教えてくれたのは……神崎 健輔さん
洗濯・シミ抜き職人の神崎 健輔(かんざき けんすけ)さん。実家の老舗クリーニング店「白洋社」部長。株式会社クラスタス CTO。宅配クリーニング「Nexcy(ネクシー)」CTOとして、全国から集配可能なクリーニング店の運営も行う。またそれらの経験をもとに、「洗濯ハカセ」として、家庭でもできる洗濯・シミ抜き術を発信中。
洗濯槽に潜む「5大ニオイ菌」の特徴
洗濯槽を含め、衣類に臭いをもたらす菌はあらゆる場所に存在します。菌の多くは人の体内にも存在する常在菌であり、衣類から洗濯時に洗濯槽へ移り、そこから洗濯中に他の衣類にも移っていってしまうのです。
以下は、洗濯槽に潜む「5大ニオイ菌」の特徴です。洗濯物と洗濯槽の臭いを防ぐために、まずは菌の特徴を押さえておきましょう。
1.モラクセラ菌
人の顔や首によく存在している菌で、湿度が高い環境や温暖な温度(約20〜30°C)で増殖しやすいです。人の皮膚や鼻腔から分泌される汗・油分を通じて衣類に移ります。
特に、顔を拭いたタオルやハンカチや、首元に擦れるTシャツなどを洗濯する際に他の衣類に移ることがあります。
2.大腸菌
通常は人や動物の腸内に存在する菌で、高温多湿の環境で増殖しやすいです。糞便由来の汚れが衣類に付着することによって、他の雑菌と一緒に汚れを分解することで生成された分泌物が臭いの原因になります。
トイレ使用後の手洗いが不十分であったり、糞便が付着した衣類が原因で菌が移ることがあります。育児や介護を行う際の接触によっても菌が移る可能性があります。
3.マイクロコッカス菌
環境中や人の皮膚に存在し、皮脂を分解して臭いの原因となる物質を生成する菌です。乾燥した環境でも増殖できますが、湿度が高い環境ではさらに増えやすくなります。
皮膚から衣類に直接移ります。特に、長時間着用した衣類や下着で増殖しやすいです。
4.黄色ブドウ球菌
皮膚や鼻腔に存在し、皮膚や粘膜の感染症を引き起こすこともある菌です。湿度が高く温暖な環境(約20〜37°C)で増殖しやすいです。
皮膚から汗を通じて衣類に移ります。特に、運動後の汗で湿った衣類で増殖しやすい特徴があります。
5.マラセチア菌
皮膚に常在する酵母様真菌で脂質を好む性質をもっているため、脂漏性皮膚炎やフケの原因になることがあります。湿度が高く脂質の多い環境で増殖しやすく、頭皮や皮膚から分泌される油脂を介して衣類に移ります。
特に、帽子や枕カバーなど、頭皮に直接触れるものに移ることが多いです。マラセチア菌は皮膚などを分解する過程で臭いの原因となる物質を生成します。
これがタオルや衣類に付着することで強い臭いの原因になると考えられます。
菌を増やさないためには「洗濯」が大切
いずれの菌も高温多湿の環境を好んでおり、条件が揃えば繁殖力が高まります。
これらの菌の増殖を抑えるためには、洗濯物をできる限り早く乾かすこと、菌の栄養となる汚れや洗剤残りを取り除いた洗濯を行うことが大切です。
“臭わせない洗濯”をするためには「ヨウ素」の力を取り入れよう
洗濯物の臭いの主な原因は、菌の影響によるものです。“臭わせない洗濯”をするためには、菌をコントロールすることが近道。最近では、除菌や抗菌をうたう洗剤も増えていますが、洗剤だけでは完全にコントロールすることは難しいといえます。そのため、菌に対処する洗濯アイテムは心強い味方になってくれますよ!
洗濯の専門家としておすすめするのは、「ヨウ素」です。ヨウ素は医療の現場で消毒剤として使われているものでもあり、うがい薬にも含まれるなど、殺菌や除菌に効果的な身近な成分です。
ヨウ素はタンパク質を分解することや、酸化作用、浸透性によって菌のバリアを壊すなどして雑菌を除去することができます。そのため、洗濯物の臭いの主な原因となる雑菌を取り除くには、ヨウ素を使わない手はありません。
「ヨウ素」を含む洗濯用品はある?
株式会社イースマイルが展開する「さよなら洗濯の菌さん」は、流行性ウィルスにも殺菌効果が期待できるヨウ素の働きに注目した洗濯補助用品です。
いつもの洗濯の際に洗濯物と一緒に入れるだけで、生乾き臭、部屋干し臭、汗臭、加齢臭を撃退し、上記でご紹介したような洗濯槽に潜む5大ニオイ菌にも効果を発揮します。
「さよなら洗濯の菌さん」は、衣類を大切にしたい方にも安心して使えるように、「ヨウ素イオン交換樹脂」を主成分としています。通常のヨウ素は水に溶けるとオレンジ色になり衣類に色がつく恐れがありますが、ヨウ素イオン交換樹脂は水に含まれる塩素に反応し、塩素がヨウ素に置き換わって除菌効果を発揮します。洗濯用の専門ヨウ素で無色透明なため、衣類に着色することがない画期的なヨウ素です。
洗剤では消えない洗濯物のさまざまな臭いに悩む方は、ぜひ取り入れてみてくださいね!