教えてくれたのは……マインドトレーナー 田中よしこさん
株式会社コレット代表取締役。心理学・脳科学、コーチングの知見を取り入れ、「自分を本当に知る」ことをメソッド化。個人セッションやセミナーなどを中心に、潜在意識を整え、本心と「未来の理想の思考」を引き出す方法を伝えている。著書に『自分の気持ちがわからない沼から抜け出したい』(KADOKAWA)がある。
人生が“超”楽しくなる「3つのコツ」
特に大きな問題があるわけではないけれど、何かが物足りない、心にぽっかりと穴が空いているような感覚はありませんか?「自分の人生、これでいいのだろうか」と感じることは、決して珍しいことではありません。しかし、実はちょっとした工夫で、そんな毎日をもっと「超楽しく」することができるのです。
ここでは、人生が超楽しくなるための3つのコツを、脳科学と心理学の視点からお伝えします。
1. 最後を意識して「小さな挑戦」を楽しむ
人生がマンネリ化してしまうと、何をしても退屈に感じてしまうこともありますよね。しかし、普段意識することは少ないかもしれませんが、私たちの人生は日々終わりに向かって確実に進んでいます。だからこそ、人生の最後にどのようなことを感じていたいのか、何をしたら幸せだったと思えるのかを考えてみましょう。そして、日常の中に小さな挑戦を取り入れてみることをおすすめします。
挑戦といっても、大きな目標を掲げる必要はありません。新しいレシピを試したり、仕事でいつもとは違うアプローチを試したりするなど、小さな変化を加えてみてください。脳が「新しさ」に反応することで喜びを感じやすくなり、“人生の最後を意識した大切なもの”を選択できるようになります。
心理学者のキャロル・ドゥエックの研究では、成長している実感を持つことで幸福感が向上し、より前向きな行動が促進されることが明らかになっています。人生は、いつでも自分次第でもっと楽しくできるのです。
2. 「感謝」の気持ちを持つ
「喉元過ぎれば熱さを忘れる」といったことわざがありますが、日々の忙しさに追われていると、身の回りの小さな幸せや感謝すべきことに気がつかないことがよくありますよね。
短時間の大雨で日常生活が止まったり、歯が痛くて食事の時間が苦痛になったり、普段当たり前にできることができなくなることは、つらいもの。インフラや交通が当たり前に動くことや、健康でいられることは実はすごいことなのです。
感謝の気持ちを持つことで、脳はポジティブな感情を増幅し、幸福感が高まるという研究結果もあります。
感謝の日記をつけるなど、毎晩寝る前に「今日は何に感謝できるか」を振り返る習慣を持つことで、脳が元気になり幸福度がどんどんアップします。感謝は脳にとって「幸せのエクササイズ」だとも言えるのです。
3.自分をケアしながら、「人とのつながり」を大切にする
家庭のことや仕事に追われると、つい自分の時間を犠牲にしてしまいがちです。その結果、友人や家族と疎遠になってしまうこともあるのではないでしょうか。ハーバード大学の研究では、良好な人間関係が幸福感を高め、健康寿命を延ばすことが確認されています。人とのつながりは、私たちの幸福感に大きな影響を与えるのです。
良好な人間関係を築くためには、自分自身に余裕を持つことも必要です。リラックスする時間を設け、好きなことを優先する時間を守って自分のことも大切にしましょう。自己ケアはワガママや贅沢ではなく、自分と周囲の幸せのために欠かせないものです。
心理学者のアブラハム・マズローが唱えた「自己実現の欲求」は、人間にとって最も充実感を得られる欲求のひとつ。自分自身を優先することで、人生への満足度が大きく高まるとされています。さらに家族や友人との会話やふれあいを増やすことで心の栄養が補充され、日常生活に彩りがもたらされます。大切な人との会話の時間を大切にしてくださいね。
自分が「何を望むか」を知ることが大切
人生を超楽しくするには、特別なイベントは必要ありません。「何にフォーカスするのか」が最も大切で、大切なものは人それぞれです。
自分が何を楽しみたいのかわからない場合は、未来の自分へ手紙を書くことをおすすめします。そうすることで、自分が何を望んでいるのか、どうありたいのかが見えてくるかもしれませんよ。