おいしくなる「2日目のカレー」で食中毒に…⁉絶対やってはいけないNG行動を抗菌博士に聞いた

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 おいしくなる「2日目のカレー」で食中毒に…⁉絶対やってはいけないNG行動を抗菌博士に聞いた

2023.06.18

2日目のカレーは味が染み込んでおいしい! でも常温に放置したカレーは食中毒の原因になる菌がたくさん増殖しているかも。抗菌博士の梶浦さんに、カレーをおいしく安全に食べるための極意を教えて頂きました!

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教えてくれたのは……抗菌博士 梶浦義浩さん

1985年、株式会社シナネンゼオミックに入社。以来、抗菌剤「ゼオミック」の研究・開発に従事。現在は同社プロジェクト担当として、市場開拓も担当。抗菌試験管理士、臭気判定士の資格も有する。イベント等では抗菌博士として講師を務める。

常温放置のカレーは再加熱しても危険!

危険

常温に放置してしまったカレーやシチュー。食べる前に加熱すれば殺菌出来るから大丈夫……ではありません!!
なんと、菌によっては加熱しても死滅しない菌もいるんです。

加熱によって死滅する菌

死滅

  • サルモネラ菌
  • 0-157(腸管出血性大腸菌)

これらの菌は、75度で1分間程度の加熱することで死滅します。

加熱しても死滅しない菌

菌

  • ウェルシュ菌
  • セレウス菌
  • ボツリヌス菌

食中毒の原因になるこれらの菌は、100°度以上の熱で加熱しても死滅させることはできません。

加熱しても死滅しない原因…それは、無敵の「芽胞」

きん

芽胞とは、外部環境が悪くなった場合に形成される耐久細胞のことです。
芽胞は熱・乾燥・消毒剤などの影響を受けません
周りの環境が生育にふさわしくない状態(乾燥、栄養不足等)になると、芽胞が形成され菌の代謝は全て止まり休眠状態になります。
そして環境が菌にとって適した状態になると、復元して菌を増殖させているのです。

「芽胞」を死滅させることはできるの?

レトルト

芽胞を死滅させる2つの方法は……

1. 乾燥状態で180°C、20分以上の処理
2. 湿熱状態で高温高圧釜で121°C、20分の加熱処理

例えばレトルト食品等は、湿熱殺菌を行うことで芽胞菌も死滅させています。常温で流通させることが可能となっているのはこのためです。

身体に深刻な影響を及ぼす食中毒

食中毒

食中毒の原因菌が体内に入ると、嘔吐・腹痛・下痢の症状を引き起こします。
発症する症状は原因菌によって差はありますが、重篤化する可能性もあるので早急に医療機関を受診するのが大切です。

食中毒を引き起こさないための2つの極意

1. 料理前のポイント【しっかり洗浄】

洗浄

調理前は必ず食品をしっかり洗浄しましょう。
野菜などの農産物には土壌菌として食中毒菌が付着しています。洗浄が不十分な場合、芽胞状態の菌が原因で食中毒を引き起こしてしまう可能性があります。
しっかり洗浄することで、食品についている芽胞を減らすことが大切です。
食品に使用可能な洗剤を使うことも一つの方法です。

2. 料理後のポイント【冷蔵・冷凍保存を心掛ける】

冷蔵

料理後は、冷蔵または冷凍状態で菌の増殖を防ぎましょう。
常温のまま放置しておくと、周りの栄養状態が良くなるため芽胞状態の菌が増殖を始めてしまいます。
必ず冷蔵・冷凍状態にして、食べ物の温度を低く保つことが大切です。菌の増殖を抑えることで毒素の産生が抑制されます。
カレーやスープ等一晩寝かせた方がおいしいと言われがちですが、常温での放置は絶対にNGです。

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著者

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Mitomi

小学2年生と5歳の娘を持つ2児の母。40歳主婦。転勤族の夫ともに日本全国を横断中。音楽をこよなく愛し、子供たちと音楽に励みながら四苦八苦する日々を送る。 コロナ禍で外出もままならない日々が続く中、狭い我が家の中に無限の楽しみを見つけるべく日々精進中。 学生時代にヘルパー二級、幼稚園教諭免許取得。卒業後、音楽教室にてピアノ講師として勤務。現在は専業主婦。自粛期間中に天狼院書店のライティング講座を受講。ライティングの楽しさを学習中。

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