「娘は白菜食べられないし……」と気にしていた僕が、“家族のためにご飯をつくるのをやめた”ワケ

家族・人間関係

stock.adobe.com
 “家族のためにご飯をつくるのをやめた”ワケ

2023.02.05

僕は最近。「家族のためにご飯をつくる」のを辞めました。 と、書いても「男の人だから、たま〜に作る程度だったんでしょ? 何を今さら」なんて思われるかもですが。 わが家の料理担当は結婚以来12年以上、基本的には僕が担ってきました。 朝食、お弁当、夕飯を毎日作り、娘が産まれた頃は離乳食だって作って食べさせていました。 そんな僕ですが。「家族のためにご飯をつくらなくなった」ら、ご飯をつくるのがすごく楽しくなったんです。 さらに家族も喜んでくれるようになって、娘も「外で食べるよりパパのご飯が食べたい!」と喜んでくれるようになりました。 禅問答のような話ですが、どういうことかお話します。

広告

僕はずっと「家族のために」ご飯をつくっていた

家族のために食事の支度をしている人は、きっと同じような気持ちの人も多いと思うんです。
それは、

  • 買い物をするときに「家族」の好みを優先してしまう
  • 子どもの好き嫌いに合わせてメニューを考えてしまう
  • 子どもだけ(夫だけ)別のメニューを別に作ることがある
  • 家族の健康を考えて作ったのに、嫌がられる

一つくらい当てはまるのではないでしょうか?
もしかしたら全部当てはまってしまう人もいるかもしれません。ちなみに僕は全部です。

食事風景出典:stock.adobe.com

念の為。妻の名誉のために一言添えておくと。
妻は僕が作った料理に対して文句を言ったことなんか1度だってないし、いつだって、たとえ失敗した料理だって「美味しい!!」と全力で喜んでぺろりと食べてくれます。

ですが。中には、食べても感想の一言もなく、モソモソとどうでも良さそうに食べ、味の好みがどうのこうのと文句だけは口にする。そんなパートナーをお持ちの方もいるかもしれません。
そうした方にとっては、僕よりももっと「家族のために」食事を用意することの面倒臭さを感じると思います。

「パートナーが美味しそうに食べてくれるんなら、べつに対して困ってないじゃん」
と思われる方もいるかもしれません。

僕にとって大変だったのは、自分の中にある「家族のために」という強烈な思い込みだったんです。

料理出典:stock.adobe.com

だって、家族に「私達のために、好みや健康を考えて、その上ちゃんと美味しいご飯を作って」なんて言われてない。
でもなぜか「家族のために、好みや健康を考えて、その上ちゃんと美味しいご飯を作らなくちゃ」って思い込んでた。

だからスーパーで買い物をするときも。
「これ食べたいけど、娘は食べないだろうな」とか「本当は白菜を使いたいけど、娘が白菜食べられないからキャベツで代用するか」なんて考えるんです。

「自炊のおすそ分け」でいい

ある日、You Tubeを見ていてとても美味しそうなレシピを見つけました。
野菜がたっぷりで、娘は苦手そう。
また嫌がるかな? 別メニューを用意してあげたほうがいいかな? そんな思いもよぎりましたが、そのまま大人と同じメニューを出すことに。

「え? わたしのも野菜いっぱい入ってる。。。」
あきらかにしぶり始める娘。

「そうだね。でも、これパパが食べたかった料理なんだよ」
「パパが食べたかったのか〜。じゃあ、しょうがないか」
意外とすんなり受け入れた娘(笑)
「君も、自分で料理するようになったら、自分で自分が食べたいものを作って食べられるようになるよ」
「わたしも料理できるようになったら、自分で好きなもの作って食べる!」

食事出典:stock.adobe.com

この、なんてことない会話が僕にとって大きなキッカケとなりました。

「料理をする人にこそ、自分が好きなものを作って食べる権利があるんだ」と。

自分で自分のために料理することを「自炊」と言います。

自分で食べたいものを選び、身体のことを考え料理して食べる。
それを家族におすそ分けする。

そんな感覚でいいよな、と思ったのです。

それからは、自分が食べたいものを軸に料理をするようになりました。
さすがに辛いものなど、子どもが食べられないものをわざわざ作ったりはしませんが。
でも自分の食べたいものを考えながら行くスーパーは、とても楽しい。

でも、そんな変化があったことなんて家族が気がつくこともありません。
みんなには、いつもと同じようにご飯を作って出してくれるパパです。

けど、自分が食べたいものを選んで作っているから、僕自身の食事の時間が楽しくなったんです。
いらいらせずに「これYou Tubeで見て美味しそうだったんだよ〜」と出す料理は、結果的にみんなも喜んでくれます。

そして、たまに「家族のために」料理するのも楽しくなりました。
ターゲットを妻や娘に絞って「今日は妻が喜ぶメニューを考えてみよう」と、積極的に喜んでもらえるように考えるのは楽しいんです。

毎日家族のご飯をつくるのは、地味に大変。
でも、自分の中にある「家族のために」ってフィルターを外すと、料理と食事がすごく楽しくなるかもしれません。
 

広告
saitaとは
広告