興味の幅が広がる!「漫画」が子どもに与える“メリット3選”

家族・人間関係

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2024.10.05

臨床心理士・公認心理師のyukoです。近年、デジタルツールが増えてきて、漫画を読む若者が減っているといいます。しかし一方、漫画が好きな親御さんがいる家庭では、子どもにとって身近なところに漫画がありますよね。漫画を読む子と読まない子、どのような差や影響があるのでしょうか。

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漫画って何か役に立つの?

夫が漫画好きで、小学生の息子や娘も影響を受けてゴロゴロと読んでいる。勉強の集中は続かないけど漫画を読んでいるときは話しかけても気がつかないくらいの集中力。本当は漫画よりも本を読んでほしいんだけど。漫画って何かに役だったり、意味があったりするのかな? それともただの娯楽で息抜きに過ぎない?

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若者の漫画離れが叫ばれる中、今も昔も漫画が好きな子は多いですよね。特に最近は、大人もハマるような漫画が増え、映画やドラマの原作となるほど人気なものも。

一方親としては、「本は勉強に繋がりそうだけど、漫画は関係ないのでは?」と感じたり、「小説や学校の推薦図書を読んでくれたらいいのに」と思う方も多いですよね。
漫画は子どもにとってどんな影響があるのかを考えてみます。

ただの娯楽に留まらない、「漫画のメリット」3選

1. 「興味の幅」を広げられる

「やらなきゃいけないことをやる以外は、ゲームの時間に使いたい」と考えている子も多くいるでしょう。ゲームから学べることや、身に着けられるよい習慣や技術もたしかにあるでしょう。ただ、ゲームをやりこんでも、そこから興味関心が広がりにくいという短所もあります。

一方、漫画のジャンルは多岐に渡り、漫画を読む習慣が身についていると、興味関心をどんどん広げていける可能性もあります。ファンタジーや冒険ものに留まらず、歴史や自伝、歴史的文学作品を漫画にしたものまで。また今は、様々な専門職のリアルな描写に触れられたり、社会の様々な側面を映し出している作品も多いです。

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幼少期から漫画が身近にあると、成長過程においても、よい漫画を探索し、新しい知識と出会いやすくなります。限定したジャンルだけではなく、少しでも興味のありそうなものを勧めてみるのもよいでしょう。

2. 人の「心の機微」を感じられる

文章を読む上では、ただ文字を目で追っていくばかりではなく、読解力が求められます。特に日本語では、いわんとすることをくみ取る力、行間を読み取る力が必要なものも多くありますよね。読書家であれば、それこそが読書の醍醐味と感じるかもしれませんが、読書嫌いからすればやはり負担に感じやすいもの。

漫画であれば、イラストを手がかりに、背景や心情をくみ取ったり、想像しやすくなります。私個人としては、文字を読んで感じる体験と、絵を見て心が動く体験にはそれぞれ別のよさがあると考えています。

子どもであれば、よりわかりやすく明確なものに心を動かされ、夢中になりやすいもの。まずはハマれるもの、いいなと思えるものにたくさん出会えていくといいですよね。

3. 「記憶力や推理力の向上」に繋がる

漫画のジャンルや質によっては、先を想像する力、記憶を整理する力、問題を推理・解決する力も養っていけます。ただ目で絵を追っているだけではなく、頭のいろんな力を使いながら読むこともできるんですね。

特に人は、集中しているときに思考する力が伸びやすいといわれています。熱中してハマっているとき、主人公に深く思いを入れ込んでいるとき、考える力がめきめきと伸びているのではないでしょうか。

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直近のテストの点数には繋がらないかもしれませんが、将来に役立つ思考力を身に着けられるツールともいえるんですね。

国語が苦手な子に特におすすめの漫画学習

国語に興味が持てないし文章を見るのも嫌だ、簡単な本でも読みたくない。そのような子は、活字からどんどん離れていってしまいがち。

また、学習障がいのうちの一つであるディスレクシア(読み書きの障がい)の特性をもつ子には特に漫画がおすすめ。小児精神科の医師も実際によく、ディスレクシアの特性をもつ子に漫画を読むことを勧めています。

長い文章になると読むのに負担を感じたり、見るのさえ嫌になってしまいますが、セリフや会話の短い文だととっかかりやすいんですね。また、イラストから得られる情報も多いので、負担少なく活字になじんでいくことができます。

親子で漫画を楽しむ時間も、少しずつ増やしていくのもいいですよね。

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著者

yuko

yuko

臨床心理士・公認心理師。現在は小児の総合医療センターと大学の心理教育相談センターにて勤務。児童期から思春期の子どもへのカウンセリングやプレイセラピー、子育てに悩む保護者の方への育児相談を専門にしています。色彩心理学やカラーコーディネートについても学んでおります。

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