教えてくれたのは……マインドトレーナー 田中よしこさん
株式会社コレット代表取締役。心理学・脳科学、コーチングの知見を取り入れ、「自分を本当に知る」ことをメソッド化。個人セッションやセミナーなどを中心に、潜在意識を整え、本心と「未来の理想の思考」を引き出す方法を伝えている。著書に『自分の気持ちがわからない沼から抜け出したい』(KADOKAWA)がある。
50歳から、より幸せになるために手放したい「3つのこと」
日々の家事や仕事に追われて余裕がなくなり、自分を見失っていることに気づけないままで50代を迎えている人も少なくありません。
そんなとき、私たちの心には古い雑誌が積み重なっているように、不要なものが溜まってしまっていることがあります。「読まないけど捨てられない」「いつか役立つかもしれない」このような考え方を抱え続けていては、自分らしさや幸せはいつまでたっても受け取れません。
年齢を重ねるにつれて、どのようなものを手放すとよいのかをご紹介します。
1.過去への執着
過去にあった嫌なことや失敗、他人にされた許せないことなどをそのまま封印していたり、未だに思い出してはマイナスな感情が出てきたりして、辛い思いをしている人はいませんか?
過去を引きずることは、現在のあなた自身の自己肯定感が下がり、今の幸せを受け取れなくしてしまいます。気づいていなかったとしても、過去の嫌な経験にとらわれ、 以前断ったことで嫌味を言われたから「とりあえず付き合っておこう」など、本意ではない人間関係を維持する思考に陥ることも。
影響を受けている過去の出来事はないか、見直してみましょう。
2.他人との比較
SNS上で「〇歳に見えない」「奇跡の〇歳」というような見出しで、美に磨きをかけている人たちを見かけることもあるでしょう。
私たちの脳には“差を見つける”機能があるため、自分と誰かを比較してしまいがちです。
ベストセラーとなった『スマホ脳』で知られる精神科医のアンデシュ・ハンセンは、自身の著書『メンタル脳』の中で「SNSの普及によって、現代人のメンタルは史上最悪だ」と言っているほど、他人の情報に振り回されることの有害さを訴えています。
自分の価値は、自分自身の成長のみ得られるもの。他人との比較ではなく、過去の自分やなりたい自分にだけフォーカスする思考パターンを身につけましょう。
3.忙しさへの依存
“多忙=自分の価値”と認識してしまう思考パターンがあるのを知っていますか?
これは、「ゆっくりしている人は仕事をしていない」「ヒマであることは必要とされていない、役に立っていない」といった考え方のことを指します。
研究によると、幸福感を得るためには適度な自由時間も大切だということが分かっています。パフォーマンスを向上させて仕事をイキイキとこなすためにも、適度な休息と自由を感じられる時間が必要なのです。
50代からは、健康面を気遣うことがさらに重要になります。特に、睡眠を通じて健康を維持することや、ストレスの解消は不可欠。時間がないという方は、まず「10分の休息を確保するには?」という視点で予定を見直してみてください。
幸せのためには、心身の健康は欠かせません。毎日の過ごし方が今後のあなたの幸せにつながります。実践しながら幸福感を高めてあげてくださいね。