教えてくれたのは……医療法人 春陽会 サクラクリニック
高血圧や糖尿病などの生活習慣病を中心に、禁煙や認知症の治療を積極的に取り組んでいる医療法人春陽会 サクラクリニック。「質の高い医療」「説明を大切」にをモットーに、地域に根ざした医療を目指し、循環器、在宅医療、漢方を使った医療、管理栄養士や健康運動指導士と力を合わせて栄養指導や運動指導も積極的に取り組んでいる。
納豆は栄養の宝箱
納豆には豊富な栄養がたくさん含まれています。例えば、納豆菌に含まれるナットウキナーゼは血液をサラサラにする効果があり、高血圧や脳梗塞などの予防に役立ちます。
その他にも納豆には、様々な健康効果がたくさん! そして、それらは納豆の形状(1)や食べ合わせ(2)によっても異なります。
(1) 形状の違いと健康効果
ひきわり納豆、大粒・小粒納豆など、納豆の形状はその製造過程によって異なります。製造過程が異なると栄養にも違いが生じます。
ひきわり納豆
ひきわり納豆は製造過程で食物繊維を多く含む皮が取り除かれ、粒を砕いた後に蒸して発酵させてつくられた納豆です。
ひきわり納豆には、納豆を発酵させるときに生成されるビタミンKが大粒・小粒納豆よりも1.5倍多く含まれます。これは大豆の粒を砕いて発酵させることで、表面積が広くなるためです。
<健康効果>
丈夫な骨を作るために必要なビタミンKは、骨の健康を保ちます。
大粒・小粒納豆
大粒・小粒納豆は、大豆一粒一粒をそのまま発酵させて作られた納豆です。
刻まずに大豆をそのまま蒸すため、カルシウムやマグネシウムを豊富に含んでいます。
<健康効果>
カルシウムやマグネシウムを多く含むため、便秘やむくみに効果的です。
(2) 食べ合わせによる健康効果
納豆+ねぎ
納豆に含まれるビタミンB1は糖質をエネルギーに変える働きがあり、疲労回復に役立ちま
す。ねぎにはビタミンB1の働きを助ける効果があり、納豆の疲労回復効果がさらにアップします。また、ねぎに含まれる硫化アリルという物質は納豆の血液をサラサラにする効果をさらに高めます。
<健康効果>
疲労回復、血液サラサラ
納豆+キムチ
納豆の納豆菌と、キムチの乳酸菌の相乗効果で腸内の善玉菌の活性化につながります。便秘
がちな人や腸内環境が気になる方におすすめです。また、キムチに含まれるカプサイシンという物質は納豆と一緒に食べることで血管を広げて血流を良くし、新陳代謝を促進する効果が期待できます。
<健康効果>
便秘解消、新陳代謝の促進
納豆+トマト
納豆には五大栄養素のすべてが含まれており栄養満点の食品ですが、ビタミン類があまり多く含んでいません。ビタミン類を多く含むトマトと一緒に摂取することで、納豆に不足気味のビタミン類を補うことができます。
<健康効果>
ビタミンの補充
納豆+アボカド
アボカドはビタミンCを多く含んでおり、納豆に不足しているビタミンCを補うことができます。また抗酸化作用もあるため、一緒に摂取することで美肌効果が期待できます。
<健康効果>
ビタミンCの補充、美肌効果
納豆+山芋
山芋には、でんぷんを分解するアミラーゼなどの消化酵素が多く含まれています。これらの消化酵素は、納豆に含まれる栄養の吸収を助けてくれるため効率的に栄養をとることができます。
<健康効果>
栄養の吸収を助ける
いかがでしたか? 納豆の形状や食べ合わせによって健康効果に違いがあるのは驚きでした。筆者も、自分や家族の体調に合った納豆の食べ方を工夫したいと思います。皆さんも、ぜひ試してみてくださいね!