つらい更年期症状に「大豆」より「黒豆」 がいい理由【医師が直伝】

心と体

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2023.12.15

ホルモンバランスが崩れ、身体にさまざまな変化があらわれる更年期。つらい症状に悩む方も多いのではないでしょうか。漢方医学に精通している健友堂クリニック院長の菅原健先生によると、「更年期の症状には黒豆を取り入れるのが効果的」なのだそうです。今回は、黒豆がよいとされる理由と上手に摂る方法について教えていただきました。

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教えてくれたのは……菅原 健(すがわら たけし)先生

菅原 健(すがわら たけし)先生出典:www.kenyudo-clinic.com

健友堂クリニック院長。健康科学大学特任教授・山梨大学医学部非常勤講師。
漢方専門の診療所/健友堂クリニックの院長を務め、毎日の診療の傍ら、漢方医学を多くの人に知ってもらうために医学部や看護学部での講義や本の執筆も行う。著書に『方輿輗解説』(たにぐち書店)『知られざる日本漢方の力』(幻冬舎)など。

更年期症状には「白大豆」よりも「黒大豆」

更年期症状や女性ホルモンの崩れには「大豆がよい」と、なんとなく耳にしたことがある方は多いと思います。
菅原先生によると、大豆の中でも白大豆と黒大豆(黒豆)があり、黒豆のほうがより効果的なのだそうです。その理由はなぜなのでしょうか。

菅原先生「大豆には大豆イソフラボンが含まれており、それは女性ホルモンに似た作用を持つことで最近有名になっています。

大豆を女性の諸症状に使用することは、実は二千年ほど前に編纂(へんさん)された『備急千金要方』にも書かれています。昔は、当たり前に大豆や小豆などの多くの種類の豆類を鍋で煮ていた習慣があります。大豆には白大豆と黒大豆がありますが、薬用には白大豆は使われず、もっぱら黒大豆、いわゆる黒豆を使用していました。

黒豆にはポリフェノールが豊富に含まれる出典:www.photo-ac.com

黒豆には白豆にはない黒色の成分がありますが、それは実は赤ワインと同じ赤い色の成分であるポリフェノールが大量に凝縮しているために黒く見えるのです。ポリフェノールには抗酸化作用があり、血管を強くしたり活性酸素などの有害物質からからだを守ったりする働きをします」

「黒豆」を手軽に摂取する方法とは

黒豆は「産後のイライラや痙攣、中風という動き回るような関節痛、お腹のむくみやフケ症などの皮膚病変にもよいとされています」と、菅原先生はおっしゃいます。

煮豆が定番メニューのイメージがある黒豆ですが、そのまま食べる以外にも手軽な取り入れ方があるのだそうです。おすすめの方法について教えていただきました。

炒った黒豆を酢漬けにして赤酢として活用出典:www.photo-ac.com

菅原先生「そのまま食べてもよいのですが、薬用には黒豆を十分に炒めてから清酒や酢に浸す方法がおすすめです。炒った黒豆を浸すと、赤ワインのような赤色になります。
酢ならば日中でも摂取しやすいので、いつも料理に使う酢の代わりに前述の方法で黒豆酢を作っておき、赤酢として日常的に使ってみるのはいかがでしょうか。

また、最近は健康のために木の実のナッツ類を食べる習慣などが見られますが、昔は炒り豆を今のナッツと同じ感覚で気軽に食べる習慣もありました。昔のように、気軽に豆が食べられるようになるとよいと思います」

黒豆と一緒に食べるとよい食材

「黒豆」単品で食べるのももちろんよいですが、気になる不調や悩みなどがある場合には、組み合わせるとよい食材もあるとのこと。気になる症状がある方は、参考にしてみてくださいね。

  • 血管を強くして血液をサラサラにしたい場合……サバやイワシなどの青魚を合わせる。
  • 骨粗鬆症や関節痛に対応したい場合……牛乳や小魚などを合わせる。

更年期の影響でさまざまな症状を抱えると、ストレスから心にも負担がかかってしまいます。健やかな日々を送るためにも、黒豆を上手に取り入れてみてはいかがでしょうか。

参考文献:校正方輿輗解説講義(婦人門) 著者:菅原健

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著者

shukana

shukana

小学生、幼稚園児の男の子のママ。出産前まで紳士服業界に携わり、TES(繊維製品品質管理士)の資格を取得。 暮らしをより楽しく、よりラクに過ごすための方法を日々模索中です。

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