「受験生の親」が不安なときに取り入れたい“気持ちの切り替え方”

家族・人間関係

www.photo-ac.com

2024.01.15

受験生の子どもがいると、受験間近は大きな不安からストレスを感じる方も少なくないかもしれません。自分事のようにモヤモヤしてしまう気持ちに、どのように向き合っていくとよいのでしょうか。今回は、コーチングや親子のコミュニケーションに詳しい久野 和禎さんに「いつでも誰でもすぐにできる、自分の気持ちとの向き合い方」について、お話を伺いました。

広告

教えてくれたのは……久野 和禎(ひさの かずよし)さん

久野和禎さん

一般社団法人フィードフォワード協会 代表理事。テンプル大学講師(認知心理学/コーチング)。
「フィードフォワード」という未来志向のコミュニケーション技術を開発し、フォレスト出版より『いつも結果を出す部下に育てるフィードフォワード』を発刊。「世界中のすべての子どもたちにフィードフォワードを無償で届ける」というビジョンのもとでオンラインサロンのメンバーと共に活動を続けている。

子どもが受験間近。不安な親の気持ちの切り替え方

受験で、実際にがんばるのは子ども自身。「自分のことではない」と、頭ではわかっていても思い詰めてしまい、子どもに余計な言葉をかけたり、他の子と比べたりしてしまう方もいるかもしれません。

そんなときにすぐにできて、久野さんご自身も実際におこなっているという、気持ちの切り替え方を教えていただきました。

思い詰めてしまったときの気持ちの切り替え方出典:www.photo-ac.com

久野さん「受験間近になると親も不安になりがちですが、まずは何でもよいので、好きなことをして受験から切り離された自分の時間をもつことを大切にするとよいと思います。自分の一部ではなく子ども本人のことだと捉え、あくまでも自分はサポートする立場であると割りきるためにも必要な時間です。
ハーブティーを飲む、好きな曲を1曲聴く、ドラマで涙を流す、運動する、土いじりをするなど何でもよいので、自分だけの時間を30分から1時間、難しい場合には数分つくるだけでも、気持ちが変わってくると思います。

あとは、私自身も中学生ごろから取り入れている“セルフトークの書き出し”がおすすめです。オンラインサロンなどで相談に来られるみなさんにもお伝えしている方法です。悩んでモヤモヤしているとき、うまくいかないときは紙に書き出すと解決しやすくなりますよ」

広告

今すぐに始められる「セルフトークの書き出し」とは

セルフトークの書き出しに必要なのは「紙とペンだけ」で、いつでも、誰でも、すぐにできる気持ちの切り替え方とのこと。悩んでいる状態に、どのような変化をもたらしてくれるのでしょうか。

久野さん「悩んでいることが頭の中でぐるぐる回っている状態が一番よくないので、吐き出すことが必要です。誰かに話して吐き出すこともできますが、相手の時間を取ってしまったり、相手によくない印象を与えてしまったりする可能性を考えると、躊躇してしまいますよね。

セルフトークとは出典:www.photo-ac.com

そこで取り入れるとよいのが、「セルフトークの書き出し」です。セルフトークとは、自分の頭の中に浮かんでくるさまざまな言葉や考えのことです。セルフトークを紙に書き出すことで、かなり気持ちが落ち着きます。
紙に出してしまえば、自分が考えていることを客観的に見られるので、次に進むための準備がしやすくなります。

モヤモヤしたり、イライラしたりするだけでは何も生まれません。その時間をできる限り短時間で終わらせて、どうしたらよいのかを考える時間にしていくほうが、はるかに重要です」

“書き出すこと”がもたらす新しい気づき

セルフトークを書き出す際には、悩んでいる気持ちを吐き出して整理するだけではなく、よかったことも書いてOKなのだそうです。書き出すことで、新しい気づきが得られるケースもあるそうですよ。

新しい気づきも得られるセルフトーク出典:www.photo-ac.com

久野さん「たとえば、受験生をもつ親が『子どもが今日のテストでいい点数が取れて、うれしい』と書き出したとすると、よく考えると『これは私の話ではないな』と、自分と子どもを一体化して考えていたことに気づくきっかけになりますよね。

子どもがいい状態をキープするためには、親がどのようにサポートするとよいのかを考えると『きっと大丈夫』だと自信につながっていく。すると自分自身にもお子さんにも『きっと大丈夫』だと言い聞かせられるようになる。お子さんも、試験中に最後まであきらめずに、あと1点、あと2点……と、粘り強さが出る。このような形で、親子ともに気持ちが未来に向くようになれるとよいですね」

書き出して、未来へ向かうエネルギーにつなげていく

久野さん流のセルフトークには、「湧き出し型」と「刷り込み型」の2つの種類があるとのこと。その違いについて伺いました。

  • 湧き出し型……自分の頭の中に湧いてくるセリフをすべて書き出す。
  • 刷り込み型……なりたい自分に対してのセリフ(未来の話や、なりたい自分になっているときに言うであろう言葉)を書き出す。

セルフトークには2つの種類がある出典:www.photo-ac.com

久野さん「湧き出し型のセリフは、自分以外の人に見せることで誤解を生む可能性も考えられます。誰にも見せないのを前提にして、次に進むために自分の心のうちを全部さらけ出すとよいと思います。書いたものは見返す必要があるわけではないので、書いた後は捨ててもよいでしょう。

刷り込み型のセリフは、理想の自分を刷り込んでいくものです。ポジティブな人になりたいと思っていたら、ポジティブな人が言っているであろうセリフを書き出せたらよいですね。どのような姿でありたいかを考えながら、おこなってみてください」

余裕がなくなると、頭の中がネガティブな感情がいっぱいになってしまうこともあるかと思います。そんなときには気持ちをすべて紙に吐き出して、ポジティブな一歩を踏み出すエネルギーに変えてみませんか?

広告

著者

shukana

shukana

小学生、幼稚園児の男の子のママ。出産前まで紳士服業界に携わり、TES(繊維製品品質管理士)の資格を取得。 暮らしをより楽しく、よりラクに過ごすための方法を日々模索中です。

気になるタグをチェック!

saitaとは
広告

人気記事ランキング

ランキングをもっと見る