真夏の外の暑さと室内の冷房の寒暖差で起こる疲労感。“寒暖差疲労の予防策”を医師に聞いた

心と体

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2023.07.25

最近、身体が疲れやすくて重いような気がする……。もしかすると、そのだるさは“寒暖差疲労”からくるものかもしれません。まだまだ続く暑い夏を健やかに乗りきるためには、どのようなことに気をつけるとよいのか知りたい方も多いのでは? そこで今回は、医学博士、循環器内科専門医の藤井崇博先生に「寒暖差疲労の予防法」について教えていただきました。

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教えてくれたのは……藤井崇博(ふじいたかひろ)先生

藤井崇博先生

医学博士、循環器内科専門医。
専門領域は循環器内科で、2021年までの約10年間大学病院、関連病院で臨床、研究、教育に従事。最近では循環器疾患含む内科外来の他にも、SNSやその他コラムなどでの健康に有益な情報の発信にも力を入れている。

この時期に起こりやすい「寒暖差疲労」とは

エアコンのきいた涼しい部屋で過ごした後に暑い屋外に出ると「身体のだるさを感じることが多い」という声をよく耳にしますが、なにが原因として考えられるのでしょうか?

藤井先生「梅雨の季節、夏の季節など、外の環境や室内と屋外との気温差が大きいと、体温調節をするために自律神経に大きく負荷がかかりバランスが崩れます。自律神経の乱れによって疲れを感じやすくなるのが、『寒暖差疲労』と呼ばれるものです。

夏に起こりやすい寒暖差疲労出典:www.photo-ac.com

人間の体は通常、暑い時は汗が蒸発することで体温を下げる調節をしています。しかし、高温多湿な環境では汗の蒸発が邪魔され、体の中に熱がこもりやすくなります。

普段、私たちの体は気温の変化に伴い、体温を一定に保つために自律神経を働かせて皮膚の血液量を調整したり、筋肉で熱を生み出したり、発汗することで体温を下げたりしています。
気温差が大きいと自律神経が過剰に働いてしまい、エネルギーを多く消耗することで疲労が蓄積してしまうのです。」

寒暖差疲労で起こりうる症状

藤井先生は「自律神経の乱れは、夏の体調不良の主な原因と考えられます。」と、おっしゃいます。
寒暖差疲労で起こりうる症状は下記のとおりとのこと。

  • 肩こり
  • 頭痛
  • めまい
  • 倦怠感
  • 便秘
  • 下痢
  • 不眠
  • 体の熱っぽさ、だるさ

など、さまざまな心身の不調をもたらすのだそうです。慢性化すると、わずかな気温差でも不調を感じやすくなってしまうそうですよ。

意識的に自律神経をトレーニングすることが大切

寒暖差疲労を起こさないようには、どのようなことができるのでしょうか? 誰でも簡単にできる予防策についても教えていただきました。

藤井先生「寒暖差疲労を予防するためには、乱れた自律神経の機能を整えることが大切です。日常生活に適度な寒暖差のリズムを作り、自律神経をトレーニングすることが対策になります。


 寒暖差疲労を起こさないための予防策出典:www.photo-ac.com

例えば、気温が高い日中は換気して外気を取り入れることで身体を冷やす、逆に気温が低くなる夜は温かい飲み物を飲むことで身体を温めるなどをして、1日の中で意識的に寒暖差をつけることが自律神経のトレーニングになります。この際、急激に身体を冷やしたり温めたりすると逆効果になるので注意しましょう。」

自律神経を整えるために意識しておきたい4つのこと

藤井先生によると、自律神経を整えるためには下記の4つを意識するとよいそうです。

1.身体を温める。
2.ウォーキング、ランニング、水泳などの有酸素運動を行う。
3.首や肩の筋肉のストレッチをする。
4.規則正しい生活を送り、適度な睡眠と朝に太陽の光を浴びる。



自律神経を整えるために耳マッサージも効果的出典:www.photo-ac.com

藤井先生「1の身体を温めることについては、前述のとおり夜に温かい飲み物を飲むなどに加えて、38~41度のお湯に首までつかって芯まで温めることもおすすめです。
自律神経が集まっている首を温めることが重要なポイントになります。また、自律神経は首だけではなく、耳の周りにも集中しているので、耳をつまんで前後に回したりすることも自律神経の働きを整えるのに有効です。」

暑いからといってシャワーだけで済ませてしまうのではなく、湯舟で身体を温めることも必要なことのようです。熱中症に十分に気をつけつつ、上手に寒暖差疲労対策も同時にできるとよいですね。無理のない身体づくりで、夏を元気に乗りきりましょう!

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著者

shukana

shukana

小学生、幼稚園児の男の子のママ。出産前まで紳士服業界に携わり、TES(繊維製品品質管理士)の資格を取得。 暮らしをより楽しく、よりラクに過ごすための方法を日々模索中です。

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