しっかり者といわれる長女。しかし本当は?
小4の長女は昔からしっかり者。忘れ物は少ないし、先生から注意されることもほとんどない。家では下のきょうだいの面倒も見てくれる。家では「しっかり者で助かってるよ」とよく伝えてる。一方、幼いころから好きなキャラクターが変わってなかったり、寝る前はよくくっついてくる。ふと、「大人びて見えるけど、そうじゃないところもある。この子は、本当はどういう性格なんだろう」と気にかかった。
面倒見がよかったり、空気が読めたり、難しい言葉を使ったり。
最近は「一見早熟に見える子」が増えているようです。
しかし中には、見せている振る舞いと内面の成長が一致していない子も多くいるんです。
大人びて見える子の、本当の姿と支え方を考えます。
「大人びている」と「精神的に成熟している」は別物
最近の子は、SNSや動画を通して大人の価値観に触れる機会が増えた影響もあり、言葉や振る舞いが達者に見えます。
しかし臨床現場で気にかかるのは、言動や振る舞いは大人びている一方、内面は年齢相応に幼さを残している子が少なくありません。
甘えたい。拗ねたい。思い切りわがままを言いたい。
そんな部分を出さずに、「ちゃんとしている自分」を続けている。
それゆえ、どこかで無理が生じて、張り詰めていた糸が切れたように無気力になる、どっと疲れる、感情のコントロールがうまくいかなくなる子もいるんです。
だからこそ大人は、その子の中に残っている“子どもらしさ”にも目を向けることが大切なのです。
大人びて見える子の支え方を考えていきます。
‟大人びて見える子”に家庭でできること
子どもらしい部分を見つける
大人びて見える子は、小さいころから成長した部分やできる部分ばかりを見られがちです。
しかし家庭では、あえて年齢相応の部分にも目を向けるのが大切。
たとえば、
- アイスの味を真剣に悩んで選ぶ
- 眠くなると不機嫌になる
- お気に入りの毛布やぬいぐるみを手放せない
- 幼少期からずっと同じキャラクターが好き
そんな姿を、「まだそんな子どもっぽいところもあるんだね」ではなく、「そういうところも含めて好きだな」と伝えてみてください。
できる自分だから、よい子の自分だから愛されているわけではない。そのままの自分でいていいんだ。”と感じられることが心の健やかな成長につながります。
「しっかりしてるね」以外の言葉を増やす
「しっかりしてるね」「頼りになるね」「大人だね」
大人びている子は、近所の人や親戚、先生など、多くの人から似たような評価を受けて自分の役割やイメージを形づくっていきます。
もちろん悪い言葉ではありませんが、そのような言葉ばかりだと子どもは無意識に「しっかりしている自分でいなきゃ」と感じやすくなります。
そのため家では、
- 「今日ずいぶん楽しそうだったね。ママも嬉しくなっちゃった。」
- 「その発想面白いね。思いつかなかったよ。」
- 「おっちょこちょいなところは、〇〇らしくて昔からかわいいね」
など、能力や役割ではない部分にも目を向けてみてください。
子どもに「そのままのあなたを見ているよ」というメッセージが伝わることが大切です。
「家庭の運営メンバー」にしすぎない
大人びた子に起きやすいのは、家族の中で頼られる存在になりすぎることです。
たとえば、
- 下のきょうだいの世話を任される
- 親やきょうだいの予定変更に合わせて我慢する
- 親の愚痴の聞き役になる
ひとつひとつは小さなことですが、積み重なると子どもは少しずつ「家庭を支える側」になっていきます。
そこで意識したいのは、子どもを相談相手や調整役にしすぎないこと。
たとえば、
- お金や家族の問題は夫婦で話す。
- 手伝いを進んでしてくれるときも、「助かるけど、好きなことしてても大丈夫だよ」と伝える。
- 我慢させたあとは「偉かったね」で終わらせず、「わがままひとつ教えて」と希望を叶える。
子どもが、子どもらしく過ごすための工夫や調整も必要なんですね。
子どもは早く大人になることで成長するのではありません。
その年齢らしく笑ったり、甘えたり、失敗したりしながら育っていきます。
大人びている姿を見ると親は安心したくなりますが、本当に大切なのは、安心して子どもでいられること。
その子らしい幼さ、愛らしさをたくさん味わいながら、ゆっくり成長を見守っていけるといいですよね。



