教えてくれたのは……管理栄養士 若山あみさん
愛知県にある「あさひの森 内科消化器クリニック」の管理栄養士。クリニックでは保険診療で野菜の栄養と体へのメリットについて栄養指導を行っている。
納豆を毎日の食生活に取り入れよう
前回の記事でご紹介したように、納豆はたまに食べるのではなく、毎日の食事に取り入れるのがおすすめです。納豆を毎日食べることによって、さまざまな健康効果が期待できるため、体にたくさんのメリットがありますよ!
だからと言って食べ過ぎてしまうのはNG。食事はバランスが大切なので、全体のバランスを考えて、適量を守りましょう。
今回は、適量の場合と過剰摂取の場合の違いについて、ご紹介します。
納豆を毎日1パック食べた場合のメリット
納豆の適量は、1日「1パック」程度。適量を食べることで体に起こるうれしい変化、得られる主なメリットは、以下のとおりです。
1.血液の流れがスムーズになる
ナットウキナーゼにより、血栓を溶かして血液の流れがスムーズになるため、心臓病や脳卒中のリスクを減少させる効果が期待できます。
2.骨粗しょう症を予防する
納豆に含まれるビタミンK2は、骨にカルシウムを沈着させる働きがあるため、骨粗しょう症の予防につながります。
3.腸内環境がととのう
納豆菌と食物繊維により、腸内細菌のバランスを良くし、便秘の解消や肥満予防、免疫力の向上に効果的です。
4.更年期の不調を改善する
納豆の原材料は大豆であるため、大豆イソフラボンが含まれます。大豆イソフラボンは、女性ホルモンのエストロゲンと似た働きを持つことで知られており、更年期女性の不調対策にも役立ちます。
納豆は「食べすぎる」とよくない?考えられるデメリット
納豆を食べることで健康効果が期待できますが、毎食食べる(1日に3パック食べる)など、適量以上になるとデメリットが生じる場合もあるので注意してくださいね。
1.ほかの栄養素が不足する可能性がある
納豆だけを大量に摂取することにより、他の食品を食べる量が減り、得られる栄養素が不足してしまう可能性があります。どの健康食材でも、すべての栄養素をカバーしているものはありません。
納豆は低脂質、高たんぱく質の優秀な食材ですが、納豆だけでは動物性たんぱく質や鉄分、適切な脂質が不足してしまいます。肉、魚、卵、豆腐などと合わせて、バランス良く適量を摂取しましょう。
2.下痢や腹痛が起こる場合がある
納豆は“高FODMAP食品(高フォドマップ食品)”に分類され、腸で発酵しやすい食材です。そのため、腸内でガスが発生し、腹部膨満感の原因になることがあります。
さらに、小腸で吸収されにくく、場合によっては下痢や腹痛を引き起こすことも。納豆を健康目的で積極的に食べていて下痢や腹痛に悩んでいる方は、納豆の摂取を一時的に中止してみることをおすすめします。
納豆は「1日1パック」を目安に、毎日食べ続けることがポイントです。ぜひ習慣にしてみてくださいね!