ワンオペが招く時間の貧困
数年前と比べてだいぶ変わってきたとは言え、まだまだ日本では男女の家事育児時間格差は大きなままです。東京都の調査(男性の家事・育児実態調査2025)では、男性が家事育児にかける時間は1日3時間29分なのに対して、女性は7時間49分。その差はなんと1日4時間19分にもなります。
さらにこの調査では「足りないのは自由な時間と、睡眠時間」と結論づけています。
- 夜21時には子どもを寝かしたいのに、いつも23時を過ぎてしまう
- 子どもが寝てから、自分の時間が作れればいいけど、片付けや残った家事を結局やることになってる
- 夫に頼んだはずの家事が終わってなくて、その後片付けに疲弊している
こうした問題はなぜ起こってしまうのでしょうか?
声を上げにくい「隠れワンオペ」とは?
だいぶ変わりつつあるとは言え、社会はまだ「男性が働き、女性が家庭を守る」という構造から抜けきれてはいません。 よく言われる小1の壁は、保育園時代は夜まで預かってもらえていたのに、小学生になったことで学童に入れても13〜15時ごろに子どもが帰宅してくる。 そのお迎えや対応をするのは、ほぼママである。 育休も男性の取得率が50%を越えるという嬉しい変化がある一方で、期間は2週間前後が多く、1年近く育休を取得するママが結局家事育児を担いがちになるなど。
「普通」に暮らしていたら、自然と女性に家事育児が偏りがちになる構造になっています。
ですが、そもそも専業主婦が当たり前だった数十年前と、共働きが当たり前で核家族化も進んだ現代では、働き方などの構造も変わっていかなくては、家庭が回らなくなるのは当然のことです。
また、現代では家事育児に積極的なパパも増えてきました。 そうなったことで生まれたのが「パパも一生懸命やってくれてる。こんなにやってくれてるのに『もっとやって欲しい』なんて言えない……」という悩みです。 ぼくはこれを「隠れワンオペ」と名付けました。
この隠れワンオペの厄介なところは「わたしの要領が悪いからだ」と自分を責めるように追い詰めてしまうこと。
そして「やってくれてる」という事実と感謝の気持ちから、「わたしばっかり大変だ」と声を上げにくいということ。
「家事をやってもらうこと」の先へ
これまでは「男性にも家事育児をやってもらうこと」が目標とされてきました。 しかし、本当に大切なのは「家事育児をやってもらうこと」だけじゃありません。その先に「お互いの自由時間が確保できる」ことがあります。
男性も家事育児をやることが当たり前の社会になったことで、自分の自由時間を削って家事育児に向き合っている人も多いです。お互いが家事育児をがんばっているのに、時間の貧困状態に陥ってしまう。
そこで注目して欲しいのが「時間の質」です。 僕たちはどうしても「時間の量」にこだわってしまいます。ですが、量は1日24時間以上にはなりません。 スキマ時間を使っていかに24時間の中にやるべきことを上手に詰め込むか、という発想のままだといつまで経っても時間の貧困を感じたままです。
ですが、その時間の中に「何を入れるのか」「何は入れないのか」という取捨選択と、その時間をいかに楽しく過ごすかを工夫することはできます。たとえばわが家では洗濯物は家族みんなでおしゃべりしながら畳みます。 「洗濯をたたむ」という時間ではなく「おしゃべりの時間に洗濯をたたんでいる」という感覚です。
掃除も基本は週1回、家族みんなでやるようにしています。 片付けも「寝る前にテーブルを片付ける」だけです。
とても完璧に理想通りの生活とは言えないかもしれません。でも、いまはそれでいいと思っています。 子どもが成長すれば、もっと片付けも家事もラクになります。ラクになったら、質を上げてやろうと目論んでいます(笑)
「隠れワンオペ」に悩まず、時間の質にぜひ注目してみてください。



