教えてくれたのは……抗菌博士 梶浦義浩さん
1985年、株式会社シナネンゼオミックに入社。以来、抗菌剤「ゼオミック」の研究・開発に従事。現在は同社プロジェクト担当として、市場開拓も担当。抗菌試験管理士、臭気判定士の資格も有する。イベント等では抗菌博士として講師を務める。
卵は必ず冷蔵庫で保存
卵の表面は次亜塩素酸ナトリウム溶液などで消毒・洗浄されていますが、サルモネラ菌などの細菌が付着している可能性があります。
卵内には殺菌効果のある酵素があります。卵が新鮮な間、10度以下で保存する場合は、ほとんどサルモネラ菌は増殖しません。
しかし、時間の経過と共に卵の鮮度が下がると殺菌効果は低下し、サルモネラ菌が増殖してしまいます。卵は新鮮なうちに、なるべく早く消費するのがベストです。
冷蔵庫のドアポケットも要注意!
冷蔵庫のドアポケットは、温度変化が激しい場所です。また、ドアを開閉するときの衝撃で卵が割れてしまう可能性もあります。
卵は、温度変化の少ない冷蔵庫の奥側で保存するようにしましょう。
サルモネラ菌ってどんな菌?
卵の表面についている可能性のあるサルモネラ菌は、人、牛・豚・にわとりなどの家畜の腸内、河川など自然界に多く存在する細菌です。
牛・豚・にわとりなどの食肉や卵に付着していることがあり、食中毒を引き起こします。
感染すると腹痛・下痢・発熱などの症状があらわれます。サルモネラ菌は比較的少数(100〜1,000個)でも食中毒を発症してしまうため、注意が必要です。生肉を触ったあとは、手指の十分な洗浄を行いましょう。
「半生」「半熟状態」にする場合は2週間以内の卵を使って
あまり熱をかけない「半生」や「半熟」の卵料理は、サルモネラ菌の数が少ない新鮮な卵を使うようにしましょう。
生食の賞味期限である2週間を過ぎた卵は、十分な加熱調理をすることが大切です。
卵の殻が入ってしまったときはどうする?
生の卵を食べようと殻を割ったら、卵に殻が入ってしまったということもありますよね。
卵の殻には食中毒の原因となる菌が付着しているかもしれません。殻が入ってしまった卵を、生のまま食べるのは避けた方がベターです。
また、卵かけご飯など生食で食べるときは、生卵を入れる容器に、割る前の卵を入れないようにしましょう。
加熱することによって、卵の殻に付着した菌は死滅します。
卵の殻が卵に入ってしまったときは、殻を取り除いた後に十分な加熱をすれば、食中毒になる可能性は低くなり、安心して食べることができます。
卵の殻にヒビが入っていたら、加熱調理を
ヒビの入っていない卵は冷蔵保存の場合、酵素の働きによっておよそ2週間は卵の内部の菌の増殖は防ぐことができます。
しかし、卵の殻にヒビが入ってしまうと殻に付着したサルモネラ菌などがヒビから侵入し、卵の内部で増殖している可能性があります。
卵の殻にヒビが入ってしまったときは、必ず加熱調理するようにしましょう。