「子どもの自己主張」どこまで尊重する?親が意識したい“3つの視点”

家族・人間関係

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2026.02.19

臨床心理士・公認心理師のyukoです。10代にさしかかると、「これはいや」「親に指示されたくない」など、これまで親の言うことを素直に聞いてきた子でも自己主張が強くなってきます。そんなとき、子どもの意見を無視するのもよくないとわかりつつも、すべて子どもの言うことを受け入れるのも難しいですよね。何を基準に子どもを尊重すればよいか、線引きを考えていきます。

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最近、子どもとの衝突が増えた

小学6年生の娘はこれまであまり反抗せず、親の言うことに「そうだね」と従うことが多かった。しかし最近は「自分でやるからいい」「その言い方やめて」と反抗的になることが増えてきた。反抗期の始まりか、と思いつつ、娘の思うようにさせてばかりいたら、正しい方向に導けないのでは? と不安にもなる。どの程度娘を尊重し、どの程度親が導くのがよい?

衝突する親子出典:stock.adobe.com

小学校高学年くらいになると、これまでは比較的おとなしかったり、親の言うことを素直に聞いていた子も「自分はどうしたいか」をはっきり言うようになります。
服、友だち、習い事、過ごし方などについて、「前は素直だったのに」と感じる親御さんも少なくありません。

このとき、子どもの主張を無視するのもよくありませんが、すべて子どもの希望を叶えるのも難しいですよね。

子どもと意見が衝突したとき、どこまで親が譲り、どこまで子どもの意見を尊重したらよいのでしょうか。
その線引きと方法を考えてみます。

子どもと意見が衝突し始めたときに考えておきたい3つのこと

【1】夫婦間で線引きを事前に考えておく

「友達と〇〇したい」「今日は〇時まで外出したい」「習い事やめたい」などの子どもの要望や主張。毎回聞き流したり、場当たり的な対応が続くと、子どもは「どうせ無理」か「強く言えば通る」と学び、親子の関係性も自己決定感も育ちにくくなります。

そこで事前に、夫婦でざっくり基準を共有しておくのがおすすめです。
ポイントは、“迷いやすいテーマ”だけでも先に考えておくこと。

たとえば、

  • 習い事をやめたい/変えたい
  • 友だちと遊ぶ約束の頻度
  • 帰宅時間
  • スマホやゲームの時間
  • 家族行事より友だちを優先したいと言ったとき

中高生男子出典:stock.adobe.com

その場の感情や感覚で「いいよ」「それはダメ」と返事していると、一貫性がなくなってしまいます。
夫婦間で”判断の軸”を準備しておけると、親子ともにストレスが少なくなります。

【2】安全に関わることは親が決める

子どもは親が思う以上に、「なんで〇〇はよいのに、△△はよくないのか」と理解できていないことがあります。

たとえば、

  • 友だちの家に泊まりたい
  • 夜遅くまで友だちと外にいたい
  • 親の知らないSNSを使いたい

こうしたお願いにNGを出したとき、子どもは「習い事の合宿はいいのになんでだめなの?」 「お兄ちゃんはいいのになんで私だけだめなの?」 と感じやすいものです。

大切なのは、「だめ」とだけ伝えるのではなく、なぜ心配なのか、どんなリスクがあると考えているのかをしっかり説明することです。

「何かあったときに守れるのが親だからだよ」だけでは伝わらないときは、「事故とか相手の問題とか、“あなたのせいじゃないこと”が起きたとき、親が『行かせた』『許した』って責任を持つ立場だから、今は〇時までに帰宅してほしい」など具体的に伝えるのがおすすめ。

時間がかかっても、子どもが納得できる形で話し合いができたら、他の場面での折り合いもつけやすくなるでしょう。

【3】5年後を想像してみて、大きな影響がないことは子どもに任せてみる

子どもと意見がぶつかったときは、「この選択は5年後に大きな影響を残すか」を一度考えてみるのもひとつ。

たとえば、

  • 服装の好み
  • どの友だちとどのくらい付き合うか
  • 放課後の遊び方

小学生出典:stock.adobe.com

親からすると、「その服装で大丈夫?」「そんな友だち関係で疲れない?」「時間の使い方、もったいなくない?」と気になることも多いでしょう。

しかしここで親が細かく口を出し続けると、子どもは「正解は親が決めるもの」と学んでしまいます。
5年後を想像してみて、大きな影響がなさそうなことは、うまくいかなくてもやり直せる経験。また、自分で失敗して、自分で気づく機会でもあります。
子どもに委ねることで「自分で選び、その結果を引き受ける力」が育つのも大切です。

子どもとの衝突を、親子のストレスととらえるのではなく、”人生のフェーズが変わってきたな”と大きく構えて受け止めていけるといいですよね。

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著者

yuko

yuko

臨床心理士・公認心理師。現在は小児の総合医療センターと大学の心理教育相談センターにて勤務。児童期から思春期の子どもへのカウンセリングやプレイセラピー、子育てに悩む保護者の方への育児相談を専門にしています。色彩心理学やカラーコーディネートについても学んでおります。

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