子どもの「なんとかなる」「なんでもいい」にイライラ。
来年中3になるというのに部活やゲームばかりで進路についてはノータッチ。「このままでは行ける高校ないよ」「高校入って何がしたいの?」などと言っても「なんとかなる」「なんでもいい」などいつも生返事。仕方なく資料を取り寄せたり、塾の先生に相談してフォローをお願いするものの、親はどこまで手を出せばいい?
自分の将来について深く考えておらず、まるで他人事のような様子だと見ていてもやもやすることもあるでしょう。手を出し過ぎたら過干渉とはわかっていても、何もしなければただ時間が過ぎていくだけ。
子ども自身に将来をしっかり考えてもらうためにはどんな関わりが必要なのでしょうか。
サポートの仕方と塩梅を考えていきます。
子どもの主体性を引き出す話し合いとは?
まずは決めつけずに話し合う。
子どもの態度にもやもやしているときに話し合おうとすると「どうせ何も考えていないんでしょう」と決めつけてかかってしまいます。
父親がいたほうがよいか、平日より週末の方がよいかなど、落ち着ける環境や時間を考えてから話し合えるとよいでしょう。
親と大事な話し合いをする際、黙り込んでしまったり、言葉が出ない子も多いよう。
そのようなとき、親はつい「逃げている、黙れば済むと思っている」など厳しい視線を送りがちです。
しかし、黙ってしまうのは逃げているからとは限りません。
- 言いたいことは頭にあってもどう伝えたらよいのかわからない。
- 親よりも頭の回転がゆっくりで、言葉が出るまでに時間がかかる。
- 「これを言ったら親がどう思うかな」と気にかかり言えない。
子どもが話す内容だけではなく、子どもが示す態度も決めつけずに話し合えるといいでしょう。
意見を言うのではなく「問いかけていく」
子どもが明確な意思を示さなければ、「親が決めないと進まない」と感じられる方は多いです。
焦る気持ちが強くなると「〇〇部が強いところがいいよね」「大学進学を見据えたらこっちがいいよ」など、意見しやすくなります。
子どもの主体性を尊重するためには意見は控えめにし、質問を多くしていくのがおすすめ。
質問には大きく2種類があり、使い分けていくのも重要です。
- 1つはクローズドクエスチョン(イエスかノーで答える質問)
- もう1つはオープンクエスチョン(自由に考えて答える質問)
「前に、いつか留学してみたいって言ってたけど今もその気持ちはあるの?」というクローズドクエスチョン、「高校ではどんなことを頑張っていきたい?」というオープンクエスチョンなど両方使えるとよいでしょう。
また、「家からの距離、部活の多さ、進学率だったらどれを重視する?」など選択肢を挙げて質問してみるのもよいかもしれません。
親が決めて手を引っ張るよりも時間はかかるかもしれませんが、子どもの主体性を尊重する上では、質問を中心に据えていくのが大切なんですね。
手を引く準備も頭の片隅に。
子どもの性格によっては、親がある程度選択肢を出したり、子どもの思いをくみ取りながら考えて行く必要がある子もいます。子どものペースに合わせて決めていく必要があるのですが、親が進路選択に多く関わる際に意識しておきたいことがあります。
親が色んな学校の資料を見たり、見学や説明会に足を運んでいると、子ども以上に積極的に想像したり欲がわいたりしてくることがあります。
その学校に通っているわが子を想像して、「あんな風にチャレンジしてほしい」「こんな風に頑張ってほしい」と思いを強くしてしまうんですね。
親が導くこと自体は悪くないのですが、子どもが別の進路を望んだときに手を引くのが重要です。
あまり肩入れしすぎると、「あのとき、ああやって決めたじゃない」「ママは元の選択がいいと思う」などと子どもの主張を妨げてしまいがち。どのタイミングであっても、決断するのは子ども自身という考えを頭の片隅に置いておけるとよいでしょう。
子ども自身が「これでよかった」と思える選択ができるよう、サポートしていけるといいですよね。