ります。
3.フライパンを中火にかけて、油(分量外)を少しひきます。ブロッコリーをフライパンに入れて、油をからめるようにして、弱火にします。ふたをして、お好みの固さになるまで蒸し焼きにしていきます。
※水などを加えないので、栄養の損失がありません。弱火で3分ほど経過すると、ブロッコリーに半分程度火が通ります。さらに卵を加えて火を通すので、固めでもOKです。固いブロッコリーが苦手な方は、お好みの柔らかさまで加熱時間を調節してください。
4.卵をボウルに割り、菜箸で溶きます。
5.お好みの固さになるようにブロッコリーに火を通して、軽く塩こしょう(分量外)を振ります。4の卵を入れ、フライ返しなどで卵が半熟になるまで混ぜ合わせます。
6.卵が白っぽくなり、火が通ったら、卵を全体になじませてブロッコリーと密着させるようにフライパンの中心に集めます。チーズを加え、フタを閉めてさらに焼いていきます。
7.チーズが溶けたら、皿に盛りつけてできあがりです。
このままでも食べられますが、かつお節をトッピングして、ポン酢しょうゆをかけるのもおすすめです。ケチャップやしょうゆなど、お好みの調味料をかけてください。食べ応えのある一品で、ポン酢しょうゆの酢が味をしめてくれます。
今回は「ブロッコリーと卵のチーズ焼き」をご紹介しました。今晩のおかずにいかがですか?
▼詳しい作り方は動画で確認できます。
※こちらの記事は元動画の提供者さまより許可を得て作成しております。