教えてくれたのは……小林青果株式会社さん
創業以来70年以上にわたり、北九州中央卸市場にて青果の生産者と小売店舗のバイヤーを結ぶ仲卸業を営む小林青果株式会社。九州各県だけでなく、全国各地から旬の食材や特性の強い商品を仕入れ、お客様へお届けしている。安全で安心できる食品の提供はもちろん、作り手の思いや熱量、消費者の期待、販売店の信頼を大切にしている。
アボカドの「熟し具合を調整」する方法とは
アボカドを買ったのはいいけど、カチカチでまだ食べられない、ということもよくありますよね。アボカドは追熟する果物なので、食べ頃の見極めが大切。だけどそんなに待っていられない! という場合には、果物を使った追熟方法があるんだそう。
具体的なやり方や、ポイントについてうかがいました。
りんごを使った追熟方法
ポリ袋にりんごとアボカドをいっしょに入れて保存するだけで、アボカドの食べ頃を早めることができます。果物には”エチレンガス”という”自らの熟成を促す”ガスを発生させるものがあり、中でもりんごはトップクラスの生成量。熟れたものと一緒に置くことで、早く熟れる原理を利用してみてください。
具体的なやり方とポイント
りんごとアボカドをいっしょに入れる袋は、大きすぎず、外から状態が見えるように透明のものが適しています。気をつけていただきたいポイントは、空気を抜いて、袋の口をしっかり閉じること。
アボカドの固さや室温によって異なりますが、この追熟方法で通常は常温で1~3日程度で食べ頃になります。
追熟方法に適したりんごの状態は?
りんごは収穫直後は未成熟期でエチレン量は少ないのですが、しばらく置くと成熟期になり美味しくなります。このときが1番エチレン量が多く過熟期に入り、りんご自体が劣化してくるとエチレン量も減っていきます。
つまり、最もエチレンガスを出す成熟期のりんごが、「追熟方法」に最も適している、といえます。
りんごを使った追熟方法【応用編】
りんごの出すエチレンガスを利用した「追熟方法」を教えていただきました。
せっかくなので、この追熟方法は他の果物でも使えるのか、エチレンガスを出す果物はりんごの他にもあるのか、についてもうかがいます。
アボカド以外に「りんごの追熟方法」が活用できる果物
りんごを使った追熟方法はアボカド以外にも、青みのあるバナナ、キウイフルーツ、マンゴー、パパイヤ、ラフランスなど、収穫後に“追熟”することで美味しくなる果物類に活用できます。
「追熟方法」に使えるりんご以外の果物
エチレンガスを発生させる果物は、りんご以外にもあります。
例えば、バナナ、メロンもエチレンガスを出すので、りんごが売っていない時期の「追熟方法」に活用できますよ。
もう、”アボカドの食べ頃”に悩まない!
アボカドを買う際、食べ頃の見極めの難しさから、触ってみて少し柔らかい熟した状態のものを買うことはないでしょうか。しかし買ってきたアボカドを切ってみたら、熟しすぎていて食べられなかったというハズレの場合も……。そんなときは本当にガッカリしてしまいますよね。
これからは果物による追熟を利用して、アボカドをいつでも一番おいしい状態で食べてくださいね。