太もも裏が硬いと起こる症状とは?
太もも裏にはいくつかの筋肉があり、総称して「ハムストリングス」と呼ばれています。このハムストリングスは、足を後ろに蹴り出す動き(股関節が後ろへ反る動き)、しゃがんだり座ったりする動き、股関節を開いたり前屈したりする動きなどに使われる筋肉です。
しかし、姿勢が悪い状態が続き、骨盤が後傾してしまうとハムストリングスは使われにくくなり、やがて衰えて固くなってしまうのです。とくに、女性や高齢者はこの状態になっている人が多くいます。
ハムストリングすが硬いと起こりやすい症状
- 股関節の可動域が狭くなり、骨盤が歪みやすくなる
- 連動しているお尻の筋肉も硬くなり、ヒップラインが崩れる
- 腰痛の悪化
- 肩こりの悪化
- お腹周りの動きも悪くなり、ぽっこりお腹になる
本来はゴムのように、しなやかに伸び縮みするはずの筋肉がカチカチになっている……。その状態を放置して、無理に前屈したり(引っ張ったとき)運動すると怪我もしやすくなります。
前屈系ストレッチでありがちな失敗
- 背中が丸まってしまう
- 細かいポーズの崩れが発生している
- 呼吸が浅くなってしまう(もしくは止まってしまう)
前屈が苦手な人に多いのは「胸を前に倒そうと頑張ってしまい、背中が丸まってしまう」パターンです。股関節やハムストリングの筋肉の動きを無視して胸を近づけようとすると、前屈はいつまでたっても深まりません。
柔軟性を上げるには「呼吸」を上手く組み合わせる
ストレッチするときは一発で筋肉を伸ばそうとせず、「呼吸をするたびに1㎜ずつ伸びればOK」というくらいの気持ちでおこないましょう。そうすると自然に筋肉の緊張もほぐれ、柔らかさが出てきやすくなります。
3分で完了「前屈が深まるストレッチ」
今回のストレッチは、床に座って前屈するポーズです。身体が前に倒れることよりも大切にしてほしいポイントが3つありますので、確認していきましょう。
- 膝は曲がってもOK(ハムストリングスが伸びてる感覚を優先)
- 足首は90度に曲げ、つま先は真っ直ぐ天井方向へ向ける
- 片方のお尻が浮いたり、重心が偏らないように座る
上記のポイントを押さえながら、次のポーズをおこなってみてください。
- 片方の足を伸ばし、もう片方の足裏は太もも内側にくっつける
- このとき3つのポイントを意識する
- 息を吐きながら股関節を折りたたむようにして身体を前に倒す
- 胸が床に近づかなくても気にしない
- 太もも裏・膝裏の伸びを感じながらゆっくり3~5回深呼吸
- 反対側の足でもおこなう
呼吸はお腹を膨らませる「腹式呼吸」を意識します。つらくなければ「鼻から吸って、鼻から吐く」を意識しましょう。もし苦しさを感じる場合は、口から息を吐いても問題ありません。
まとめ
地味なストレッチこそ、細かいポイントを押さえて実践することが重要になります。続けることで、少しずつ前屈が深まるのを感じていただけるはずです。