気付きにくい「ストレスが溜まっている人」6つの特徴【専門家が解説】

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 気付きにくい「ストレスが溜まっている人」6つの特徴【専門家が解説】

2023.12.20

年の瀬が近づき、仕事に家事にとやることが山積みで、あわただしさを抱えながら過ごしている方も多いかもしれません。気忙しい日々に自分のことがおざなりになって、気づかぬうちにストレス過多になっていませんか? 今回は、ストレスマネジメントの専門家・舟木彩乃さんに、ストレスが溜まっている人の特徴とストレス対処法について教えていただきます。

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教えてくれたのは 舟木彩乃さん

舟木彩乃さん

ストレスマネジメント専門家。公認心理師。株式会社メンタルシンクタンク副社長。
一般企業の人事部で働きながらカウンセラーに転身、その後、病院(精神科・心療内科)などの勤務と並行して筑波大学大学院に入学し、2020年に博士課程を修了。「首尾一貫感覚(別名:ストレス対処力)」に有用性を感じ、カウンセリングにとり入れている。

書影

『「なんとかなる」と思えるレッスン』
著者:舟木彩乃
価格:1,650円(税込)
発行所:ディスカヴァー・トゥエンティワン

ストレスフルな状況になりやすいアラフォー世代

企業や中央官庁、自治体のメンタルヘルス対策や研修に携わり、カウンセラーとしてのべ1万人以上のカウンセリングを行っている舟木彩乃さん。ストレスマネジメントの専門家として活躍している舟木さんによると、女性にとって40代とは、ストレスフルな状況に陥りやすい時期なのだそうです。

舟木さん 「下の表は、ストレス要因となるライフイベントを、ストレス度の高い順に並べたものです」

ストレス表

舟木さん 「上位には死別・別れなどが並んでいますが、続けて見ていくとわかるように、結婚や妊娠、新たな家族の誕生、就学・卒業、休暇など、ポジティブな出来事でもストレスになることがあります。

40代女性は、配偶者の死に遭遇する頻度は低いものの、子どもの受験や介護など、家族のライフイベントに接する機会が増えたり、仕事の場でまわりから頼られたりすることが多くなる世代です。とにかくいろいろなことへの対応を求められ、心身ともに疲弊しているケースが見受けられます」

あなたのストレス度をチェック!

ストレスフルな状況が続くと、それが当たり前になって、つらい状況に陥っていると気づかないことがあるかもしれません。舟木さんによると、ストレスフルな状況が続くと、心・からだ・行動面に次のような変化があらわれることがあるのだそうです。

イライラしやすくなった

イライラ出典:stock.adobe.com

イメージしやすいポイントのひとつですね。メンタル面の違和感について、「心がチクチクする」と表現する人もいるそうです。

腰痛がひどい

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からだにあらわれるストレス反応として、腰痛を訴える声が比較的多いとのこと。腰痛持ちの方は、ふだんとの痛みの度合いや、痛みのある期間の違いなどに目を向けてみましょう。

胃が痛い

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からだにストレス反応が出ているときあらわれやすい症状のひとつ。ふだんから胃腸が弱い場合、とくになりやすいのだそうです。

遅刻や欠勤が増える

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最近、遅刻や欠勤が増えたり、待ち合わせに遅れたり、約束をリスケしがちだったりするなどの変化はありませんか? 周囲への影響だけでなく、自分自身にゆとりがあるかどうかのセルフチェックとして振り返ってみましょう。

言葉が荒くなる

言葉出典:stock.adobe.com

周囲に対して、きつい言葉や表現をするようになっていたら要注意。ストレスフルな状況下では、人間関係がうまくいかなくなるケースが多くみられるそう。こうした行動面におけるストレス反応が、原因になることも考えられます。

依存傾向が強くなる

依存出典:stock.adobe.com

依存するものには個人差がありますが、依存対象がアルコールの場合はとくに注意が必要です。

舟木さん 「あくまで一例ではありますが、こうしたストレス反応に目を向けて、いつもと違う自分に気づくことが大切です。それをせず、気持ちにふたをしたり、スルーしたりし続けていると、うつ病をはじめとした精神疾患など、より大きな問題を抱えることになりかねません。『自分はいまストレスを感じているんだ』と認めることが、ストレス対処の第一歩です」

自分の“トリセツ”をつくってみよう

あわただしい日々を劇的に変えることは、誰しもなかなか難しいものですよね。ストレスフルな状況にいると気づいたのち、できることはあるのでしょうか?

舟木さん 「『自分が喜ぶこと』を第一に考えてみましょう。あなたは、自分がどうしたら機嫌が良くなるか知っていますか? 真面目な人ほど、自分で自分の機嫌をとるのを難しく感じるものです。何をしたときに楽しく、リフレッシュできたのか。思い出しながら書き出すのがおすすめです」

書き出す出典:stock.adobe.com

舟木さん 「そうして書き出してみると、れたときに何をしたらいいのかがすぐわかる、自分の“取り扱い説明書”ができあがります。先ほどのチェックポイントに当てはまるような状況になったら、このトリセツノートを見返してみましょう。何をしたらいいのか、そのヒントが書かれているはずです」

先に紹介した「ストレスが溜まっている人の特徴」は、「自分自身だけでなく、まわりの人に当てはめて考えてもいい」と舟木さん。

舟木さん「とくに行動面に着目してみましょう。たとえば、いつもは時間を守る同僚の遅刻や欠勤が増えているとか、ふだんは穏やかな家族の言葉遣いが荒くなるなどの場合、ストレス反応による行動変化の可能性も考えられます。子どものようすについても、同じように当てはめて考えてOKです。声をかける目安にしてみてください」

自分自身にも、まわりの人にも「いつもと違う」言動があるとき、「もしかしたらストレスを抱えているのかな?」ととらえると、やさしく接することができそうですね。

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