ごぼうの「黒くなる」正体
ごぼうを切ったときに黒く変色するのは、ポリフェノール(クロロゲン酸など)が空気にふれて酸化するため。これは“アク”ではなく、抗酸化成分そのものなのです。
ポリフェノールには、体内で発生する活性酸素を抑え、細胞の酸化ストレスをやわらげる働きがあります。
肌や血管の健康を保つうえでも大切な成分。見た目の色より、その中にある力を大切にしたいですね。
さらした水を “だし汁” に使う
ごぼうを水にさらすと、黒ずみを防ぐ効果がありますが、同時にポリフェノールやイヌリン(水溶性食物繊維)も少しずつ溶け出します。普通はそのまま流してしまいますが、実はその“さらし水”にも、栄養が含まれています。
みそ汁のだしとして使えば、ごぼうの香りとポリフェノールの深い色合いが加わり、味にやさしいコクと自然な甘みが足されます。
<ポイント>
さらす時間は5分以内。風味を保ちながら、苦みもやわらぎます。
濁りが気になるときは、一度沸かしてアクを取るとすっきり仕上がります。
ごぼうの食べ方ポイント
・皮はむきすぎない
皮のすぐ下にポリフェノールが多く含まれます。たわしで軽く洗う程度でOK。
・水や酢水につけすぎない
つけすぎるとクロロゲン酸などの抗酸化成分が流れてしまいます。
・油との相性がよい
ごま油やオリーブオイルと合わせることで、ポリフェノールの吸収が高まるといわれています。
ごぼうのみそ汁

材料(2人分)
・ ごぼう……3分の1本(ささがき)
・ まいたけ……2分の1パック(ほぐす)
・ 長ねぎ……2分の1本(斜め切り)
・ ごま油……小さじ1
・ みそ……大さじ1と2分の1〜大さじ2
・ ごぼうのさらし水(足りなければ水を足す)……400ml
作り方
1. 下準備
ごぼうをささがきにし、水にさらす。その水は捨てずに、だし汁として使います。

2. 炒める
鍋にごま油を熱し、水切りしたごぼう・ねぎを炒める。香ばしい香りが立ったら、ごぼうのさらし水とまいたけを加え、火にかける。

3. 煮る
沸騰したら中火にし、3分ほど煮る。

4. 仕上げ
火を止めてみそを溶き、器に盛る。

丸ごと活かしてデトックス
ごぼうは「排出」「温め」「整える」という3つの力を持つといわれる秋冬の根菜。皮ごと、さらし水ごと使うことで、その香りも栄養もまるごと味わえます。
日々の食卓に取り入れることで、体の内側からすっきり整え、冬の季節にやさしく備える一杯になりますよ。



