僕はずっと「家族のために」ご飯をつくっていた
家族のために食事の支度をしている人は、きっと同じような気持ちの人も多いと思うんです。
それは、
- 買い物をするときに「家族」の好みを優先してしまう
- 子どもの好き嫌いに合わせてメニューを考えてしまう
- 子どもだけ(夫だけ)別のメニューを別に作ることがある
- 家族の健康を考えて作ったのに、嫌がられる
一つくらい当てはまるのではないでしょうか?
もしかしたら全部当てはまってしまう人もいるかもしれません。ちなみに僕は全部です。
念の為。妻の名誉のために一言添えておくと。
妻は僕が作った料理に対して文句を言ったことなんか1度だってないし、いつだって、たとえ失敗した料理だって「美味しい!!」と全力で喜んでぺろりと食べてくれます。
ですが。中には、食べても感想の一言もなく、モソモソとどうでも良さそうに食べ、味の好みがどうのこうのと文句だけは口にする。そんなパートナーをお持ちの方もいるかもしれません。
そうした方にとっては、僕よりももっと「家族のために」食事を用意することの面倒臭さを感じると思います。
「パートナーが美味しそうに食べてくれるんなら、べつに対して困ってないじゃん」
と思われる方もいるかもしれません。
僕にとって大変だったのは、自分の中にある「家族のために」という強烈な思い込みだったんです。
だって、家族に「私達のために、好みや健康を考えて、その上ちゃんと美味しいご飯を作って」なんて言われてない。
でもなぜか「家族のために、好みや健康を考えて、その上ちゃんと美味しいご飯を作らなくちゃ」って思い込んでた。
だからスーパーで買い物をするときも。
「これ食べたいけど、娘は食べないだろうな」とか「本当は白菜を使いたいけど、娘が白菜食べられないからキャベツで代用するか」なんて考えるんです。
「自炊のおすそ分け」でいい
ある日、You Tubeを見ていてとても美味しそうなレシピを見つけました。
野菜がたっぷりで、娘は苦手そう。
また嫌がるかな? 別メニューを用意してあげたほうがいいかな? そんな思いもよぎりましたが、そのまま大人と同じメニューを出すことに。
「え? わたしのも野菜いっぱい入ってる。。。」
あきらかにしぶり始める娘。
「そうだね。でも、これパパが食べたかった料理なんだよ」
「パパが食べたかったのか〜。じゃあ、しょうがないか」
意外とすんなり受け入れた娘(笑)
「君も、自分で料理するようになったら、自分で自分が食べたいものを作って食べられるようになるよ」
「わたしも料理できるようになったら、自分で好きなもの作って食べる!」
この、なんてことない会話が僕にとって大きなキッカケとなりました。
「料理をする人にこそ、自分が好きなものを作って食べる権利があるんだ」と。
自分で自分のために料理することを「自炊」と言います。
自分で食べたいものを選び、身体のことを考え料理して食べる。
それを家族におすそ分けする。
そんな感覚でいいよな、と思ったのです。
それからは、自分が食べたいものを軸に料理をするようになりました。
さすがに辛いものなど、子どもが食べられないものをわざわざ作ったりはしませんが。
でも自分の食べたいものを考えながら行くスーパーは、とても楽しい。
でも、そんな変化があったことなんて家族が気がつくこともありません。
みんなには、いつもと同じようにご飯を作って出してくれるパパです。
けど、自分が食べたいものを選んで作っているから、僕自身の食事の時間が楽しくなったんです。
いらいらせずに「これYou Tubeで見て美味しそうだったんだよ〜」と出す料理は、結果的にみんなも喜んでくれます。
そして、たまに「家族のために」料理するのも楽しくなりました。
ターゲットを妻や娘に絞って「今日は妻が喜ぶメニューを考えてみよう」と、積極的に喜んでもらえるように考えるのは楽しいんです。
毎日家族のご飯をつくるのは、地味に大変。
でも、自分の中にある「家族のために」ってフィルターを外すと、料理と食事がすごく楽しくなるかもしれません。